【論理思考を鍛える33の思考実験とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4801302092
本日ご紹介する一冊は、論理的思考力を鍛えるのに有効な「思考実験」を計33個紹介したまとめ本。
著者は、パズル作家の北村良子さん。
パズルというと、ちょっと子どもじみた響きがありますが、実際には思考力を鍛えるのに有効なツールで、世界トップクラスの知能指数を誇る天才集団「MENSA」のパズルも有名です。
本書では、マイケル・サンデル教授が紹介して有名になった「トロッコ問題」をはじめ、「テセウスの船」、「アキレスと亀」、「ギャンブラーの葛藤」、「モンティ・ホール問題」、「エレベーターの男女」、「マリーの部屋」「ありえない計算式」など、代表的な思考実験が丁寧にイラスト入りで紹介されています。
類書では説明が難解だった「モンティ・ホール問題」も、本書では、あらゆる手を使って丁寧に解説しており、これなら誰でも理解できると思います。
33の思考実験は、それぞれ「倫理感を揺さぶる思考実験」、「矛盾が絡みつくパラドックス」、「数字と現実の不一致を味わう思考実験」、「不条理な世の中を生き抜くための思考実験」に分けられており、トータルで思考力・意思決定力を磨いてくれます。
赤ペンチェックには不向きな本ですが、いくつかポイントをピックアップしてみましょう。
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◆思考実験No.1「暴走トロッコと作業員」
「5人を助けるために1人を犠牲にするのは正しいか?」
(中略)
この思考実験の多数派は「スイッチを切り替え、1人を犠牲にして5人を助ける」です。有名な思考実験なので統計データも複数あり、だいたい85%以上の人がスイッチを切り替えて5人を助ける、そのために1人を犠牲にする行動を起こすことは許されると回答しています
(中略)
一方の少数派意見である「スイッチを切り替えずに5人を犠牲にする」と答える人の考え方の一例はこうです。もともとトロッコは5人の方向に向かって走っていたのだから、5人は犠牲になる運命にあった。もう1人のほうは、進行方向とは関係のない位置にいたのだから、この人を巻き込むのは間違っている、と考えます。人の運命を自分が操作してしまうことに抵抗を感じるのです
◆思考実験No.6「6人の患者と薬」
重症化していない5人と重症な1人がいたら…
重症の1人を救うことで将来的に全員を救おうとするのが多数派
◆思考実験No.7「効かない薬」
薬が効きにくい1人と残りの5人、どちらかしか救えない
同じ程度の症状なら、助かる人数が多い方が選ばれやすい
◆思考実験No.09「テセウスの船」
修理されたテセウスの船と復元されたテセウスの船はどちらが本物か?
(中略)
何をもって同じとみなすかによって、答えは違ってくるのです。時と場合により“同じ”は変化します。種類の違う“同じ”を比べたために、テセウスの船は難しい問題となってしまったわけです
◆思考実験No.13「タイムマシン物語・2」
現実社会の未来にタイムマシンが存在する可能性は限りなく低くなるでしょう。もし、タイムマシンが未来のどこかで発明されるのなら、そこから時間旅行で今のこの時代に来ている人がいてもおかしくないのに、そのような情報はありません
◆思考実験No.17「ギャンブラーの葛藤」
例えば、「赤、黒、黒、赤、黒、赤、赤、赤、黒、黒」ならどうですか? 何となくランダムに見えて自然に感じます。少なくとも10回連続で赤よりはこちらのほうが起こりやすそうです。しかし、確率を計算するとどちらも1024分の1の確率で起こる現象なのです
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基本的にクイズ本ですので、読んでいて退屈だったり飽きることはまったくありません。
自分のために買うのはもちろんですが、子どもの知性を伸ばすのにも一役買う本だと思います。
ぜひ一家に一冊、買っておいてください。
おすすめです!
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『33の思考実験』北村良子・著 彩図社
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4801302092/
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http://bit.ly/2uqlA3R
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◆目次◆
第1章 倫理感を揺さぶる思考実験
第2章 矛盾が絡みつくパラドックス
第3章 数字と現実の不一致を味わう思考実験
第4章 不条理な世の中を生き抜くための思考実験
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