【新たなビジネスを生み出す、大前研一15の発想術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093897638
「良いビジネス書」の定義はさまざまだと思いますが、土井はそのなかに「いても立ってもいられない」ことを挙げたいと思います。
そう、読んで納得するだけの本、面白かったと言って完読してしまう本ではなく、読んでいるうちに何度も調べ物をしたり、戦略立案したりしたくなる本です。
本日ご紹介する一冊は、そんな「いても立ってもいられない」本。
元マッキンゼーの日本支社長であり、現在はBBT大学学長を務める大前研一さんが、新しいビジネスアイデアを生む15の発想術を紹介した、じつに興味深い一冊です。
「戦略的自由度」「アービトラージ」「ニュー・コンビネーション」「固定費に対する貢献」「デジタル大陸時代の発想」「早送りの発想」「空いているものを有効利用する発想」「中間地点の発想」「他人の立場に立つ発想」「すべてが意味することは何?」「構想」といった計11の基礎編と、「感情移入」「どんぶりとセグメンテーション」「時間軸をずらす」「横展開」といった計4つの実践編に分かれており、それぞれ事例が紹介されています。
さっそく、気になるポイントをチェックしてみましょう。
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戦略的自由度とは、戦略を立案すべき方向の数のことである。具体的には、ユーザーの目的を満足させる方法をできるだけたくさん抽出し、その中から競争相手が追随できない戦略的に優位になる方策、かつ持続できる方策を講じるということだ
何が黒川温泉を全国トップクラスの人気温泉地に引き上げたのか?それが「固定費に対する限界利益の貢献の最大化」の発想──すなわち、すべての露天風呂が利用できる「入湯手形」の考案だった
◆ラストミニット・ドット・コム
「ぎりぎり」の駆け込み予約に絞って、ホテルや航空券などを破格の安さで提供している
「この商品をどうするか?」と考える「プロダクトからの発想」ではなく、たとえば「5年後にリビングルームはどうなっているか?」という全体像から考える方法
◆「デロイトテクノロジーFast500」
「先行的な企業」を見つけ出すのに便利
インターネットの発達によって「アイドル=空いているもの」を見つけることが非常にたやすくなった。このような時代状況や技術革新を背景にして、あらゆる業界で「アイドル」が大きな事業のチャンスになっているのだ
ボーイング727が1964年に運行を開始した時、世界中が驚いた。なんと、エンジンが3機だったのである。2でも4でもなく3。1機のエンジンをテールコーン(胴体尾部)につけていたのである。いま考えれば、テールコーンにつけるのもありだな、と疑問も持たずに納得できるが、当時はそうではなかった。2か4が常識だったのである
業界の慣習で決められた規格に意味はない
【意味するもの】
●核家族は「両親と子供2人の4人家族」という単位から「両親・子供1人・ペット」という単位になった
●ペットを「家族の一員」とみなした商品・サービスが事業機会となる
【結論】
子供向けビジネスから「ペットを子供と考えるビジネス」へとシフトする
“田園調布よりも木場”という発想
「0から1」の次は「1から100」を目指せ
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変化の激しい現在、経営者は常に「次の一手」を考えるプレッシャーにさらされていますが、そんな時役立つ発想法が、見事にまとめられています。
ぜひ読んでみてください。
きっと「いても立ってもいられなく」なると思います。
これは文句なし、おすすめの一冊です。
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『「0から1」の発想術』大前研一・著 小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093897638
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◆目次◆
基礎編 「0から1」を生み出す11の発想法
SDF/戦略的自由度
アービトラージ
ニュー・コンビネーション
固定費に対する貢献
デジタル大陸時代の発想
早送りの発想
空いているものを有効利用する発想
中間地点の発想
RTOCS/他人の立場に立つ発想
すべてが意味することは何?
構想
実践編 「新たな市場」を作り出す4つの発想法
感情移入
どんぶりとセグメンテーション
時間軸をずらす
横展開
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