【今度は給料がテーマ!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569766153
本日の一冊は、すっかりビジネス小説家として定着した感のある、竹内謙礼さんと、公認会計士の青木寿幸さんの共著。
これまでにも、『会計天国』『戦略課長』『猿の部長』『貯金兄弟』など、ユニークな作品を出していますが、おそらく今回の本が過去一番「泣ける」ストーリーでしょう。
お人好しの34歳サラリーマン、浅野敬一が、滝壺で溺れかけていた見知らぬ男を助けたら、じつはその男は日本兵だった、という話で、別の時代から、またデキないサラリーマンの視点から給料や税金、社会保険料などが語られるという、興味深い内容。
源泉徴収制度の起源や、われわれの税金が何に使われているか、年金のトリックなど、さまざまなトピックが網羅されています。
おそらく、サラリーマンの方にとって一番役立つのは、徹底的にやれば給料が上がるという、「5つのこと」。
これを読むだけでも、本書を買った価値があるでしょう。
「サラリーマンは、5つのことを徹底的にやれば、給料が上がるのよ」
由美子は、箸袋の裏に箇条書きで何か書き始めた。
(1)会社に利益をもたらすこと
(2)組織を作って、その中核になること
(3)上司に信頼されること
(4)自分の目標を持つこと
(5)チャレンジすること
給料の上げ方、給料から引かれるもの、残ったお金の正しい使い方など、興味深いトピックが満載です。
さっそく本書のエッセンスを見て行きましょう。
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この給与明細に書いてある『住民税』を支払っているから、毎日ゴミを出しても、収集車がタダで回収してくれるのよ
毎日、駅まで行く道路も、信号機も、街灯も、みんなが住民税を支払うことで、タダで利用できているわ
「確か、昭和15年に、戦争のために、大政翼賛会がお金を効率的に集めるルールを作ったんです。政府の代わりに、会社が労働者の税金を徴収する制度で、えーっと、名前は、『源泉徴収制度』と言ったかな」
「由美子殿。そうすると、4月と5月と6月に働く時間を短くして給料を下げれば、標準報酬が下がって、健康保険が安くなるのではないでしょうか」
毎月の給料を安くして、賞与がバカ高い会社の社員は、得するってことなの
ひとつ目のカラクリとして、国民年金と厚生年金に加入していた期間を通算して25年以上にならないと、年金を受け取れないルールになっているわ。だから、20年間だけ加入していた人は、掛け捨てになるのよ
「サラリーマンは、5つのことを徹底的にやれば、給料が上がるのよ」
由美子は、箸袋の裏に箇条書きで何か書き始めた。
(1)会社に利益をもたらすこと
(2)組織を作って、その中核になること
(3)上司に信頼されること
(4)自分の目標を持つこと
(5)チャレンジすること
会社からの評価を上げるためには、『こいつは、裏切らない』と上司に思わせることが必要なのよ
目標を達成するために、必要な資格を取ったり、誰も持っていない人脈を作ったりするのよ。目に見えて分かる証拠を作ることで、上司が『こいつを出世させたら、面白そうな仕事をやってくれるだろうな』と期待するようになるわ
転職した人の95%は、給料が下がったり、役職が下がったりして、キャリアダウンが起きています
「もし、転職して、次の職場で人間関係が改善すると思っているのであれば、そのような期待は持たないほうがいいでしょう」
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ラストシーンはネタバレになるので書きませんが、土井は思わず涙してしまいました。
読めば、ビジネスってこういうことだよな、という感動がこみ上げてきます。
給料や人事制度について書かれた内容ですが、ストーリーとしても興味深く読めました。
気軽な読み物として、ぜひ読んでみてください。
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『給料戦争』竹内謙礼、青木寿幸・著 PHP研究所
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◆目次◆
第1章 基本給は25万円なのに、手取り額が20万円ちょっとになる理由
──税金と社会保険料はどういう計算で差し引かれるのか
第2章 サラリーマンが、給料を上げるために絶対やるべき5つのこと
──会社に必要な人材であるとアピールしなければ、給料は上がらない
第3章 会社の業績を回復させるためには、人件費の削減も必要
──社員のモチベーションが下がらないリストラの方法
第4章 転職する95%の人が失敗してしまう理由
──転職に成功して、キャリアアップするためのコツ
第5章 買収した子会社への転籍は、栄転か?左遷か?
──転籍と出向、そのメリットとデメリットを冷静に分析する
第6章 社員が自分の給料の決定プロセスを知らない会社は儲からない
──社員が納得できる人事の評価基準を導入する
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