【出た!橘木先生によるお金持ち論】
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本日ご紹介する一冊は、日本におけるお金持ち研究の定番書『新・日本のお金持ち研究』の著者、橘木俊詔さんによる待望の最新刊。
※参考:『新・日本のお金持ち研究』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532197155/
<戦前の「お金持ち」>の話に始まり、現在のお金持ちが誰か、いくら持っているか、どんな条件を備えているかまで、鋭く切り込んでおり、興味深い内容です。
日本一の大株主として知られた故・竹田和平さんは、歴史上のどの時代にどんな人物が活躍したかを知るため、専用のミニ博物館を設けていましたが、現在のお金持ちの姿を概観することで、何が今の時代の成功の条件か、その真実に迫ることができるはずです。
本書によると、日本のお金持ちのうち企業家が31.7%、医師が15.4%で、この両者だけで合計47.1%となっています。
とはいえ、この数値は2001年のものであり、本書ではかつての高額納税者名簿の分析ではまかなえない現状分析を、企業の財務報告書やフォーブスの大富豪ランキング、雑誌等の調査から取っており、情報の新鮮さ、独自性という意味では辛口評価にならざるを得ません。
煮え切らない印象ではありますが、現状の公表データでわかるお金持ちの実像がどんなものか、チェックしてみましょう。
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◆お金持ちの出身大学ランキング
医者
1.東京医科大学 2.日本大学 3.弘前大学、三重大学、新潟大学
医者以外
1.慶應義塾大学 2.早稲田大学 3.中央大学 4.明治大学
医者の高額所得者は開業医がほとんどで勤務医は少ないのであり、これら開業医になる人が多いのはトップ5位までの大学出身者にとどまらず、15位までも同じ様相を呈している。要約すれば、地元大学で医学を修めて、地元で開業医になる人がお金持ちの医者となる
上場企業の社長を一番多く輩出しているのは東大ではなく、私立の慶應義塾大学
企業で誰が出世するかを調べると、過去は総務、経営企画、人事といった管理部門で育った人が多かった。(中略)しかし、企業間の競争が激烈になると、製造と販売での実績が企業の生死を決める時代となり、事務系であれば営業職が重要な部門となった
◆子供を進学させたい大学(出所:PRESIDENT Online)
部長の親
1.京都大学 2.慶應義塾大学 3.東京大学 4.早稲田大学
一般の親
1.東京大学 2.京都大学 3.国公立大学 4.慶應義塾大学
日本人の中で常にトップ3の高所得にランクされるソフトバンクの孫正義が、住居に関しても最高額の豪邸を保有していることは有名である。まずアメリカのカリフォルニア州で2013(平成25)年に1億1750万ドル(およそ150億円)の豪邸を購入したことは大々的に報道された。孫正義が日頃の住居である東京においても、麻布に敷地だけでもおよそ900坪(およそ60億円の時価)の広さの、建物と部屋の内装を含めれば何十億円にも達する大豪邸を所有していることはよく知られている
2015(平成27)年の弁護士の平均年収は1094万円、2014(平成26)年では1036万円とされるので、格別に高い報酬ではない
日本人は今では物質的な豊かさよりも心の豊かさをより重視する国民になっている(中略)もし日本国民が物の豊かさに価値を見い出さない国民になっているのなら、経済成長率を高くするという目標は重要ではなくなる
低・中所得者階級よりも高所得者階級の人びとのほうが長時間労働にコミットしている人が多い
犯罪は貧困者あるいは低所得者同士で発生している場合が多い
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結局、読み応えがあったのは金銭的豊かさと学歴の関係だったり、地域の所得と犯罪率がどう関係しているかだったり、という部分でした。
子どもを進学させたい親、移住を考えている方は、チェックしておくといいでしょう。
最後に書かれている、「どうすれば、私はお金持ちになれますか?」の答えは、やっぱり「起業」や「医者」になること。
ある意味、お金持ちになるための王道が書かれている本だと言えるでしょう。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『お金持ちの行動学』橘木俊詔・著 宝島社
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◆目次◆
第1章 お金持ちという生き物
第2章 お金持ちになれる資格
第3章 お金持ちの虚像と実像
第4章 お金持ちの気苦労と悩み
第5章 これからのお金持ち
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