2019年2月8日

『身近なアレを数学で説明してみる』佐々木淳・著 vol.5212

【直感型経営者のための数学入門】
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高校時代は数学が大の苦手でした。

中学校時代は何とか努力で100点満点取れた数学が、高校になるとまるで歯が立たない。

唯一、商売に使えそうな確率統計は成績が良かったのですが、微分積分に関しては、「一体何に使うんだよ」という疑問が抜けず、まったく勉強のモチベーションが湧きませんでした。

本日ご紹介する一冊は、そんな典型的な文系人間だった土井が、人生で初めて数学の意味、使い方を理解した一冊です。

著者は、東北大学大学院理学研究科数学専攻を終了し、その後、早稲田アカデミー、代々木ゼミナールを経て、現在は海上自衛隊の数学教官として、パイロット候補生に数学を教える佐々木淳さん。

ルートに関しては、コピー用紙のサイズからその意義を説明し、微分に関しては、限られた滑走路で飛べる速度に達しているかどうか測らなければいけない飛行機の例を用いてその意義を説明しています。

なぜ衛星が地球上に落ちないのかの説明もじつにわかりやすく、いかにわれわれの意思決定に数学が重要か、遅ればせながらよくわかりました。

マイホームのローン金利が意外と高いという話や、縦と横の長さの合計が同じ16mの土地があった場合、どの形状の土地を買うべきかといった話など、ビジネスで使えそうなネタもたくさんありました。

学校の先生がこんな説明をしてくれたら数学が好きになったのに、とちょっぴり読み終わって恨めしい気分になりました(苦笑)。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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割り算は「掛け算の逆」と習いますが、「引き算の応用」でもあります。例えば、「18÷6=3」は「6×3=18」という「掛け算の逆」と考えるのが一般的ですが、「18という数から6という数を何回引けるか?」という別の見方もあります。答えは「3回」です

1枚のピザを4人で分割すると、ピザのサイズは1/4となります。これを式にすると、1÷4=1/4となります。これを別の角度から考えてみましょう。1枚のピザを1/4サイズに分割すると、枚数を4倍にできます。これを式にすると、1÷1/4=4となります。ここで、サイズと人数の関係に注目すると、逆数の関係になっています。先ほどの2つの式は同じシチュエーションを意味しています。「配るサイズに注目」するのか、「配る人数に注目」するのかの違いです

答えは、1(縦):√2(横)で、白銀比と呼ばれることもあります。中途半端な数字に見えますが、こうすることでA判とB判の用紙は、半分に折りたたんでも、縦と横の比率が変わらないという便利な性質を持つことになります

10%割引の場合    :9000÷10=900円
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となり、10%割引のほうが、少しばかり安く購入できる

[映画のチケットとジュースのセットが1500円で販売されています。映画のチケットがジュースより1000円高いとき、チケットの値段は?]思わず、「チケットが1000円、ジュースが500円」と答えてしまいそうですね? 実は、私も直感で即答して間違えてしまったことがあります……。答えは、チケットが1250円、ジュースが250円です

「人生最大の買い物」の1つといえばマイホームでしょう。住宅は高額なので、少しでも「広い家をお得に」と思うのが心情でしょう。そこでここでは、「家の平面図が、より広くなるのはどういう場合か」を考えていきましょう。家の平面図を見たとき、縦と横の長さの合計を16mとします。
8×8=64平米
7×9=63平米
6×10=60平米
5×11=55平米
4×12=48平米
これらの例から、縦の長さと横の長さがいずれも8mの場合、つまり正方形の場合がいちばん広くなりそうです

集合写真の人数をn、まばたきによって写真を台なしにしてしまう時間をt、まばたきの予想回数をxとするとき、まばたきのない写真を撮るためには、
1/(1-xt)n乗(回)撮影するとよい

飛行機は、離陸するのに時速300km前後の速度が必要で、この速度に達しなければ離陸を取りやめなければなりません。時速300kmだと、1秒間に80m以上も進んでしまいます。「1秒間で速度がわかればよい」なんて悠長なことはいっていられません。必要なのは瞬間瞬間の速度で、それを求めるツールこそが微分なのです

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昔、進研ゼミの教材で低気圧と高気圧の違いをすっきり理解できたときと同じぐらい、強烈なアハ体験を感じました。

数学が苦手な人向けの入門書は数多くありますが、経営者、ビジネスパーソンが読むなら断然これです。

雑学としてトピックを流し読みするだけでも面白いので、これはぜひ読んでみてください。

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『身近なアレを数学で説明してみる』佐々木淳・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第1章 もうモヤモヤしない!「数」の疑問
第2章 身近に隠れた「平方根(ルート)」
第3章 「方程式」を使えば思い込みに惑わされない
第4章 最適な組み合わせが判明する「2次関数」
第5章 桁外れのもの同士を比較できる「指数」「対数」
第6章 人間には扱いにくくても機械には扱いやすい「二進数」
第7章 向きだけではなく大きさも表せるから「ベクトル」は計算できる
第8章 とてつもなく小さい数で割る「微分」、とてつもなく小さい数を掛ける「積分」
第9章 正しく使えば未来を予測できる「確率・統計」

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