【田坂広志氏が説く、人間関係好転の技法とは?】
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さまざまな自己啓発書が主張しているように、われわれの人生の問題のほとんどは「人間関係」に端を発しています。
D・カーネギーの『人を動かす』が、世界的に売れているのも、昨日ご紹介したジョン・グレイの『ベスト・パートナーになるために』が売れているのも、その根本は一緒だと思います。
※参考:『人を動かす』
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※参考:『ベスト・パートナーになるために』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837971768
ただ、ビジネスパーソンである以上、できればビジネスで成功した人間から、ビジネスの文脈で人間関係の極意を学びたい。
そういう意味で注目なのが、本日ご紹介する『人間を磨く』です。
日本総合研究所の設立に参画し、その後、多摩大学大学院教授、シンクタンク・ソフィアバンク代表を歴任した田坂広志氏が、<人間関係が好転する「こころの技法」>を説いています。
会社に嫌いな人がいたらどうするか、どう考えても相手に非がある場合にどう考えるべきか、一度気まずくなった人とどう和解するか…。
なかなか人に聞けない人間関係の極意がまとめられており、人間関係、現場マネジメントの良いヒントとなります。
ぜひチェックしてみてください。
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人は、非があり、欠点があり、未熟であるから、周りの人の心が離れていくのではない。人は、自分の非を認めず、欠点を認めず、自分には非が無い、欠点が無いと思い込むとき、周りの人の心は離れていく
「自分の非や欠点を受け容れてくれる相手や周りの人々に感謝する」ことができるならば、そこには、素晴らしい人間関係が生まれてくる
人とぶつからない人生、心が離れない人生が、良き人生ではない。人とぶつかり、心が離れ、なお、それを超えて、深く結びつく人生。それこそが、良き人生である
◆「深層意識」の世界では、次の二つの感情が動いている
1.自分に対する嫌悪感(自己嫌悪)
2.相手に対する不安感(他者不安)
◆河合隼雄氏と著者との対談で、河合隼雄氏が語った言葉
「人間、自分に本当の自信が無いと、謙虚になれないんですよ」
「人間、自分に本当の強さが無いと、感謝ができないんですね」
「千人の頭となる人物は、千人に頭を垂れることができなければならぬ」
自分の中にある欠点を許せないと、同様の欠点を持つ相手を許せない
◆「好きではない人間を、好きになる」技法
相手の「孤独」や「寂しさ」を見つめること
嫌いな人を感情的に批判すると、心の奥深くで、つい感情的になってしまった自分への「自己嫌悪」の感情が生まれる
日々の人間関係において、何かの摩擦があったとき、この「私は、根に持っていない」「私は、気にしていない」「私は、こだわっていない」というメッセージを相手に送ることは、人間心理の機微を考えるならば、相手に対する、大切な配慮である
別れた後も、「心の中」で、相手との関係を絶たぬこと
なぜ、「将来の和解の余地」を残すことが大切なのか? 人の心は、変わるからである
実は、我々は、誰もが、すでに他界した人に対して、何がしかの自責の念を、心の奥深くに抱いている
我々に真に問われているのは、「問題の解決力」ではなく、「人生の解釈力」に他ならない
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個人的には、以下の2つの言葉が心に刺さりました。
<好き嫌いということは、変えがたい「感情の問題」ではなく、努力次第で変えられる「意志の問題」>
<「経営者として大成する人間は、悪いことができて、悪いことをしない人間だ>
人間関係において、どんな努力をすればいいか、明確になる一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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『人間を磨く』田坂広志・著 光文社
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◆目次◆
人間関係が好転する「こころの技法」
第一の「こころの技法」 心の中で自分の非を認める
第二の「こころの技法」 自分から声をかけ、目を合わせる
第三の「こころの技法」 心の中の「小さなエゴ」を見つめる
第四の「こころの技法」 その相手を好きになろうと思う
第五の「こころの技法」 言葉の怖さを知り、言葉の力を活かす
第六の「こころの技法」 別れても心の関係を絶たない
第七の「こころの技法」 その出会いの意味を深く考える
「人間を磨く」ことの真の意味
さらに「人間を磨く」ことを求める読者のために
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