【『緊張をとる』メソッド】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4875864477
今となってはあまり信じてもらえないのですが、昔、土井は人前で極度に緊張するタイプで、話し声も震えていました。
今も緊張はしますが、いざ話し出すとすっかり忘れて話に没頭できるようになりました。テレビ・ラジオも出ましたし、これまで2000人、3000人、1万人の会場も経験しました。
人前で話すことが、すっかり平気になりました。それは、意識を変えたからです。
本日ご紹介する一冊は、この「意識を変える」方法を指南した、画期的一冊。
演技トレーナーの伊藤丈恭(いとう・たけやす)さんが、俳優たちも実践している『緊張をとる』メソッドを公開しています。
上手にプレゼンができず、「俺はこんなもんじゃない」と嘆く主人公を元大物女優のママが指導するという、抱腹絶倒の物語で、ママのセリフから、緊張しないメソッドを学ぶことができます。
人前で話すのが苦手、という方はぜひご注目ください。
全編会話形式の本で、まったく難しい言葉がないため、スラスラと読めます。急いでいる方には、ノウハウ部分が太字になっているので、そこだけ読めばメソッドが速読できるようになっています。
350ページを超えるボリュームですが、その中から重要なポイントをいくつかご紹介しましょう。
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「『緊張してない』って自己暗示かけても効けへんで。それより緊張してるって認める方が緊張はとれるんやで」
「……うーん、じゃ、前進にグッと思いっきり力を入れてパッと抜く『グッ・パー』、肩を思いっきり上げてストンって落とす『肩ストン』、鼻から強く息を吸って口から強く吐く『強い呼吸』をやってみ」
「自分だけ他の人と違うんとちゃうか、自分だけ見られてるんちゃうかとか。誰も大してあんたのことなんか見てないのに、自分の勘違いで自分を緊張させてもうてんねん」
「成長過程では『見つめる鍋は煮えない』って考えがあるねん。鍋を見てたらフタを開けてしまうやろ。開けたら煮えへんねん。カップ麺ずっと見てたら3分待たれへんのと一緒やで。努力は続けながらも、成果は気にせえへんことが大事やねん」
「……緊張する理由って、嫌われたくないっていうのが大きいやん?」
「慣れるには恥ずかしい経験をいっぱいしたほうが早いねん。成功せんでもええから意識的に恥ずかしいことをやるねん」
「緊張の心拍数の範囲があって、興奮状態はそれを超えた心拍数やから緊張を忘れるねん」
「心は無理強いさせられると休止状態になるねん」
「演技の場合はお客さんじゃなく相手役に意識を持っていけばいいねん。これよう覚えときや。意識って減らそうとしても減らせられへん。じゃ、『別のものに意識を持っていく』やねん。そしたらお客さんへの意識はなくなるから」
「集中って基本的には『対象』がなかったらできひんねん」
「本番で新しい発見したろ、っていう気持ちでやるねん」
大げさ過ぎる練習で躊躇をとる
「集中してから練習を始めるのと違って、始めながら集中するねん。集中は結果的なもんやから、最初から求めたらアカン」
「大きい目標は大きい不安と葛藤と緊張になるねん」
「自分の心に『俺もええとこある』って認めたる栄養をあげな、自信なくして、緊張するねん」
「『量より質』でなく『質より量』で、1パーセントしかできてなくても『とりあえずOK』にして、自分を「その気」にさせていくねん」
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緊張を取る方法については、比較的知っている方だと思っていましたが、「こんなやり方があったのか!」と目からウロコのメソッドも書かれており、さすが俳優を指導している方は違う、と感銘を受けました。
人前で話す時、どうしても緊張が取れないという方は、ぜひ読んでみてください。
あ、ちなみに主人公のプレゼンがどうなったのか、知りたい方はぜひ、ラストシーンを読んでみてください(笑)。
おすすめの一冊です。
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『緊張をとる』伊藤丈恭・著 芸術新聞社
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4875864477/
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http://bit.ly/2mLFYKi
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◆目次◆
第一話 楽しみやすくする
第二話 不安をとる
第三話 集中する
第四話 躊躇をとる
第五話 発声する
第六話 乗りやすくする
第七話 ポジティブを考え直す
第八話 こだわりを捨てる
第九話 役づくりを学ぶ
第十話 深いリラックスを目指す
第十一話 テンションを上げる
終話 その後
物語で紹介された「緊張をとる」エクササイズ
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