【金川千尋氏、100の言葉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800280621
本日ご紹介する一冊は、13期連続最高益、時価総額5兆円を達成、信越化学工業を世界屈指の高収益企業に育てた辣腕経営者、金川千尋さんによる待望の新刊。
タイトルとなっている『常在戦場』というのは、著者が尊敬する山本五十六の言葉で、<いつも戦場にいることを忘れず、いつでも戦えるように備えよ>という意味だそうです。
いまどき骨太な経営論ですが、大事なことを簡潔に、かつ力強い言葉で綴っています。
アマゾンのカスタマーレビューに、「この本の良さが全く判らなかった」というのがありましたが、経営者であれば、本書の教えの大切さがよくわかると思います。(ある意味、このレビューの書き手の「私がビジネスマンでも何でもないからかもしれないが」は正解です)
好況の時、不況の時、あらゆる場面に応じて、経営者が何をすべきか、何をすべきでないか、明確な指針が示されており、じつに身が引き締まります。
さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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「最初からリストラされた会社」が経営の基本
シンテックの経営で私が留意してきたのは、スリムで強靭な企業体質だ。たとえば、シンテックは550人の社員を擁しているが、営業担当者は10人ほどしかいない。また、私の秘書の米国人女性は、通常の秘書業務だけでなく、売上代金の回収業務も行っている
本業のノウハウが生かせない投資は行わない
人事部門が強くなり過ぎると会社は危うくなる
企業にとって重要なことはスピードと合理性だが、それらを実現するためには、経営トップの方針を速やかに社内に浸透させることが必要だ。官僚主義がはびこると、経営トップの方針よりも、前例や慣習が優先されていく
必要な修繕は予算がなくてもすぐやるべきだ
技術の観点では、業績の差を説明することはできない。研究開発や製造、販売、調達、財務といった、あらゆる要素に目配りをした経営が収益を生み出す
人を陥れるようなものは営業ではない。そんなことをやって一度は成功したとしても、大切な信用は決定的に失われる
お客様に対しては、「相場で売る」というのが良い営業パーソンの条件である。ビジネスとは信用であり、信用とは相手の利益も考えて、フェアな取引をするところから生まれる
仕事で大切なのは結果だ。その過程でわからないことがあるのは、恥でも何でもない
モノは売る。技術は売らない
成長産業ともてはやされている分野に過度に集中投資してしまうと、経営は安定しなくなる
易きにつくな、狭き門より入れ
熱狂の時には、単にブームに乗って利益を上げるだけでなく、次の谷間に備えて会社の体質を強化しておく必要がある。そのためには、お客様との関係を強化したり、不良資産などがあれば処理していく
やり甲斐のある仕事を任せ、人が意気に感じるようにするのが、経営者の役割だ
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100の言葉自体は、じつにシンプルですが、経営の要諦がズバリ書かれていて、良い指針となります。
また、日常業務や時流に流されていると見失いがちな視点も示されており、まさに経営者のための一冊と言っていいでしょう。
『危機にこそ、経営者は戦わなければならない!』も併せて読んでみてください。
※参考:『危機にこそ、経営者は戦わなければならない!』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492556966/
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『常在戦場』金川千尋・著 宝島社
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◆目次◆
第1章 組織の原点
第2章 経営の本質
第3章 リスクと成長
第4章 人材と働き方
第5章 人生とめぐり合わせ
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