【リファラル採用の時代】
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これから先、企業が潰れるとしたら、業績不振よりも後継者不在か人材難がその理由でしょう。
人手不足の時代、辞めない人材を雇うにはどうすればいいか?
その答えのひとつが、おそらくリファラル採用でしょう。
リファラル採用というのは、「社員の紹介・推薦による採用活動」のこと。かつて「縁故採用」と呼んでいたものの新しい言い方です。
本書によると、2012年時点でアメリカの採用経路はリファラル採用が第1位(28%)。「シリコンバレーでは、会社の採用人数のうち、50%以上がリファラル採用でないと人事責任者がクビになると言われるくらい、リファラル採用が当たり前」なのだとか。
国内でも、メルカリやビズリーチ、サイバーエージェントがこの手法を取り入れることで、大きな成果を上げているようです。
本日ご紹介する『知らない人を採ってはいけない』は、このリファラル採用のノウハウを、リファラルリクルーティング株式会社社長の白潟敏朗さんがまとめた一冊。
中小企業がリファラル採用で成功するためのポイント、必要となる「アピールブック」の作成法、社内の仕組みづくりなど、具体的に書かれています。
巻末には著者の指導でリファラル採用に成功した企業の事例も載っており、これからリファラル採用を試してみたい経営者には、重宝する内容です。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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成功するリファラル採用プロジェクトは、社長と会社を好きな社員だけがメンバーです。だから、リファラル採用がうまくいきます
会社のことで「嘘をつかない」ことが極めて重要
友人・知人は自社の課題を理解し入社しますので、入社後に「こんな課題があったんだ!」「面接ではこんなこと言っていなかったのに!」などの落ち込みや後悔が起きません。その結果、会社で長く頑張ってくれます
リファラル採用を成功させるためには「自社の魅力の見える化」が極めて重要になります
求人掲載サイトの募集要項には年収が「27歳466万円、35歳610万円」というような表記をしていることがよくあります。もちろん最も高い年収の社員の年収を掲載しているのであれば厳密にいうと嘘ではありませんが、求職者からすると「自分は27歳だから466万円くらいもらえるのかな」という誤解を招く可能性があります。これ
ではリファラル採用はうまくいきません。このような年収の表記方法ではなく、同年代の社員の中で「最低の月給と年収」「最高の月給と年収」「平均の月給と年収」の6つを開示します
給料が安い、固定賞与がない、社員の定着率がよくない、上司のマネジメントが良くない、成長が鈍化している……このような課題もすべて開示します
「3年後うちの会社はこう変わっていくんだ」ということをセットで求職者・学生に伝えることで、課題解決の方向性を示せます
リファラル採用を成功させるためには、自社の魅力の向上は避けて通れません
メンバーは社長と会社を好きな人以外に、採用ターゲットに年齢が近く、欲を言えば友人・知人の人脈が多い人がいい
求人広告だと年収情報と欲しい人材像くらいしか情報提供しませんが、「アピールブック」ではそれらの情報に加え、最低限、次の情報を記載します。
・会社の魅力
・会社の課題
・課題の解決の方向性(中期経営計画)
・働く仲間
・キャリアパス、仕事
・育つ環境、能力開発制度
リファラル採用でも通常の採用活動と同様に、
(1)自社に合う人柄(マインド・カルチャーフィット)
(2)自社で活躍するために必要なスキル(スキルフィット)
の2つの観点から欲しい人材像を設定します
リファラル採用における人材像設定では、通常の採用活動より詳細に、自社に合う人柄を言語化することが必要
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本書で著者も指摘している通り、リファラル採用は短期の大量採用には向いていませんが、自社に合った人材をじっくり採るには、良い手法だと思います。
また、リファラル採用のために、自社に合った人材像を具体化する、「アピールブック」を作成する、ことで、より精緻な採用活動が可能になるでしょう。
ぜひチェックしていただきたい一冊です。
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『知らない人を採ってはいけない』白潟敏朗・著 KADOKAWA
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◆目次◆
第1章 リファラル採用とは──進化した縁故採用のかたち
第2章 リファラル採用に成功するためには
第3章 リファラル採用の進め方
第4章 リファラル採用の成功事例
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