【ジャパネットたかた創業者と読む世阿弥】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822258971
本日ご紹介する一冊は、ジャパネットたかた創業者、高田明氏と世阿弥を読むというコンセプトの本。
高田氏が世阿弥に興味を持ったのは、転勤の挨拶に来たある社員から、世阿弥について書かれた本を手渡されたことがきっかけだとか。
「社長が普段よく話していることがそのまま書かれているように感じました」と言われ、読み始めたそうです。
これをきっかけに、すっかり世阿弥の思想に魅了された氏は、何と「日経トップリーダー」で「高田明と読む世阿弥」という連載を開始。
本書は、この連載を再構成し、大幅に加筆したものです。
運命にどう対処するかという人生哲学に始まり、舞台で演じる際の心構え、観客の心を動かす技術まで、世阿弥の極意が、話のプロである高田氏によって、わかりやすく解説されています。
ジャパネットたかたにおける氏の経験を例に解説されているので、ビジネスでどう応用すればいいか、イメージが湧きやすいのが特長です。
世阿弥の『風姿花伝』は土井も大好きで何度も読み返しましたが、こうやって紹介されると、また違った印象を持ちますね。
※参考:『風姿花伝』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003300114/
さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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不遇の時代をいかに過ごし、絶頂のときにいかに慢心を抑えるか。他人の評価に一喜一憂することなく、ただ、ひたすらに自分の夢を追い続けるための心構えとは何か。また、ただ外見を飾り立てるのではない、内面からにじみ出る人の美しさとは何か──。
世阿弥の教えで私が最も感じ入ったのは、自己更新という考え方です。人間は常に自分自身を成長させる努力を続けるべきだと世阿弥は言います。少し厳しく聞こえるかもしれません。一方で、「他人と自分を比べてくよくよしなくていい」ということでもあります
男時とは、勝負事において自分のほうに勢いがあるとき、女時とは相手に勢いがあるときのことを言います。世阿弥は、この男時、女時の時流は努力ではどうにもならない宿命だと捉えました
人の気ほど移ろいやすいものはありません。どれほど一生懸命にやっても認められないときはあるものです
自分ではどうしようもないことなら、それに翻弄されたり、あらがったりするのではなく、受け入れる。何かが変わるのを待つことが大切です
「当流に、万能一徳の一句あり。初心忘るべからず」(中略)世阿弥は「芸の未熟さ」を指して、初心と言っています。無様な失敗や挫折感、それを乗り越えるために重ねた努力を忘れてはいけない。これを心に留め、常に自分を戒めればこそ成長がある
「時分の花をまことの花と知る心が、真実の花になほ遠ざかる心なり。ただ、人ごとに、この時分の花に迷て、やがて花の失するをも知らず」
一時的な花を、まことの花であるかのように思い込むと、真実の花になる道から遠ざかる。にもかかわらず、誰も彼もが、この一時的な花を本物と混同してしまう、という意味です
何の気なしに話しているように聞こえたかもしれませんが、私は値段と金利負担ゼロの言葉の間に、間を置いていました。恐らく2秒か3秒。わずかとも思える数秒の差でも、間があるかないかでお客様からの反響に大きな差が出ます。値段を言った後、数秒でも間を置くことが結果的にお客様の背中を押すのです
人それぞれ好む花は違う。どれが真の花でどれが偽りだなどと決められない。そのときに有用なものこそが花だと心得よ
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ジャパネットたかたの話し方のノウハウなども書いてあり、じつに興味深く読ませていただきました。
以前ご紹介した、元NHKキャスター、矢野香さんの著書にも、間の大切さが書かれていましたが、やはり高田前社長も意図して間を入れていたんですね。
※参考:『たった一言で人を動かす 最高の話し方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046019425/
話を生業にする方には、とりわけ役に立ちますが、何であれ、道を究めようとする方には、勉強になると思います。
ぜひ読んでみてください。
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『高田明と読む世阿弥』高田明・著 日経BP社
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822258971/
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◆目次◆
はじめに
はじめに 監修者より
第1章 <積み重ねる> 自己更新
第2章 <伝える> プレゼンテーション
第3章 <変える> 革新
第4章 <つなぐ> 永続
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