【いまさらドラッカー?とは言わせない一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496052407
『もしドラ』のブームにより、すっかり有名になったドラッカーですが、多くのドラッカー本は、正面からドラッカーの「ありがたい教え」を受け取る本です。
※参考:『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012032/
ここまで経済界に影響を与えたのだから、その「カリスマ性」や「人間性」に注目した本があっても良さそうなものですが、じつはあまり存在していませんでした。
本日ご紹介する一冊は、そのドラッカーの「カリスマ性」「人間性」に焦点を絞った一冊。
ドラッカー来日の際のエピソードをつなぎ合わせ、ドラッカー専門のマネジメントコンサルタントである山下淳一郎さんがまとめた、じつにユニークなドラッカー本です。
日本人の心を掴んだドラッカーのスピーチ、関係者に語った言葉、日本の経営学者への苦言、そしてマネジメントの原則…。
もちろん、ここまでたくさん本を出しているドラッカーですから、教えのほとんどは既に知られているものばかりですが、「横顔から見たドラッカー」という、生っぽさがいい。
これまでのドラッカーとは違い、なぜドラッカーがここまで日本の要人たちに愛されたのか、その理由がわかる一冊です。
さっそく、気になったポイントをチェックしてみましょう。
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<リーダーは「自分が成果をあげて賞賛を浴びる人」ではなく、「仲間の協力を得て成果をあげ仲間を賞賛する人」だ>
<経営者の仕事は、「お客様に物を買っていただくこと」ではなく、「物を通してお客様に喜んでいただくこと」だ。そして、働く人にエネルギーを送り届け、価値を生み出す人にすることだ>
<トップが何に時間を使うかが事業の成長を決める>
<経営者にふさわしい人とは、自分を成長させられる能力を持った人>
<トップは、将来について考える時間を必ずとっておかなければならない。これは絶対である。そのために、できる限り現場に権限を与え、できるだけ現場で決定できるようにしなければならない>
<リーダーが育たないということは、会社が人を失望させているということだ。なぜ、人を失望させてしまうのか。それは、何のためかという使命がないからだ>
<部下をマネジメントしようとするあまり、部下の欠点や部下の気持ちにとらわれ過ぎて、最も重要な仕事がおろそかになっている。リーダーは考えることが仕事である>
<経営者は時間の半分以上をスケジュールに入れてしまうと行き詰まる>
<育成の出発点は、強みからはじまる。弱みからではない。したがって、三つのことを明らかにしなければならない。
一、その人ができることは何か
二、その人の優れている点は何か
三、その人の優れている点をさらに磨くために何をさせるべきか>
<働く人が本当に望んでいるものは、仕事を通して得る、人生を生きている実感であり、自分の人生にいい意味を加えられる何かだ>
<人事で一番大事なこととは、その人が自分の人生にいい意味を加えてもらうために何ができるか、という視点で考え、決めていくことだ>
<もし納得しうる継承のルールが確立していないならば、組織全体の利益を図るよりも、空くはずの王位に近い場所を得ることを重視するようになる。そのため派閥が生まれる>
<コンサルティングとは、知識を教えることではなく、役立つものを見つけ出し、それを提供することだ>
まだ会ったことがないドラッカー。その書簡のやり取りから、仕事の丁寧さには誰もが驚いた
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ドラッカーの言葉やエピソードはもちろんいいのですが、本文を書いた山下淳一郎氏のマネジメントへの熱い思いがまたいい。
戦後の日本の大経営者たちのエピソードも加わり、リーダーとはどうあるべきか、マネジメントとはどうあるべきか、経営とはどうあるべきか、改めて原点に引き戻される思いです。
経営者であれ、学者であれ、サラリーマンであれ、きっと得るところのある一冊だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『日本に来たドラッカー 初来日編』
山下淳一郎・著 同友館
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496052407/
<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2hZp7VG
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◆目次◆
第1話 ドラッカーの初来日 「ドラッカー招聘」
第2話 ドラッカーとの懇親会 「これからの働き方」
第3話 ドラッカーの講演 「日本は世界の見本となる」
第4話 ドラッカーのセミナー1日目 「トップマネジメント」
第5話 ドラッカーのセミナー2日目 「リーダーの育成」
第6話 ドラッカーのセミナー3日目 「組織の人間関係」
第7話 ドラッカーの手紙 「日本へのメッセージ」
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