【終わりある人生をどう考えるか】
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昨年、芸能関係で一番衝撃だったのは、樹木希林さんがお亡くなりになったことでした。
樹木希林さんがすごいのは、破天荒なロックンローラー、内田裕也さんと付き合ったこともそうですが、人間関係を諦めなかったこと、そして何より人に好かれたことです。
土井も仕事関係でいろんな方に現場の話を聞きますが、樹木希林さんの悪口は一度も聞いたことがない。
みなさん口々に好印象な方だとお話されるのです。
生きているうちにお会いすることは叶わなかったので、今、ベストセラー街道驀進中の『一切なりゆき 樹木希林のことば』を読んで、勉強することにしました。
ということでちょっとミーハーですが、本日の一冊は樹木希林さんの『一切なりゆき 樹木希林のことば』。
生前の樹木希林さんのインタビューや記事をまとめ、再編集したもので、あらゆる媒体から言葉を抜き出しています。
どんなに頑張ったって、人間は最後は死ぬしかない。
その死とどう向き合うか、どう人間と向き合うか、どう仕事と向き合うか、苦しくてもポジティブでいられるものの捉え方、考え方が書かれており、じつに勉強になりました。
さっそくポイントをチェックして行きましょう。
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年をとってパワーがなくなる。病気になる。言葉で言うといやらしいけど、これは神の賜物、贈りものだと思います。終わりが見えてくるという安心感があります。年を取ったら、みんなもっと楽に生きたらいいんじゃないですか。求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから。足るを知るではないけれど、自分の身の丈にあったレベルで、そのくらいでよしとするのも人生です
モノがあるとモノに追いかけられます
人生なんて自分の思い描いた通りにならなくて当たり前。私自身は、人生を嘆いたり、幸せについておおげさに考えることもないんです。いつも「人生、上出来だわ」と思っていて、物事がうまくいかないときは「自分が未熟だったのよ」でおしまい
人の人生に、人の命にどれだけ自分が多く添えるか
たとえば私の顔。これはミスして出て来ちゃったわけですよ(笑)。少なくとも美人女優という枠には入らない。でもこのミスを活かそうと思ってやってきた。今はミスがむしろ面白い顔として受け入れられる時代ですけれど、それこそ40年前は、女中さん役の顔だってミスは許されなかった。その中で私がこうして生き残れているのは、ミスを活かそうとしてきたからじゃないかと思いますね
欲や執着があると、それが弱みになって、人がつけこみやすくなる
十分生きて自分を使いきったと思えることが、人間冥利に尽きるってことなんじゃないでしょうか
年をとるって好きなの。若くなりたいなんて思わない
自分にとって不都合なもの、邪魔になるものをすべて悪としてしまったら、病気を悪と決めつけるのと同じで、そこに何も生まれて来なくなる。ものごとの良い面と悪い面は表裏一体、それをすべて認めることによって、生き方がすごく柔らかくなるんじゃないか。つまり私は、夫という提婆達多がいたからこそ、今、こうして穏やかに生きていられるのかも知れません
少々大黒柱がひしゃげても、歪んでいても、土台さえしっかりしていれば家は何とか立っていられる
自分がやったことに最後まで責任を持て
CMの契約期間中は、その会社の人間だと思っています。会社の不祥事は、自分の不祥事だと思ってるんです
同棲するなら、籍を入れたほうがいいわよ、それは。だって同棲っていうのは、別れちゃったら嫌なものが何も残らないから。その気楽さは、人生においては無駄ね。そんな生ぬるい関係を繰り返しても人は成熟しない
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不幸やアクシデントの捉え方がもう半端なくユニークです。
よく自己啓発書では、「物事は変えられない。変えられるのは受け止め方だけ」みたいな言い方をしますが、それにしてもここまで達観していたら、不幸なんてそもそも存在しないでしょうね。
世の中には、不幸そうな経営者、サラリーマンがたくさんいますが、それは、物事の捉え方にクリエイティビティがないから。
「私は不幸」は、じつは「私はクリエイティブじゃない」とイコールなのかもしれません。
樹木希林さんの言葉、ぜひ、読んでみてください。
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『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林・著 文藝春秋
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◆目次◆
第1章 生きること
第2章 家族のこと
第3章 病いのこと、カラダのこと
第4章 仕事のこと
第5章 女のこと、男のこと
第6章 出演作品のこと
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