【必読です】
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ギリシャに留学していた1996年、一緒に学んでいたアメリカ人の友人が、「(ライティングのクラスで)小説を書いた。いつかアメリカと中国が衝突する日が来る。そしてアジアの時代が来る」と言っていました。
その時は、「まあ、そんなこともあるかもね」とたかをくくっていましたが、最近の政治・経済の動きを見ると、いよいよそんな時代が来た、という気がしています。
トランプ大統領が中国に経済制裁をすれば、中国もお返しをする。アメリカ中心のシステムではなく、自分たちで経済の新たなシステムを作ろうとする…。
本日ご紹介する一冊は、そんな米中の動きと、その裏に隠された事情を、作家・経済評論家の渡邉哲也さんが明らかにした一冊。
米中の攻防のゆくえ、それぞれの思惑、何がリスクで、何が機会か…。投資やビジネスに役立つ視点で読み解かれており、ビジネスパーソンの米中問題の入門書として、ピッタリです。
先日も、米中関係悪化の懸念から、株価が暴落しましたが、二大国が争えば、経済に甚大な影響があるのは、火を見るより明らかです。
さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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2018年3月23日午前0時(米国東部標準時)、トランプ米大統領が署名していた、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限が発動されました。輸入増からアメリカの生産者を守ることが安全保障上の利益になるとし、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の新たな関税を課したのです。3月22日には、アメリカは中国に対する制裁措置を発表。知的財産権の侵害を理由に最大600億ドル(約6兆4000億円)相当の輸入品に高関税をかけることなどを盛り込みました
中国は自由主義化を進めると思われてきましたが、2018年3月11日、全人代(全国人民代表大会=日本の国会に相当)で憲法改正案が採択され、2期10年と定められていた国家主席の任期制限が撤廃されました。これにより習近平国家主席の「永世皇帝」の可能性も出ています
米中の経済対立の本格化、アメリカの保護主義への旋回という不安が、投資家の資金をマーケットから流出させ、安全資産のための円買いへと向かわせた
中国は開発投資をする際に、それぞれの地域の利権を担保に融資を行ないます。ところが、支払いができなくなった時点でその権利をすべて奪ってしまうという、まるで悪徳金融業者のような方法を採っているのです
あまり知られていませんが、石油取引は基本的に米ドルでしかできません。中国の人民元や日本円では取引ができず、だからこそ米ドルには価値があるのです
石油と穀物という生活基本物資をアメリカが支配し、それが裏付けとなり米ドルが発行されている
中国は中国石油化工(シノペック)という国有エネルギー大手石油会社に、世界中の石油利権を買わせて資源確保に走っています
ドルと同等の価値をもちながら金利を得られる米国債は、世界で最も安全にドルを保有するのに適している
覇権国家の条件を満たすには、自国がつくった仕組みに乗ることで、その参加者に利益がもたらされなければいけません
中国の報復措置が始まれば、アメリカ産の大豆は4割値下がりするという観測もあります
日本の生産構造が直接的な消費者向けビジネス(BtoC)から、キーパーツや特殊材料などを業者に供給する業販型ビジネス(BtoB)に切り替えられており、さらに政府移管向け(BtoG)へ拡大している(中略)日本企業が完成品を輸出することは、ほとんどありません。仮に輸入を制限されても、アメリカの現地生産に切り替える手もあります
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2008年のリーマン・ショック以降、<世界各国が市場経済から計画経済に移行し>たという話や、<世界的にリスクが高くなると円高になり、株が下がる>という原理原則も書かれており、マーケットを見る目を養うのにも効果大です。
これからますます目が離せない米中関係。
見方を学ぶ意味でも、本書は必読です。
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『「米中関係」が決める5年後の日本経済』渡邉哲也・著 PHP研究所
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◆目次◆
序章 米中経済対立の背景を読み解く
第1章 米中貿易摩擦の真相を読み解く
第2章 北朝鮮をめぐる米中の政治対立を読み解く
第3章 中国経済の実態を読み解く
第4章 トランプの世界戦略を読み解く
第5章 米中対立から日本経済の「勝ちパターン」を読み解く
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