【クリエイターのための時間術】
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本日ご紹介する一冊は、オランダ王立芸術アカデミー講師、書体デザイナー、起業家の肩書きを持つ著者が、クリエイターのための時間術・仕事術をまとめた本。
今どきの産業で、クリエイティブじゃない仕事をしている人なんていないわけですから、本書はおそらくほとんどのホワイトワーカーに当てはまる内容です。
「1日8時間の労働は少しも効率的ではない」という指摘に始まり、マルチタスクの弊害、ムダなこと、望まないことに着手することの弊害を指摘しており、クリエイターにとっては示唆に富んだ内容です。
時間術も役に立ちましたが、土井にとって一番役に立ったのは、155ページ以降にまとめられている、「するかしないかチェックリスト」。
7つの項目すべてに当てはまらなければ、プロジェクトには挑まないというもので、やるかやらないかの決断に役立ちます。
じつは、本日返事をしなければいけない書籍執筆の話があったのですが、それも、これに照らし合わせてOKをしました。
既知の内容も多く書かれていますが、クリエイターの心に刺さる内容だと思います。
さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。
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秘訣は、持ち時間のなかですることを絞り、絶対に必要でないものは省くこと。つまり、仕事の本質的な部分にのみ集中することだ
生産性の権威は、人間を一種の機械のように見ている。毎日、長時間働くほど生産性が高いというわけだ。だが人間は機械とは違う
1日8時間の労働は少しも効率的ではない。つまり、長時間働くほど効率的とはかぎらないということだ。スタートアップ紹介サイトの<スタートアップ・バッファ>もその事実に気づき、生産性を時間ではかるのをやめることにした。そうして、各チームや各従業員が責任を負う目標と領域を明確にしたのである。この戦略により、組織から経費のかさむ管理職層が取りのぞかれた
大事なのは、クライアントに近い場所を選ぶこと。そうすれば移動時間を大幅に節約できるうえ、潜在的な顧客やクリエイティブな人と遭遇しやすくなる
Wi-Fiがつながらないのはプレゼント
要望のはっきりしない新規のクライアントはいないだろうか。じっくり話しても埒が明かない場合、本当にそのプロジェクトを引き受けるかどうかは慎重に考えたほうがいい
仕事にプロ版ではないソフトウェアを使う代償を知るために、その損失時間が自分の時給換算でいくらになるのか確認してみよう
ブレインハッシングはいうなれば列車に乗るようなものだ。チームメイトと駅で落ち合い、そこで各自それぞれの列車に乗るが、次にどの駅で待ち合わせるかは決めておく。その駅で再び落ち合い、3つ目の駅をともに選ぶ。そして全員がプロジェクトの終点に到着するまでこれを続ける
コーヒーデート(その他もろもろ)に「ノー」を言う
◆するかしないかチェックリスト
1.それを信じているか?
2.そのプロジェクトはあなたのハッシュタグと合致しているか?
3.あなた自身はそれが必要か? またはそれを使うか?
4.このプロジェクトに打ち込む時間はあるのか?
5.自分でできるのか?
6.市場はあるのか(そしてあなたの市場とは)?
7.それは面白いのか?
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読んでいて一番強烈だったのは、アメリカの俳優、デンゼル・ワシントンが述べたという以下の言葉。
<きみたちが育ったメールとツイートとトゥワークの世の中では、昔よりたくさんのことをしているかもしれないが、たくさんのことを成し遂げているわけではないのだと覚えておこう>
クリエイターにとって生産性を上げるというのはどういうことか。本書を読めば、その要諦がよくわかると思います。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『やらないこと戦略』ドナルド・ロース・著
露久保由美子・訳 CCCメディアハウス
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◆目次◆
第1章 クリエイティブな人にはなぜ時間管理が必要なのか?
第2章 〈やらないことリスト〉法
第3章 人生──プランを立てる
第4章 仕事──ルーティンを作る
第5章 プロジェクト──余分なものを省く
#最後に──やらないことリスト
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