2018年3月21日

『「人の上に立つ人」の勉強』佐藤一斎・著 坂井昌彦・訳 vol.4991

【佐藤一斎の思想をコンパクトにまとめた一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837919529

本日ご紹介する一冊は、佐藤一斎『言志四録』と『重職心得箇条』のいいとこ取りをしたまとめ本。

ご存知の通り、佐藤一斎は佐久間象山、横井小楠、中村正直などの英才を輩出し、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰を孫弟子に持つ儒学者。明治維新に与えた影響は計り知れないと言われています。

本書には、氏が42歳の時に書き始めた『言志四録』、55歳の時に書き下ろした『重職心得箇条』のエッセンスが収められており、「人の上に立つ人」が自己実現するための心構え、人生哲学を全部で77項目にまとめてあります。

リーダーになると、視点が高くなって良いこともありますが、かえって見えなくなってしまうこともある。

本書は、そんな盲目になりがちなリーダーに警句を与え、正しい行動に導いてくれる、佐藤一斎のいわば金言集です。

アマゾンでは入手困難になっているようなので、ご希望の方は、お早めに入手してください。

それでは、さっそくポイントチェック行ってみましょう。

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少年時代に学んでおけば、壮年になってもそれが役立ち、何事かを成し遂げることができる。壮年期に学んでおけば、老人になってからも気力が衰えることはない。老年期になってなお学ぶことができれば、世の中の役に立って、死んだ後もその名は残る

人間の才能というものは、剣と同じである。これを上手に使えば、わが身を守ることができる。ところが、使い方を間違えると、危険が自分に戻ってきてわが身を殺すことになる

人と一緒に仕事をする場合、人には楽しい仕事を回し、自分は難儀な仕事を担当するとよい。そうすると仕事そのものは苦しいけれども、気分は爽快である

自分独りで身を慎むコツは、いま自分は人込みの中にいるとか、広い座敷の中にいると想定することである。反対に人と対応するコツは、自分独りで閑居している時と同じ気分で行なうことにある

時間は時々刻々と移り変わるが、自分の心は「現在」に据えておかなければならない。時機が到来していないものを迎えることは不可能だし、また過ぎ去って行ってしまったものを追いかけても追いつけない。少しでも過去のことに未練をもって追いかけたり、まだやっても来ないものに気を揉んだりするのは、「心の不在」を示すものである

人は才能があっても、度量に欠けていると他人を包容することはできない。また反対に、度量があっても才能に欠けていると、物事を成し遂げることはできない。もし、才能と度量の二つを兼ね備えることができないならば、才能を捨てて度量のある人間になった方がよろしい

頭脳は、正しい判断ができるよう冷静でありたい。背中は、人を動かせるよう暖かくありたい。胸は、人を受け入れられるよう虚心坦懐でありたい。腹は、物に動じないよう胆力を充実させたい。人間は、このようにありたいものである

一人前の男子たるもの、自分自身の持てる力だけを武器に生きるべきである。けっして他人の知恵やお金をあてにしてはならない

人間は、「天は、なぜ私をこの世に送り出し、何をさせようとしているのか。自分はもともと、天の所有物だから、天の与える仕事(天職)があるはずだ。この使命を果たさなければ、必ず天罰を受ける」と考えねばならない

物事すべてにわたって、「機に応じる」ということは大事なことである

重職たるもの、仕事が忙しいなどと口にするのは恥ずかしいことである

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身につまされる話ばかりで、改めて読んでみて良かったと思いました。

『言志四録』『重職心得箇条』を読んだことのある人は、おさらいとして、初めての方は手軽な入門書として読むといいでしょう。

ぜひチェックして欲しい一冊です。

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『「人の上に立つ人」の勉強』佐藤一斎・著 坂井昌彦・訳 三笠書房

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◆目次◆

第一部 『言志四録』を読む
先人は、この「60の知恵」で自分の壁を越えてきた!
第二部 『重職心得箇条』を読む
人の上に立つ人の「器のつくり方・人の動かし方」17の秘訣

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