2016年10月16日

『友情について』キケロー・著 vol.4470

【ラエリウス語る。人生における友情の意味】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/400336113X

30代の頃は、「友情」というものから距離を置いていましたが、40代になった今、その大切さを痛感しています。

なぜなら、まだ周囲が何も持っていない30代と違って、40代になると、コラボすべき実力者・成功者は持つものを持っているから。

つまり、まだ何も持っていない人は条件次第で動くけれど、既に豊かな人は、損得では動かないのです。

だから、ビジネスにおいても友情が大事。40代以降のビジネスは、「友情」や「大義」で動くのです。

また、40代になると、友人が減り始める。若い友人を求め始める時期でもあるのです。

そんなことを徒然なるままに考えていたら、良い本を見つけました。

『老年について』の姉妹篇としてキケローにより書かれた対話篇で、古代ローマの政治家で賢者の誉れ高いラエリウスが、無二の親友であった小スキピオを喪った直後、二人の女婿に語った「友情論」です。

※参考:『老年について』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003361121/

本文自体は80数ページの薄い小冊子ですが、そのなかに大事な言葉がびっしり詰まっています。

さっそくチェックしてみましょう。

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友情が実益を追うのではなく、実益が友情を追うのである

確かな友は不確かな状況で確かめられる

大抵の人は、二つの場合に、即ち、羽振りがよくなって軽蔑に転じるか、苦境にある者を見捨てるかすれば、軽薄と無定見の責めを受けるのだ。それ故、どちらの場合にも友情を確固不動で物堅く持する者があれば、まことに世に稀な人間、ほとんど神のような存在だと判断しなければならない

友を非難することを喜ぶな、友が非難されても信じるな

徳・才能・幸運等で抜群に恵まれた者は、近親にも頒って共用しなければならないのだ。だから、卑しい親から生まれた者や、意気沮喪していたり拙い運に弱っていたりする親類を持つ者は、彼らの生きる力を高めてやり、彼らの名誉とも誇りともなってやらねばならぬ

友情においては、目上の者が謙ると共に、何とか目下の者を盛りたててやらねばならない

概して友情というものは、才能や年齢がしっかりと固まってから判断すべきものだ

真の友人とは、第二の自己のようなもの

忠告は苦すぎぬよう、次いで、叱責は侮辱を含まぬよう、心して配慮すべきなのだ

友人の語る真実が聞けないほど真実に対して耳塞がれてしまっている者は、救われる見込みがない。これに関してカトーの例の言葉は、いつもながら実に穿っている。「ある人にとっては、優しそうな友人より辛辣な敵の方が役に立つ。敵はしばしば真実を語るが、友人は決して語らぬから」

過ちを犯したことに心を痛めるのでなく、叱られたことを苦にするわけだが、これは反対で、間違いを悲しみ、正されることを喜ぶべきなのだ

人事は壊れやすくはかないもの故、愛し愛されるような人を常に探し求めておかなければならない。親愛の情と好意を取り去ったら、人生から全ての喜びが奪われてしまうのだ

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本書によると、<友情は順境をいっそう輝かせ、逆境を分かち合うことで軽減してくれるもの>。

人生の後半戦は、辛いことも多いのだから、せめて友情は携えて歩みたいもの。

『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』でも、「友情は手入れしよう」という言葉が出てきましたが、本書は友情のメンテナンス方法も指南してくれます。

※参考:『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102428011/

ぜひ、読んでみてください。

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『友情について』キケロー・著 岩波書店

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◆目次◆

特にないので省略します

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