【25社のオムニチャネル事例】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822235823
本日ご紹介する一冊は、今話題の「オムニチャネル」に対して、各企業がどのように対応しているか、先端事例を紹介した一冊。
念のため、本書内に書かれていた定義を記しておくと、オムニチャネルとは、<企業が顧客と接する店舗やEC(電子商取引)サイト、電子メールといった複数のチャネル(接点)を統合的に扱えるようにすることで、どのチャネルでも顧客に同じ「購入体験」を提供しよう、という取り組みのこと>。
アップルストアが「ストア」を抜いて「Apple 表参道」のように名乗るようになったのも、このオムニチャネルの狙いがあると言われています。
本書は、そんなオムニチャネル戦略に積極的に取り組み、成果を上げている25社の事例を、「日経デジタルマーケティング」が徹底取材した内容。
かつて掲載した記事に加筆修正し、まとめあげたものですが、事例集としてこれほどまとまったものは今のところないと思います。
会員数が40万人に達し、「5年以内に受注生産型ECを実現する」と意気込むリンナイ、自販機のビッグデータを活用してヒットを連発するJR東日本ウォーター、ECサイトで接客を強化したところ、CVR40%アップ、売上10%アップを実現したという「SHIBUYA109」など、さまざまな事例が掲載されており、じつに読み応えのあるケーススタディです。
さっそく、気になるポイントをチェックして行きましょう。
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リンナイは、ネットを活用した顧客の声の収集に熱心に取り組んでいる。新商品を発売する度に、商品に対するクチコミを取得している。集まったクチコミデータを解析することで、商品改善や新商品開発の芽を見つける(中略)舞台となるのが自社運営のEC(電子商取引)サイト「R・STYLE」だ。リンナイ製品の交換部品を販売するサイトとして、2006年に解説された(中略)会員数は約40万人に達している
顧客の声からは、ココットで調理をした場合、鍋そのものが高温になり、「付属のミトンでは熱い」といった意見や、「鍋のふたの汚れが落としにくい」という意見も多く見られた。そこで、意見を参考にスポンジや300度にも耐えられるミトンなどを開発。R・STYLE上で2015年10月から販売を開始した。スポンジは既に5000個以上を出荷するヒット商品となっている
「どれだけクチコミが多くても、単に並べただけでは誰も見ない。各部門が自分たちに関係するクチコミを見られるように整える必要があると考えた」(福本氏)。そこで社内向けクチコミ閲覧サイトを開設。eビジネス推進室では毎朝、R・STYLEに投稿されたクチコミを集約し、給湯器、コンロ、サービスなど製品やカテゴリーごとに振り分け、クチコミ閲覧サイトに掲載するようにした
5年以内に受注生産型ECを実現する
(リンナイ取締役常務 執行役員 小杉氏)
婦人靴専門店「銀座かねまつ」を展開する、かねまつ(東京都中央区)は2016年4月25日、銀座4丁目店に、POS(販売時点情報管理)システムのデータと連携したレコメンドのサービスを導入した(中略)POSレジで顧客が購入した商品のバーコードを読み取ると、レジと連動したプリンターから、商品を購入した顧客に適した商品一覧を掲載したカタログが、自動印刷される。このカタログを、顧客に商品を手渡す際、案内をした上で渡す
◆英金融王手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド
総資産は1兆7000万ドル、英国を中心に世界に2400万人の顧客を抱え、英国女王も顧客だという同行は、2014年からUX改善などに取り組んできた。2015年には、前年比でモバイル端末を利用したローン申し込みが20%増えるなどの効果が出ている(中略)UXの再定義のためにRBSが導入したのが「Adobe Marketing Cloud」だ。40あったコンテンツ管理システム(CMS)を整理統合し、コンテンツと資産管理もシステム化した
ヤマト運輸がLINEで配送予告、反応率6割増
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先日、アマゾンがコンビニ構想を発表しましたが、いよいよネットとリアルが融合し、消費者の体験は高度化していくことになります。
これにバーチャルリアリティやAIが加わって、カスタマイズされかつリアリティあふれるバーチャル、あるいはバーチャルを組み込んだリアル、というのが実現してくるのでしょう。
本書で紹介されている各社の事例は、まだまだ過渡期のように見受けられますが、この試みの中から、未来の正解が見つかるのは間違いないと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『オムニチャネル&O2Oの教科書』日経デジタルマーケティング・編 日経BP社
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◆目次◆
オムニチャネルの本質は「接客競争」
第1章 データを分析して顧客を理解
第2章 デジタル接客でおもてなし
第3章 テクノロジーで関係性を深める
第4章 キーパーソンに聞く
第5章 最新キーワードを読み解く
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