【この8社がわかれば世界が見える】
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本日ご紹介する一冊は、アメリカITを代表する4社(=GAFA:グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と、中国ITを代表する4社(=BATH:バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)を、専門家が解説した一冊。
著者は、立教大学ビジネススクール教授であり、著書『アマゾンが描く2022年の世界』で知られる田中道昭さんです。
『アマゾンが描く2022年の世界』
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本書では、事業領域と企業としての類似性から、アマゾンとアリババ、アップルとファーウェイ、ファイスブックとテンセント、グーグルとバイドゥを比較しながら、それぞれの特徴と最新のニュース、ビジネスモデルなどを紹介したもので、分析の軸として、著者独自の「5ファクターメソッド」を用いています。
この「5ファクターメソッド」は、中国の古典的な戦略論『孫子の兵法』の中でも特に重要な要素である「五事」(「道」「天」「地」「将」「法」)を著者なりにアレンジしたもので、それぞれ5つをこう言い換えています。
道:企業としてどのようにあるべきかというグランドデザイン
天:外部環境を踏まえた「タイミング戦略」
地:地の利
将:リーダーシップ
法:マネジメント
今後の世界経済発展の鍵を握る8社が、それぞれどのようなDNA、思想を持ち、どんなことを企んでいるのか。機会と脅威は何なのか。
さっそく、内容をチェックして行きましょう。
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今後、アレクサはさまざまな商品やサービス、コンテンツを外部から取り込み、1つの生態系(エコシステム)をつくり上げていくことでしょう。すでにスマートホームの領域から自動運転車「スマートカー」の領域まで、「アレクサ経済圏」とでも呼べる産業構造が形成されつつあります
「アマゾン・ギフト券」は、見方によっては預金のようにも見えます。これは残高をチャージするとアマゾンでのショッピングに利用できるというものですが、現金で残高を追加するとポイントが貯まり、1回のチャージ額が9万円以上なら通常会員で2.0%のポイントがつきます。まるで預金金利がつくかのようです
アマゾンの場合は毎年アニュアルレポートで「顧客」を明確に定義しています。2017年のアニュアルレポートの中には、消費者、販売者、デベロッパー、企業・組織、コンテンツクリエイターの5つが顧客であると書かれています
リアル店舗の展開、OMOの推進という点ではアリババのほうが質量共に先行しています。特に注目すべきは、アリババが展開するスーパーマーケット「※フーマーフレッシュ」です
※漢字が出せないので省略
※OMO=Online Merges Offline
2018年にアリババが投資家向けに発表した「イベスターデイ」の資料によれば、開店から1年経った7店舗の1店あたりの平均日販は日本円で約1360万円にのぼり、単純計算すると1店舗で年間50億円近い売り上げとなっています。そして驚くべきことに、そのうちの約6割はオンライン経由なのです
アップルはこのエコシステムを自社製品のみならず、多くの企業が展開するヘルスケア関連のIoT機器製品群にもオープンプラットフォームとして公開していくのではないかと考えられます。今後、アップルウォッチやiPhoneは、スマートヘルスケアのプラットフォームとしても成長し、そこではさまざまなヘルスケア関連の商品・サービス・コンテンツが展開されるでしょう
◆他社にはないファーウェイ3つの特徴
・独自の社員持ち株制度
・輪番CEO制度
・ファーウェイ基本法
2017年のデータでテンセントの収益構造を見ると、売り上げの65%を占めるのはVAS収入です。このうち多くをゲーム内課金が占めると考えられます。収益構造からいえばテンセントはゲーム会社といってもいいほど
使用頻度と顧客接点が勝者の条件
「ビッグデータ×AI」による検索と広告表示は、検索ワードを自分ですべて考えなくてもよくなるだけでなく、表示する広告もより潜在的なニーズ、ユーザー自身が明確に意識していない欲求に対応したものになっていくはずです
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アメリカの4社(GAFA)に関しては、既に情報が出尽くしている感があり、そこまで内容に新鮮さを感じませんでしたが、中国の4社(BATH)に関しては、まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。
各社のサービスをより理解するため、写真がもっとあれば良かったのですが、それでもベースの戦略を理解するのには役立ちます。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『GAFA×BATH』田中道昭・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
序 章 「5ファクターメソッド」でメガテックを分析する
第1章 アマゾン×アリババ
アマゾン経済圏とアリババ経済圏の戦い
第2章 アップル×ファーウェイ
プラットフォーマーとハードウエアメーカー。「ショック」をどう越えるか
第3章 フェイスブック×テンセント
目的としてのSNSか、手段としてのSNSか
第4章 グーグル×バイドゥ
検索サービスから事業を拡大。狙うはAIの社会実装
第5章 GAFA×BATHの総合分析と米中の新冷戦
終 章 GAFA×BATH時代、日本への示唆
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