【博報堂スピーチライターのテクニック】
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本日ご紹介する一冊は、博報堂のスピーチライターとして、政治、行政、大手企業などのスピーチライターを務めている、ひきたよしあきさんによる文章論。
「朝日小学生新聞」にも長年コラムを寄稿している著者が、わかりやすい文章とは何か、伝わる文章とは何か、印象に残る文章とは何か、実例入りで解説しています。
要約力の鍛え方、文章の削り方といったベーシックな内容もありますが、本書の白眉は何と言っても、プロの実践テクニック。
要点を3つに絞り込み、さらに比較検討してベストワンを選ぶことでインパクトを出すやり方、「ジキル文」と「ハイド文」で好印象を伝える技術、「吹き出し言葉」を意識すること、「とにかく大変だった」から書き出すテクニックなど、具体的なテクニックがいくつも紹介されており、値段以上の価値ある内容です。
文例も豊富で、すんなり理解することができました。
さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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パラパラと選び出された要点を3つに絞り込む。これだけなら多くの「ハウツー本」に書かれています。しかし、大切なのはその先です。3つを比較検討すること。そして、その中から最も重要なベストワンを選び出すこと
3つの中からベストワンを選ぶことで、残りの2つがベストワンの理由を肉づけする材料になってくれる
「あぁ、この人は本当のことを言っている」と思わせる文章は、「ハイド文」のコントロールが上手い
物事を要約するにあたり、LINEのような「吹き出し」を使って、驚き、笑い、悲しみ、怒りなどの「気分」を残しておくと、文書が生き生きとしてきます
言葉がボーダレス化していく中で生き残っていくには、「ネット翻訳」にも堪えうるほど明快で簡潔で、誰もが間違いなく行動できる文章を書く必要があります
「あまり時間がないですが、挑戦してみます」などと、簡単に「~が」でつなげてしまうことを禁止とします。
「あまり時間がありません。でも挑戦してみます」
「あまり時間がありません。だから挑戦してみます」
「あまり時間がありません。それゆえ挑戦してみます」
接続する言葉を換えるだけで、あなたの挑戦する本音がより伝わるようになります
人間の心理は、どこで起きたのかよりも、いつ起きたのかを先に知りたいもの
コピーライターの仲畑貴志さんが、「『早い話が』と言ってからコピーを書け」と書いていました
「『とにかく大変だった』とまずこう書きたまえ。その後へ、君の目に入った、あるいは君が心に強く感じたものを書きたまえ」
(『桃太郎の教訓 減速経済時代を生き抜く』扇谷正造著・PHP研究所)
人の定義を流用した文章はつまらない
「メロスは激怒した」
「勇者は、ひどく赤面した」
これは、太宰治『走れメロス』の最初と最後の一文です
礼状は、場面を描く
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広告コピー、スピーチ、ビジネス文書、雑誌・書籍の執筆、いずれにも当てはまる王道のテクニックが紹介されています。
書く力を高めたい方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
個性ある文章を書きたい方にとっては、自分なりの定義をするというテクニックが効果的です。、
ぜひ、読んでみてください。
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『短くても伝わる文章のコツ』ひきたよしあき・著 かんき出版
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◆目次◆
第1章 文章力は「要約力」で決まる!
第2章 わかりやすい文章の“骨格”をつくる
第3章 ちょっとした工夫で読み手の印象は劇的に変わる
第4章 スピーチライター流 文章力を磨くトレーニング
第5章 ケース別 相手の心を動かす文章の書き方
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