2016年11月20日

『運命をひらく 生き方上手松下幸之助の教え』本田健・著 vol.4505

【本田健氏が?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569831761

本日の一冊は、松下幸之助の教えや生き方を、ベストセラー『ユダヤ人大富豪の教え』で知られる作家の本田健さんが解説した一冊。

※参考:『ユダヤ人大富豪の教え』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479300082/

松下幸之助の小学生からのファンという本田健さんが、松下幸之助の生涯をダイジェスト版としてまとめ、さまざまな著作やエピソードから読み解ける生き方・マネジメントの要諦を書いています。

<衆知を集める><世にいう失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因がある>など、有名な話、教訓・名言もあるのですが、その背景説明が丁寧になされているところに好感が持てます。

序章の<5分で理解する「松下幸之助の生涯」>をはじめ、前提知識なしでも幸之助を理解できるよう、工夫がなされています。

経営者・マネジャーが読めば、良質なマネジメントの教訓集として、きっと役に立つこと請け合いです。

さっそく、いくつか気になった部分をピックアップしてみましょう。

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<上に立つ人が、自分の部下は自分より偉いなと思うかアカンなと思うかによって、商売の成否が分かれてくる>(『経営心得帖』)

<単なるかけひきでは偉大な仕事は生まれない。私は心の琴線にふれるような、真心のこもった行動においてこそ、いっさいを超越して、ものが生まれてくるというふうに感じるんであります>
(松下幸之助 若き社会人に贈ることば)

<物とともに心を売り、そしてお金とともに心をいただく、つまり物や金が通い合うだけでなく、お互いの心というものがその間に通い合うことが、きわめて大切なのです。そこに、商売の真の味わい
というものがあると思います>(『販売のこころ』)

<人に何か指示し、命令するにあたっては、「あんたの意見はどうか。僕はこう思うんだが、どうか」というように、その人の意見にあてはまるか、また得心できるかどうかを、よく聞いてあげなくて
はいけない。そしてその聞き方にしても、相手が返事のしやすいようにしてあげないといけない>(『人を活かす経営』)

人を叱るときに重要なポイントは、個人的な感情で叱るのではなく、相手の成長を願うこと

<いくら能力があっても、愛敬のない人間はあきませんわ(以下省略)>
(『Voice』1979年1月号)

<君、部下が上司に何か提案を持ってくるとするわな。その時に上司が、“ありがとう。よう持ってきてくれた”という気持ちで受け取る場合と、“どうせ、たいした提案ではないやろ。面倒やな”という
気持ちで受け取る場合がある。部下はそこに天地の違いを感じるもんや。上司の仕事は、結局は部下に良い仕事をしてもらうことであり、部下にさらに良い提案を持っていこうと思わせることやろ(以下省略)>(『松下幸之助 元気と勇気がわいてくる話』)

わずか3人から、70年で従業員20万人規模の世界的な企業を作り上げた幸之助ですが、生涯傲慢になることはありませんでした(中略)1976年3月、幸之助が81歳のときに出演したテレビ番組のも
のですが、その番組で印象的だったのは、視聴者からの「松下さんが、わしもこれで男になったな、これで一人前になったなと思われたのは、いつ頃ですか」との問いに、「おまへんな、まだ道を求め
てるほうやから。これで一人前になったというような、そんな安気な気分にはなれまへんね、まだ」と答えたことです

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一部、成功者が陥りがちな罠や富と精神のバランスなど、本田健さんらしい話も出てくるのですが、全体的に著作からの引用が多く、「この本ならでは」の良さが見つけられませんでした。

もちろん、これから松下幸之助を学ぶ若い方には、良い入門書だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『運命をひらく 生き方上手松下幸之助の教え』本田健・著 PHP研究所

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◆目次◆

序章 5分で理解する「松下幸之助の生涯」
第一章 人間関係の達人になれば、運命はひらける
第二章 衆知を集めて任せれば、運命はひらける
第三章 経営のコツを知れば、運命はひらける
第四章 素直な心で物事を見れば、運命はひらける
第五章 運と愛嬌があれば、運命はひらける
第六章 世界を愛し、与え続けた松下幸之助
終章 感謝の心が、運命をひらく

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