【シェリル・サンドバーグ絶賛の斬新な人事論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334962211
本日ご紹介する一冊は、フェイスブックCOO、シェリル・サンドバーグが「シリコンバレー史上、最も重要な文書」と絶賛し、1500万回以上閲覧されたという「NETFLIX CULTURE DECK」を元に、同社の元最高人事責任者がまとめた一冊。
日本語版のタイトルは、『NETFLIXの最強人事戦略』となっていますが、原題は『Powerful: Building a Culture of Freedom and Responsibility』。企業文化に重きを置いた内容であることがわかると思います。
人事というと、「専門家がしたり顔で語る」「ガチガチで不透明な制度」といった印象ですが、本書で明かされるNETFLIXの人事カルチャーは、それとはまったく異なる、斬新なものです。
エンゲージメントもエンパワーメントも嫌う著者が、制度という制度をなくし、ついにたどり着いた、人間的で、パワフルで、理想的な人事カルチャー。
これが人事の基本になっていけば、どれほど働き手は幸せになるだろう、と思わされる素晴らしい内容でした。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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ネットフリックス文化の柱の一つは、「徹底的に正直であれ」だ
ネットフリックスの文化は、複雑な人材管理方式を通して形成されたのではない。むしろ、その正反対だ。人材管理の手法や方針を次々と廃止していったのだ
優れたチームとは、これからどこに向かおうとしているかをメンバー全員が知っていて、どんなことをしてでもそこに到達しようとするチームのことだ
優秀な同僚と、明確な目的意識、達成すべき成果の周知徹底──この組み合わせが、パワフルな組織の秘訣である
飲み会よりも、事業や顧客について学ぶ機会を提供しよう
チームづくりで犯しがちなもう一つのまちがいが、今の人材が成長して将来必要な職務を担えるようになると思い込むことだ
そこで働いていたことが誇りになるような会社にしよう
従業員定着率はチームづくりや文化のよしあしを測る指標に適さないと、私は考える。たんに会社につなぎとめている従業員の数だけでなく、必要なスキルと経験を備えた人材の数を示す指標が必要だ
報酬のうちどれくらいの割合をストックオプションでもらいたいかを自分で決めてもらい、その分を給与に上乗せするのではなく、給与から差し引いた。そしてストックオプションを、転職を防止するための「金の手錠」として使うことはせず、権利確定期間を設けなかった。オプションは毎月付与し、長期的な値上がりを期待できるよう、権利行使期間を10年間とした
最適な人材を探すうえで大切なのは、「カルチャーフィット(文化の適合性)」ではない(中略)組織はいろんなスタイルの人に合わせることができる。カルチャーフィットは双方向に働くのだ
人事考課が何らかの重要な経営指標の改善に役立っているというたしかなデータを見つけられないのなら、廃止を働きかけることを強くお勧めする
従業員が力をもっていることを忘れてはいけない。あなたの仕事は、彼らに力を与えることではない。彼らの力を認め、時代遅れの方針、手続き、制度を廃止して、力を解放することだ。それさえ行えば、彼らはパワフルになる
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思うに、本書を人事のプロには絶対評価させてはいけない。
なぜなら、本書で紹介されている内容は、基本的には彼らを不要にするものだからです。
むしろ本書を必要とするのは、新しいことに挑もうとする、起業家精神旺盛なベンチャーの経営者であり、そこで働く仲間でしょう。
これからの人間にこそ、読んでいただき、大いに議論して欲しい、そんな本です。
ひさびさに清々しい、良い本に出合いました。
これはぜひ、読んでみてください。
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『NETFLIXの最強人事戦略』パティ・マッコード・著
櫻井祐子・訳 光文社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334962211/
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◆目次◆
序 章 新しい働き方──自由と責任の文化を育む
第1章 成功に貢献することが最大のモチベーション──従業員を大人として扱う
第2章 従業員一人ひとりが事業を理解する──課題が何であるかをつねに伝える
第3章 人はうそやごまかしを嫌う──徹底的に正直になる
第4章 議論を活発にする──意見を育み、事実に基づいて議論を行う
第5章 未来の理想の会社を今からつくり始める──徹底して未来に目を向ける
第6章 どの仕事にも優秀な人材を配置する──すべての職務に適材を
第7章 会社にもたらす価値をもとに報酬を決める──報酬は主観的判断である
第8章 円満な解雇の方法
──必要な人事変更は迅速に
──その会社で働いていたことを誇れるような組織にしよう
結論
謝辞
訳者あとがき
原註
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