【複数の問題を一気に解決するアイデア発想法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479795243
「争いは対立から生まれる」
しかし、対立があれば、必ず争わなければいけない、ということではありません。
「金持ち喧嘩せず」という言葉がありますが、金持ちが喧嘩しない理由は2つあると思っています。
1.余裕があるから
2.金持ちは対立を解消するアイデア力があるから金持ちになった
本日はこの2番目に着目し、みなさんが対立を解消する方法、お金持ちになる方法をご紹介したいと思います。
それが、本日ご紹介する『インクルージョン思考』。複数の問題を一気に解決するアイデア発想法です。
著者は、「世界ふしぎ発見!」「TVチャンピオン」「情報プレゼンター・とくダネ!」などの番組を手掛けた構成作家の石田章洋さん。
紹介されているのは、ベーシックなアイデア発想法ですが、紹介されている歴史的事例が、じつにいい。
スペイン内戦の時に使われた、まさかの七面鳥パラシュート、アメリカのレモネード売りの起源となった小児がんのアレックスちゃんのエピソード、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の「重機プロジェクト」の事例など、感動の事例が連発です。
アイデア発想の詳細テクニックは本書に譲りますが、ここでは、興味深い事例を中心にチェックして行きましょう。
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それはスペイン内戦の最中のこと(中略)陸路は敵に包囲されていて、物資を補給するには空路しかないのですが、もはやパラシュートはありません。航空機から直接、落としてしまえば、物資は粉々になってしまいます。ところがそんなとき、たったひとつのアイデアが窮地を救いました。なんと、生きた家禽の七面鳥に補給品をくくりつけて、飛行機から投下し始めたのです(中略)家禽の七面鳥は肉がたくさん取れるように大型化されたため、体が重くて飛ぶこ
とができません。それでも上空から落とすと、なんとか助かろうと必死に翼を羽ばたかせるので、ふわりと着陸に成功するのです。しかも「食べられるパラシュート」として、前線の兵士たちのお腹も満たしたというのですから、まさに一石二鳥のアイデアでした
そもそも、アメリカの子どもたちに広まった、子どもがレモネードを売って、ビジネスのいろはを学びながら小遣いを稼ぐ、インクルーシブなアイデアは、小児がんのため8歳で亡くなった女の子、アレックスちゃんが、治療代を自分で稼ぐために始めたものでした。彼女は「人生がすっぱいレモンをくれるなら、それで甘いレモネードをつくったらいいのよ(When life gives you lemons, just make lemonade.)」と言い、4歳から亡くなるまでの4年間、レモネードを売り続けていました
◆「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の「重機プロジェクト」
壊滅的被害をうけて瓦礫の山と化していた陸前高田で、被災住民に「重機の免許を無料で取得させる」というもの。職業訓練生に月額10万円を給付する国の支援制度と寄付金を活用して、被災者に費用を負担させることなく、ブルドーザーやショベルカーの免許を取ってもらうのです。免許取得後は被災者が重機を操縦して瓦礫を片づけ、その後、重機を使って街をつくるのですから、この時点ですでに一石二鳥のアイデアです
普通ならば、くっついたオナモミをズボンからはがして、それで終わりです。しかし、メストラルは違いました。オナモミの「くっつくけれど、はがせる」ところに注目して、こういうテープが日常にあれば便利だろうなと考えたのです。そしてメストラルは、オナモミの構造を顕微鏡で観察して、トゲの一本一本が鉤のようになっていることを発見。その構造を人工的に再現し、面ファスナーのアイデアを思いついたのです
◆インクルージョン思考を磨く7つの習慣
1.好奇心を持ち続けてストックを増やす
2.必ず「日付の入った」メモを取ろう
3.インプットは雑食系を心がける
4.デスク周りは「綺麗に」散らかそう
5.ぼーっとする時間を「意識的に」つくる
6.毎日、誰かを笑顔にしよう!
7.自らを世界の一部だと考える
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「あとがき」に、元電通のクリエイティブ・ディレクター秋草孝氏の言葉が紹介されていますが、まさにこれこそが、われわれがアイデア発想法を学ぶべき理由でしょう。
アイデアとは「世の中を変えられる、世界で最も平和な武器」である(元電通のクリエイティブ・ディレクター秋草孝氏)
知的生産に関わる方はもちろんですが、できることならすべてのビジネスパーソンに読んでいただきたい一冊です。
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『インクルージョン思考』石田章洋・著 大和書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479795243
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◆目次◆
Chapter1 アイデアとは、複数の問題を解決するもの
Chapter2 インクルージョン思考への障害
Chapter3 ひらめきを生み出す準備と4つの段階
Chapter4 第1段階 高次の目的を決めて旅立つ
Chapter5 第2段階 目的に従って材料を集める
Chapter6 第3段階 異なる分野の材料をつなげる
Chapter7 第4段階 手放して「ひらめき」とともに帰ってくる
Chapter8 インクルージョン思考を磨く7つの習慣
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