【佐藤オオキの「ボツ案」を公開】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822235831
昔、『80,000点に学ぶ新製品開発マーケティング』というヘンな本がありました。
※参考:『80,000点に学ぶ新製品開発マーケティング』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/488497090X/
新製品開発マーケティングの研究を行っているマーケティングコンサルタントのロバート・M・マックマスさんが、失敗製品を振り返り失敗の原因を分析したものですが、これが勉強になりました。
やはり、人はボツから多くを学ぶのです。
そこで本日ご紹介したい一冊は、今注目を浴びるデザインオフィスnendo代表、佐藤オオキさんのボツ本。
氏がこれまでに企業に提案して、ボツになった企画とその狙い、ボツになった理由を紹介したもので、タカラベルモント、早稲田大学ラグビー蹴球部、IHI、エース、ロッテなどの事例が載っています。
どんな成功の陰にも大量のボツ案が存在しているわけですが、本書はそれを紹介することで、佐藤オオキ氏の思考プロセスをたどることができる一冊です。
時代の潮流やクライアントの抱えている問題点をもとに、巧みな仮説と案を築き上げていく著者の手法には、いちいち驚かされます。
どんなことが書かれているのか、さっそくチェックして行きましょう。
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ゴミ箱の上を平らにしてしまうと、通りすがりの人が関係ないゴミをその上に置いていってしまうので避けなくてはいけません。雨水が入り込んでもいけないので、その対策も必要です。また、今のゴミ箱は、コーヒーショップのトールサイズのカップがぴったりとはまってしまうそうです。それがゴミ箱の入り口を塞いでしまって次のゴミが入らなくなってしまう。結果的に周囲にゴミが散乱して、オーナーが困るというケースがあるということでした
<異色のゴミ箱(ボツ)>
入り口のゴミ受けにバネの仕込まれた板があり、ボトルに少しでも液が入って重量があると、ペットボトルが吐き出されるように落ちる
<可変型パッケージ>
筒状のパッケージをひねることでサイズを変化させられ、食べた数に応じてどんどんとパッケージを小さくできる
<2つの味を組み合わせて楽しむ>
2種類のフレーバーが1つのパッケージに分かれて入っており、オレンジとグリーンミントを一緒に食べるとグレープフルーツ風味に、別々のミントを一緒に食べると刺激が強めになるなど、フレーバーの変化を楽しめる提案
<レタスを野球ボールぐらいのサイズに縮小し、味や栄養価を1・5倍に>
レタスの魅力は、やはり口に含んだ際の食感でしょう。そこで、「シャキッとした食感」「フワッとした食感」という2種類のタイプを作り、器のデザインにもそのイメージを反映させると面白いのではないかと考えました。ネーミングも、「丸かじりレタス ハード/ソフト」などにすることで、2種類の違いをより分かりやすくアピールできるよう工夫しました
これまで美容室は1人で行くのが当たり前でしたが、友人同士やカップルで、または親子で訪れてもらい、スタッフも含めた3人以上でいられれば会話ももっと弾むのではないかというのがこのコンセプトの発端です。そこでデザインしたのが、2つの椅子を1つにつなげられる椅子
あえて皆が注目しているところやこれでいいと思っていることについて「そこに価値はあるのか」と問い続けることで、革新的な発想やアイデアや、何かを突破する力が生まれる
「移動中に音が静かなスーツケースだなと思ってみたら、それが全部プロテカだった」というブランディングストーリー
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個人的に一番刺さったのは、筒状のパッケージをひねることでサイズを変化させられ、食べた数に応じてどんどんとパッケージを小さくできる可変型パッケージ。
旅行、出張が多く、少しでも荷物をコンパクトにしたい土井としては、じつに興味深いアイデア発想でした。
ほかにも、作るのにコストがかかるという理由で却下された、味を凝縮させた野球ボールサイズのレタスなど、興味深い事例が満載で、自社の商品開発のヒントにもなると思いました。
営業マンの方が読めば、企業が提案を却下する理由の勉強になるでしょう。
これはぜひ読んでみてください。
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『佐藤オオキのボツ本』佐藤オオキ・著 日経BP社
<Amazon.co.jpで購入する>
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<Kindleで購入する>
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<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2gOMImz
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◆目次◆
第1章 散りゆくボツ案
第2章 未来を導くボツ案
第3章 ボツ案を育てる
第4章 蘇るボツ案
第5章 人を育てるボツ案
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