【画像・映像表現に強くなる】
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インターネットが普及し、SNS、ブログ、YouTubeなどの表現手段が使えるようになりましたが、これで稼げている人はまだまだ少数派。
なぜなら、表現には「技術」が必要だからです。
はあちゅうさんだろうと、箕輪さんだろうと、西野さんだろうと、結局稼いでいるのは、表現の世界で修行をした人たちばかり。
であれば、逆に、彼らの学んだことを学べば、一般人にもチャンスがあるということです。
本日ご紹介する一冊は、『宇宙兄弟』などの編集で知られるコルク代表の佐渡島庸平さんが、新人漫画家に必ずプレゼントするという一冊。
著者は、電通エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナーの高崎卓馬さんです。(文字化けするので、「高」の字は簡単な方で失礼します)
「行くぜ、東北」「ムッシュはつらいよ」などの広告の仕事をはじめ、映画『ホノカアボーイ』の脚本・プロデュース、小説『はるかかけら』の執筆など、ジャンルを超えて、幅広い表現を手掛ける著者が大事にしているフォーマットとは何か。
極めて再現率の高い『表現の技術』が紹介されており、これはバリューの高い一冊です。
さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。
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探してでも見たくなるもの 教えたくなるものを 広告はもっていなければならない
面白いCMは翌日クラスで真似されたし、見ていないヤツは取り残された感覚があった。そう、それは表現にとっては当たり前のこと、なのだ
感情を動かすために絶対必要な要素、それは「オドロキ」です。すべての人は笑う直前に必ず驚いているのです
強い「結」をもっている場合は、時間を順に追っていくことも効果的
起承転結を壊す作業は、時間軸を操作するということです。結論を見せることで、その原因を知りたいという欲求をつくる。その欲求が「面白い」という感覚をつくりだす
たとえば、ひとつの女性が立っている。手前に男がいる。男は女性に告白をし、女性は涙ぐんで喜んでいる、というシーンです。
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空間を使って、このシーンの劇性を上げる方法があります。それは背後に、もうひとりの女を立たせること。うらめしそうにこっちを見ている女にしましょう。どうですか? 突然物語の展開に興味が生まれませんか?
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さらに劇性をもう一段階上げてみます。背後の女に包丁をもたせましょう。展開がよりスリリングになりました。
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さらにもうひとつ。今度は、手前の女性に指輪のプレゼントをもたせましょう。プロポーズされた直後にしてみると、どうでしょう。このあとの展開によって訪れる不幸のレベルが一段階上がりました。背後の女によって壊されるものがより幸福なものであるとさらに面白くなるのです
「観客のみが知っている未来」をつくりだすというのは、コメディやサスペンスの基本
若いうちから安易な共感ものの楽さを覚えてしまい、それを自分の力だと勘違いしてしまうと、企画者としての真の技術を磨く機会を失くしてしまう
関係を変化させることでつくられる笑いこそ、企画によって生み出す笑いの基本形
企画する人間の都合が見えるものは面白くない
対立こそ、物語を豊かにする媚薬
(遭難した雪山で、自分が下山をしようと言うと、誰かがここで待ったほうがいいと言いだす。)
すべての映画がおよそ3幕で構成されていたのです。
1幕に「問題の提起」
2幕に「問題の複雑化」(信じていたものが崩壊する)
3幕に「問題の解決」
どの映画もこの構造をもっていました。そして登場人物が3幕を通してなにかしらの「成長」をすること
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感覚的な表現や原理原則、心構えで終わることが多いクリエイティブ系の本のなかでは、かなり実践的なテクニックを説いた本で、じつに勉強になります。
実際の絵や文章を題材に話が進められるので、画像・映像における優れた表現とは何かが具体的に理解できると思います。
21世紀は、「動画が民主化された時代」になると思いますが、そこで表現を知っていることは極めて重要。
プロの技術を、日々の表現に活かしてみてはいかがでしょうか。
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『表現の技術』高崎卓馬・著 中央公論新社
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◆目次◆
人のココロにふれる
感情は振り子である
人は笑う前に必ず驚いている
起承転結のワナ ほか
つくり方をつくる
つくり方をつくる
映画のつくり方をつくる
ダイハードを分解する ほか
発想脳をつくる
右脳と左脳を使う
疑う力
違和感は答えを教える ほか
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