【お金の未来がはっきり見える。】
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ビットコインが急騰を続けるなか、先日ご紹介した『お金2.0』はじめ、数多くのお金に関する論考が出されています。
※参考:『お金2.0』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344032152/
本日ご紹介する一冊も、そんなお金に関する論考の一つ。
著者は、かつてダイエーやカネボウなどの大型M&Aに関わり、30代で独立。東京大学大学院では貨幣論、情報化社会論を研究したという、事業家・思想家の山口揚平さんです。
本書では、現在の資本主義経済が、今後「時間主義経済」「記帳主義経済」、そして最後に「信用主義経済」へと移行すると予言しており、その過程で何が起こるか、どんな価値観へと社会がシフトしていくかを論じています。
20世紀型のビジネスのシステムと、21世紀型のビジネスのシステムの違いについても言及しており、これから企業・個人がどうあれば評価されるのか、明確に見えてきます。
著者が本書で論じているのは、ビットコインなどといった過渡期のものではなくて、お金がなくなる世界。
そこでどうふるまえば時代に適応できるのか、上手に行きていけるのか、丁寧に「10の習慣」としてまとめており、こちらも参考になります。
お金以外の「成功」方法を知らない方に、ぜひ読んでいただきたい、刺激的な論考です。
さっそく、ポイントをチェックしてみましょう!
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二一世紀のビジネスは多様化・個別化・肯定化へと向かっていきます
今後、業界の構造は、「何を売っているか(モノ)?」ではなく「何の欲求に応えるか?(コト)」を中心として区分けするのが重要
幸福の本質は「一体性」にあります。周りの人や自分の期待値との一体性です
今後、いろいろな業界の間に立っている、すなわち、インターメディエイトな(業界横断な)人が尊ばれ、価値を生みやすくなります
二一世紀の貨幣は、ネットワークと信用の掛け算で決まります
信用主義経済の世界ではまず、みんなが求めているのが承認です。そして承認とは信用にほかなりません
人々の欲望が生存から社会的欲求へと変化すると、それをお金によって購入することは難しくなります。それを得るためにはお金でなく、時間が必要です。大富豪が大統領になるには社会的な信用や世間からの承認が必要ですし、裕福な家庭においても、子供を正しく育てるためにはお金よりも時間をかけなければなりません
時間は、信用の最小単位である個人が発行できる最大の汎用言語である数字であることによって、最高に有効な通貨としての地位を担保できるのです
社会的欲求を満たすための財の生産に一番重要な資源は、時間です。社会的欲求を満たす財の構築に必要なのは教育であり熟考であり、意見や価値観・文化の異なる人間同士のダイアローグ(対話)とそれによる触発であり、コミュニケーションです
雇用や労働から人々は離れ始め時間をより大切にする
人間とは、情報に吸着した意識の集合体
純粋な意識体である私達はなにもかも誰のものでもなく分かち合い、創造しあっています。その世界では個人を分割するお金というメディアはいらなくなる
例えば家族の中ではお金でやり取りはしません。それは共同体という意識を共有した集団が家族だからです。そこには自他の差がありません
資源として投入するものの中心は健康(余裕)です。健康が時間を生み、時間が知識と信用、ネットワークを作ります
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最近読んだお金の論考のなかで、最も刺激的な一冊でした。
国民国家がどう対応してくるのか、といった政治的な視点や、長期的なプロジェクトを必要とする仕事の視点はやや弱いですが、大枠として知っておくと、今後の変化に柔軟に対応できると思います。
今の若い子は、お金に興味がない? じゃあ何なんだ!
などと考えたことのある方は、これを読めば、今後の社会システムの転換が面白いようにわかると思います。
ぜひ読んでみてください。
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『新しい時代のお金の教科書』
山口揚平・著 筑摩書房
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◆目次◆
第一章 ピカソがお金持ちだったわけ──お金の歴史
第二章 お金の正体を知ればもっと自由になれる──お金の本質
第三章 お金を中心に大きな転換が起こっている──お金の変化
第四章 お金がなくなるかもしれない──お金の未来
第五章 二一世紀のお金との正しい付き合い方
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