【ゴールドで資産を守る】
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本日ご紹介する一冊は、金(ゴールド)投資について書いた本。
といっても、よくある胡散臭い本ではありません。
世界の主要国の動向やFRBの財務内容の分析を経て、プロが予測し、アドバイスした、かなり本格派の本です。
著者のジェームズ・リカーズさんは、資本市場で30年を超える実務経験を持つ投資銀行家で、リスク管理の専門家。
著名な投資家であるジム・ロジャーズと親交があり、米国防総省や諜報コミュニティ、大手ヘッジファンドなどに助言をしている、当該分野の第一人者です。
本書には、著者がFRB高官に直接聞いた話、FRBの財務内容の分析、各国が金を買い進めている事実、なぜ金が有望な資産なのか、今後の展望などが書かれており、じつに読み応えがあります。
「金関連に既に投資しているよ」という人も、実物の金の市場とペーパーゴールドの市場は違うという話を読めば、青ざめるに違いありません。
前半部分は分析が多く、ちょっと読むのに骨が折れるかもしれませんが、後半はかなり具体的な金投資のアドバイスが書かれており、投資家はここだけ読んでも参考になると思います。
さっそく、内容をチェックして行きましょう。
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世界の金の量は、採掘による増加はあるものの、ほぼ一定レベルにつねに保たれている。現在、世界には全部で約一七万トンの金があり、うち約三万五〇〇〇トンが中央銀行や財務省や政府系ファンドが保有している公的金だ。それだけの金があれば、金の価格をかなり高く設定した金本位制にすれば、世界の金融・商業活動がどれほど拡大しようと支えることができる
政府が金融拡大を支えるために公的金の保有量を増やしたいと思う場合には、紙幣を増刷して、公開市場で民間の金を買い入れるだけでよい
公的金は金の総ストック量の約二〇パーセントにすぎないので、政府が金を取得する余地はたっぷりある
銀行預金は貨幣ではない。それは銀行の無担保の負債である
ノンバンクの保管会社に預けている実物の金だけが、本当の金なのだ
今日の国際通貨制度は主として米ドルを基軸にしているので、次の崩壊はドルに対する、またドルの価値貯蔵手段としての役割に対する信認の崩壊によって引き起こされるだろう。思いもしないことかもしれないが、そのような崩壊はほぼ三〇年ごとに実際に起こっている
過去の通貨制度の崩壊は、世界の終わりを意味したわけではなかった。人々は洞穴で暮らすようになったり、缶詰の食品を食べるようになったりしたわけではなかった。通貨制度の崩壊は、そのときどきの主な金融・貿易大国が協議して、いわゆる「ゲームのルール」、すなわち国際通貨制度の運営の仕方を書き換えることを意味していたのである
世界中の国が、準備資産の構成を多様化するために金を取得するペースを加速している
強大な勝者──世界のゴールドパワーの本当の中心──は、ユーロ圏を構成し、ユーロを発行している一九カ国である。これらの国が持っている金の対GDP比は四パーセントを超えている。アメリカの比率は約一・七パーセントだ。興味深いことに、ロシアの比率は約二・七パーセントである
マイナス実質金利の世界では、金に投資することで実際にプラスのリターンを得ることができる
今日、中国、ロシア、サウジアラビアはみな、石油、天然ガス、工業製品を輸出している強国であり、国際通貨制度におけるドルの覇権を終わらせることは、これらの国にとって共通の利益になっている
オールデジタルのシステムはマイナス金利の経済を築く
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著者は、金投資を全体のポートフォリオの10%にするべきと説いています。あくまで資産防衛の手段としてですが、確かに本書を読むと、持っておいても損はなさそうです。
保管はどうするのか、どう買えばいいのかなどについてもアドバイスがあるので、ぜひ買ってじっくり読んでみてください。
今後の世界経済の行方をうらなう上でも、貴重な内容です。
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『金価格は6倍になる いますぐ金を買いなさい』
ジェームズ・リカーズ・著 藤井清美・訳 朝日新聞出版
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◆目次◆
第1章 金とFRB
第2章 金は貨幣だ
第3章 金はタフな保険である
第4章 金は永遠に変わらない
第5章 金のしなやかな強さ
第6章 金を買う
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