【若手社員の深層心理】
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本日ご紹介する一冊は、若手社員と上司の「働く意識」のギャップを埋めるためのとっておきの一冊。
以前にも、『ゆとり社員の処方せん』なんて本がありましたが、いつの時代もジェネレーションギャップは存在するもの。
対話だけですべてが解決できればいいですが、そもそもの認識違いがあったら、なかなかうまくいかないものです。
そこで、管理職に読んでいただきたいのが、この『なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか?』。
著者は、「就職ジャーナル」「リクルートブック」「Works」の編集長を経て、現在リクルートワークス研究所主幹研究員を務める豊田義博さんです。
現在の若手と管理職では、働く意識のどこに違いがあるのか、なぜその違いが発生したのか、どうすればギャップが埋められるのか、彼らが受けた教育、育った時代背景、職場で求められる資質の変化などをベースにまとめています。
キャリア理論や歴史的視点も織り込まれており、若手社員にも上司にも迎合しない中立的な主張が目を引きました。
上司に対しては「上下関係をやめろ」と言い、若手社員には「適職探し、天職探しをやめろ」という。しかもそこにきちんと根拠があるのが面白い。
この手の本は、極端な若手批判になったり、上司批判になったりすることが多いのですが、この本はバランスの取れた本だと思います。
いくつか、ポイントをチェックしてみましょう。
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彼らの多くが望んでいるキャリアイメージ、それは、スペシャリスト志向です
定められたレールに乗っていれば、安定と幸せが手に入る時代は、終わったのです。そのかわりに待っていたのは、「自分で自分の物語を作らなければいけない時代」でした
2004年は「キャリアリスク元年」
総合的学習の時間やAO入試は、今の若手世代に、どのような好影響を与え、彼らにどのような変化をもたらしたのでしょうか。私は、彼ら若手世代のプレゼンテーション能力の高さや、フラットなヨコのネットワーク力、コミュニケーション力の高さは、これらの施策によってもたらされている側面が大きいと捉えています
仕事環境が整備され、システマティックになるほど、仕事の自律性は損なわれます。気づきや発見をもとに、自身で創意工夫を重ねてみよう、という気持ちは生まれません
「マネジャーが忙しそうで、声をかけるのがはばかられる」
「こんなこともわからないのか、と言われたらどうしようと思って、声がかけられない」
フラットなヨコのネットワークを駆使して、お互いを尊重しながら、グループやコミュニティを形成していく、という彼ら若手世代のコミュニケーションスタイルとはまったく異なる、そのスタイルを踏みにじるようなコミュニケーションが、会社の中では基本になっているのです
専門力だけでは、仕事は前に進みません。どのような仕事をする上でも、その実行には、「基礎力」が必要です
アドバイスをする上でも、あなたが考えている最適解を伝えるのではなく、本人に、最適解を気づかせることを心がけてください。そのためには、効果的な質問を繰り返すことです
これでは、上司と部下の関係がフラットすぎるのではないか、と思われるかもしれません。その通りです。フラットになってほしいのです。上下関係を、やめてください、と言っているのです
「適職探し」「天職探し」を捨てよう
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若手世代が受けた教育と、それによって生まれた異なる認識は、マネジャーならぜひ知っておきたいところ。
なかでも、<感情的になって話をすることは、「人として、やってはならない、恥ずべきこと」というぐらい否定的にとらえている人が多数派>という記述は、インパクトがありました。
ぜひ、読んでみてください。
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『なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか?』豊田義博・著 PHP研究所
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◆目次◆
第一章 前向き、なのに頑張らない──若手社員の矛盾に満ちた実態
第二章 「新能力」「新学力」がもたらした大転換
第三章 「えもいわれぬ違和感」の正体
第四章 マネジャーへの処方箋──環境適応性を引き出す「問いかけ」の力
第五章 若手社員への処方箋──「天職探し」を捨てよ、外に出よう
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