【元マッキンゼーの人事が語る「生産性」とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478101574
本日の一冊は、ベストセラー『採用基準』で知られる元マッキンゼーの採用マネージャー、伊賀泰代さんによる待望の新刊。
※参考:『採用基準』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478023417
「なぜ人事の専門家が生産性を語るの?」と疑問に思う向きもあると思いますが、本書で問題としているのは、生産現場の生産性ではなく、ホワイトカラーの生産性です。
著者は本当の前半で、こんなことを述べています。
<日本の製造現場の生産性は、長らく他国を圧倒してきました。しかし、まさにそのために日本では、生産性という概念がまるで「工場のオペレーションの効率化の話」であるかのように捉えられてしまっています>
これこそがホワイトカラーの生産性が低いまま放置されてしまっている原因ですが、本書では、そのホワイトカラーの生産性をどう上げればいいか、フレームワークと具体例が示されています。
<生産性が大幅に上がるなら従来のやり方に固執する必要はない。リスクをとることも厭うべきではない>と著者が言うように、われわれはもっと生産性に積極的かつ大胆に取り組むべきなのかもしれません。
先日、アマゾンがレジなしのコンビニ計画を発表しましたが、あれこそが生産性向上のイノベーティブなアイデアです。
(人件費が大幅にカットされ、顧客満足も上がる)
日本企業全体が生産性を向上させていけるように、本書からヒントを頂いてしまいましょう。
さっそく、赤ペンチェックです。
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付加価値額を投入資源量で割って計算される生産性を上げるには、言うまでもなくふたつの方法があります。ひとつはコスト削減、そしてもうひとつが付加価値額の向上です。ふたつの方法のうち、一定のところで限界に達する(ゼロ以下にはできない)コスト削減とは異なり、市場が高く評価する分野にリソースを集中して付加価値額を上げていく方向での生産性向上には、理論上の上限がありません
現在のパンフレットやウェブサイトのどこを読めば、適性のない学生が「この企業は、自分には合わない」と理解できるのか、反対に「自分はまさに求められている」と理解できるのか。採用関連のコミュニケーションツールは、そういった視点をもって=生産性を高めるために設計される必要があります
◆トップパフォーマーを育てる三つの方法
・ストレッチゴールを与える
・比較対象を変える
一年前の自分
社内の他のトップパフォーマー
社外の同世代のトップパフォーマー
・圧倒的なライバルの姿を見せる
作業にかかる時間を比較すると、同じようなメールを三分で書いている人と、三〇分かかって書いている人がいることも判明します。この場合、三分で書ける人のスキルを三〇分の人に移植するだけで部門全体の生産性は一気に高まります
組織の生産性向上に特に効果的なのは、定期的に不要な仕事を洗い出す“業務仕分け”を導入すること
コンサルティングファームではブランク資料を作らずに情報収集を始めることは不可能(もしくは御法度)とされています。通常、上司や顧客から資料作成を依頼されたスタッフは、まずブランク資料を作り、それを上司や顧客に見せてアウトプットイメージを共有してから情報収集や分析にとりかかります
「情報が足りないから今日の会議では決められない」という話になったときは、必ず「足りないのは本当に情報なのか? 意思決定のロジックは明確なのか?」という視点で確認をしましょう。「会議時間の短縮」に敏感な企業は増えていますが、本当は「意思決定の生産性」についてこそ、より意識的になるべきなのです
テーブルがあると資料に目を落として話を聞く人が増えますが、イスだけの会議室で小さなテーブルを脇に置くと、みんなお互いの目を見て話すようになります
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著者が、「生産性を上げる四つの方法」としてまとめているように、究極的には生産性を上げる方法は4つしかありません。
<生産性を上げる四つの方法>
(1)改善=インプルーブメントにより、投入資源を小さくする
(2)革新=イノベーションにより、投入資源を小さくする
(3)改善=インプルーブメントにより、成果を大きくする
(4)革新=イノベーションにより、成果を大きくする
本書を読んで、どうすれば自社の生産性を上げられるか、ぜひ考えてみてください。
マッキンゼー内部の研修内容にも迫った、興味深い一冊です。
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『生産性』伊賀泰代・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
序 章 軽視される「生産性」
第1章 生産性向上のための四つのアプローチ
第2章 ビジネスイノベーションに不可欠な生産性の意識
第3章 量から質の評価へ
第4章 トップパフォーマーの潜在力を引き出す
第5章 人材を諦めない組織へ
第6章 管理職の使命はチームの生産性向上
第7章 業務の生産性向上に直結する研修
第8章 マッキンゼー流 資料の作り方
第9章 マッキンゼー流 会議の進め方
終 章 マクロな視点から
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