【横浜DeNAベイスターズ連日満員の秘密】
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本日の一冊は、横浜DeNAベイスターズ初代社長に就任し、4年間で観客動員数65%アップ、売上80%アップを達成した著者が、企業再生を実現するマーケティングノウハウを提供した一冊。
ここ数年、マーケティングは疎まれる傾向にあったと思いますが、組織を前向きにさせるのは、結局は集客の力だということが、USJはじめさまざまな事例からわかると思います。
ドラッカーが言った「顧客の創造」。
これを可能にするのは、やはりマーケティングの力なのだと思います。
本書には、このマーケティングについて、主にDeNAベイスターズが実際に行ったことを紹介しており、戦術と、マーケティング施策をどう実行に移して行ったかというマネジメントの視点が書かれています。
いわゆる「これをやったら売上が上がる」という小手先の話ではなく、どんな手順を踏んで真因に迫っていくか、どんな手を打つか、どう実行させるかというプロセスの話が中心に書かれています。
優れたノウハウがあっても、それを実行に移す段階でマネジメントの壁にぶち当たってしまう、というマーケターやコンサルタントには、学ぶところの多い内容だと思います。
「集客はすべてを癒す」
そのことを実感させてくれる内容でした。
さっそく、気になるポイントをチェックしてみましょう。
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たとえベイスターズが試合に負けたとしても、球場を訪れたこと自体で満足できるような「ボールパーク」にするのが集客の王道です。
最高に楽しいボールパークで非日常の雰囲気を味わってもらう
コントロールできる領域は完全にコントロールし、勝敗や天気にすら左右されない“空気”をどれだけつくれるかが、スタジアムが連日連夜満員になる鍵
「チケットが入手困難らしい」という空気が醸成されるにつれて、チケットを早期に購入できる特典が付与されたファンクラブの入会数も増えていきます。二〇一〇年の時点で約五〇〇〇人だった会員数が、二〇一六年現在、なんと一五倍の七万五〇〇〇人を超えるまでに膨らみました
MLBのように、それぞれの球団が地域に密着し、地元チームのファンでホームスタジアムを埋め尽くすという文化が存在してこなかった
ベイスターズの場合、ファンクラブ会員数が急増し、ベイスターズファンがどんどん地元に増えていることもあり、ハマスタのスタンドの半分ではホームチームであるベイスターズのファンが入りきれません。そこで、オレンジ色(読売ジャイアンツのチームカラー)だった三塁側の座席を順次、横浜ブルーの座席に取り替え、ホーム側、ビジター側という区分けから「スター・サイド」「ベイ・サイド」という名称に改めることにしました
過去の例、過去の数字にとらわれるとビジネスはスケールしません。
大切なのは今流れている空気です
ベイスターズにおいては、私はある時期、球団HPのDAU(Daily Active Users=1日にHPにアクセスしたユニークユーザー数)をもっとも重要な指標としていました(中略)KPIは会社の空気を元気にし続けるためにもっとも重要な数値
センスのよいクラスター化は、次なる施策を講じやすくすることにつながります。私はハマスタ来場者のデータを分析するにあたり、「ライト層」と「ヘビー層」に大別するところから始めました
私は、プロ野球のビジネス拡大余地はそこにある、と考えました。
映画館やコンサートといった娯楽と横並びに、野球観戦も選択肢の一つに加えてもらえるようになればいいのです
「結果」を見せる、勝つ力を示すのが、本物のリーダー
会社の発するメッセージは重要です。人に任せてはいけない仕事です
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プロ野球球団なのに、なぜ勝つことよりも集客することを優先するべきなのか。
その答えは、当初「俺たちは野球をやるんだ。経営なんて関係ない」と言っていた選手たちの変化を見ることで、理解できました。
「満員のホームスタジアムでプレーするのは最高です」
「次は俺たちの番ですよね」
「チームが成長しているとはいっても、これまでは結局五位とか六位で悔しい。絶対に勝ちたいんです」
「勝ちたいと心底思わなきゃいけないのは、実際にプレーする選手たち」なのです。
従業員にやりがいやモチベーションを与えるためにも、経営者は積極的にコミュニケーションに関わって、集客を実現しなければいけない。
長らくサボっていた土井に、強烈なインパクトを与えてくれました。
すべての経営者、マーケターにおすすめしたい一冊です。
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『空気のつくり方』池田純・著 幻冬舎
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◆目次◆
第1章 最下位なのに満員なのはなぜ?
第2章 顧客の空気を知る
第3章 世の中の空気を知る
第4章 組織の中に戦う空気をつくる
第5章 コミュニケーションのつくり方
第6章 センスの磨き方
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