2017年12月17日

『トヨタの現場の「やりきる力」』 原マサヒコ・著 vol.4897

【トヨタに学ぶ、行動の「仕組み化」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483342259X

2年ほど前から「すぐやる」本のブームが続いていますね。

本日ご紹介する一冊は、あのトヨタの「すぐやる」技術、「やりきる」技術をまとめた、注目の新刊。

著者は、神奈川トヨタ自動車株式会社にメカニックとして入社し、「技能オリンピック」で最年少優勝に輝いた原マサヒコ氏です。(「アイデアツールコンテスト」でも2年連続全国大会出場)

本書では、氏が学んだトヨタのルール、トヨタ語、そして現場で受けた指導のノウハウ、エピソードがまとめられています。

さんざんトヨタ本は読んでいますが、現場感のある内容で、かつ自己啓発的にも読めるので、興味深く読了することができました。

「4つのアクション」は、無理矢理感がありますが、行動を増やす時のコツ/減らす時のコツ、「2つの締め切り」の話、周囲から助けを得るための5つのヒントなど、勉強になるところがいくつもありました。

トヨタ本を読んだことのある人もない人も、きっと楽しめると思います。

さっそく、内容のエッセンスを見て行きましょう。

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人間のやったことなんて、人間がやれることの100分の1にすぎない

トヨタの現場では「“ネジをしっかり締めろ”なんて言うなよ」とよく囁かれていました。どういうことかというと、「しっかり締める」などという抽象的な表現では捉え方が異なるので個人差が出てしまうというわけです。実際にネジを締める時にどうするかといえば、トルクレンチという工具を使って「105N・mで締める」などと数値が決まっています

「頭の中で理解した」というのが「わかった」ではなく、「行動に移せる」というのが「わかった」

動くためにも現場に行きなさい

人の動きではなくて仕事の流れに合わせてすべての作業を標準化

マニュアル化でできるものはどんどんマニュアル化し、空いた時間で新しいことを考える

◆行動を増やす時のコツ
(1)行動の補助を作る
(2)動機づけの条件を作る
(3)行動のハードルを低くする

◆行動を減らす時のコツ
(1)行動の補助を取り除く
(2)動機づけの条件を取り除く
(3)行動のハードルを高くする

自分が変わったと思っても、世間から変わったと思われなければダメ

集中するためのポイントは、「別のモノを視界に入れないこと」

実行力に優れた人の心の中には、実は「2つの締め切り」が作用しているといえます。それは、前述の「終了の締め切り」だけでなく「開始の締め切り」です。つまり、始める前から「いつまでに着手する」という期限を決めているのです

◆周囲から助けを得るための5つのヒント
(1)話を聞くための姿勢と空気を作れ
(2)ジャッジをしないこと
(3)尋問や詰問をしてはいけない
(4)何ができるかを一緒に考えてあげること
(5)自分を頼りにしてくれたことへの感謝を伝えよう

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ちょっと文体が説教じみているのが玉に瑕ですが、内容的には、じつに勉強になりました。

どうしてトヨタではPDCAが上手く回るのか、人が成長するのか、チームワークが機能するのか、よくわかった気がします。

個人・組織の行動力を高めるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『トヨタの現場の「やりきる力」』
原マサヒコ・著 プレジデント社

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◆目次◆

第1章 Action1/行動力
    すぐに動きたくなる、トヨタの現場の考え方
第2章 Action2/振る舞い
    結果を出す人は仕事でどのように振る舞っているのか
第3章 Action3/作用
    やりきる人の頭の中では、何が作用しているのか
第4章 Action4/カイゼン
    さらに成長するために必要なカイゼン思考とは
第5章 「Action」を意識することで得られる3つのactionとは

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