2017年1月26日

『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』荒川和久・著 vol.4572

【2035年、人口の半分が独身になる。】
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戦略、ファイナンス、マネジメント、etc…。

ビジネスパーソンが学ぶべきことはそれこそ山のようにありますが、なかでも怠ってはならないのは、マーケット(顧客)を研究することでしょう。

市場のトレンドを見誤った場合、企業というのは脆くも崩れ去るものだからです。

日本だけを見た場合、これから伸びるのは高齢者と独身者。

高齢者の話は、既にいろんなところで議論されているので置いておくとして、今日は独身者のマーケットに注目したいと思います。

サザエさん的家族観を引きずっていては、これからのトレンドを見誤ってしまうに違いありません。

そこで読んでおきたいのが、本日ご紹介する『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』です。

2035年、日本の人口の半分が独身になるそうですが、この「ソロ社会化」を、博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクトのリーダーが論じています。

ソロ社会化が消費に与える変化とは一体何なのか。個人の意識はどう変わって行くのか。

興味深いデータ、リサーチが満載の一冊です。

さっそく、チェックしてみましょう。

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約20年後、人口の半分が独身という国に日本はなる

世帯的に見ても、今や「単身世帯」がもっとも多い。かつて標準世帯と呼ばれた「夫婦と子」からなる世帯は、2010年には「単身世帯」に抜かれており、その構成比は3割を切っている。2035年には「単身世帯」が4割弱を占め、「夫婦と子世帯」は23%程度に縮小すると推計されている

人間にとって家族とはもはや必然的共同体ではなく、選択的親密性である(ドイツの社会学者ウルリッヒ・ベック)

未婚女性がすべて結婚しても300万人の男には相手がいない

2035年推計としては、男性41.4%、女性32.0%が生涯無子率となる。約4割の男性と3割の女性が生涯子無しで一生を終える

男性が結婚しないのは、「自分のために金を使いたい」からだ

結婚に関して、女性は相手の年収や経済的安定は絶対に譲れないし、男もまた結婚による自分への経済的圧迫を極度に嫌う。とにかく、結婚に対する意識では、男も女も所詮「金」なのである

末子が0歳時点では6割の母親が無業となっている。子どもが大きくなるに従って仕事をするようになるが、そのほとんどは非正規雇用である

年収が低い男性ほど生涯未婚率は高く、逆に年収が高い女性ほど生涯独身なのだ。特に、1000万円以上の年収の女性の生涯未婚率は全体平均の10%の4倍近い

男女及び正規雇用・非正規雇用の4つの指標すべてで全体の生涯未婚率を上回っているのは、「新聞・出版・映像制作・広告制作業」となる。特に、正規女性の50%が生涯未婚だというのはある意味衝撃

生涯未婚率が低いのは、男性では「金融・保険業」「教育関連業」

雇用形態別に大卒男性35〜39歳の未婚率を見ると、正規雇用者は約25%であるのに対して、派遣・契約社員は67%、パート・アルバイトは86%が未婚のままだ

コンビニ全店ベースの平均客単価は約609円だそうだが、ソロ男に関して言えば1回の購入で千円を下ることは少ない

比率として、単身男性が家族を上回るのは「住居費」と「教養娯楽費」

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著者は、本書を以下のような言葉で締めくくっています。

<「ソロで生きる力」を一人ひとりが持つことこそが、新しい未来のしなやかなコミュニティを創造することにつながるだろう。自分を受容できる者同士がつながり合えるコミュニティは、きっと「ありがとう」という言葉が飛び交う世界だ(中略)ソロ社会とは、そんなやさしさがつながる自立社会なのだ。国や社会が未来をつくるのではない。我々一人ひとりのそうした意識と行動が未来をつくるのだ>

そう考えると、個人の精神的自立を促すという活動や、支えとなるコミュニティの存在は、今後ますます重要になってくるのでしょう。

いろんなビジネスのヒントが詰まった一冊です。

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『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』荒川和久・著 PHP研究所

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◆目次◆

第1章 増えるソロで生きる人たち
第2章 ソロで生きる人々を許さない社会
第3章 男たちは嫌婚になったのか
第4章 結婚してもソロに戻る人たち
第5章 ソロたちの消費
第6章 ソロ社会の未来

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