2016年4月7日

『君はどこにでも行ける』堀江貴文・著 vol.4279

【読みましょう】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198641323

ニューヨークに行くようになってから1年以上経ち、やっと自分自身のマインドがグローバルに変わってきた気がします。

ウチとソト、外国人と日本人といった壁がなくなり、純粋に人としていろんな方と付き合えるようになってきました。

今、日本は過度な日本信仰と批判論がごちゃまぜになっていますが、冷静に外から日本を見つめれば、どちらもバランスを欠いていると思います。

今は、世界的に日本ブームが起こっており、日本食や観光は花盛り。でも、かつてのように「日本が高い」とか「日本が金持ち」というのは、古い思い込みでしかありません。

本日ご紹介する一冊は、ライブドアCEO退任後、幅広い分野で活躍している堀江貴文さんが、世界28カ国58都市を訪れて見えた世界と日本の現状、これからの日本人の働き方、生き方を論じた一冊。

相変わらず遠慮のない痛快な物言いで、老人に叩かれそうなアイデア、主義主張を展開しており、読者の視野を広げるのにピッタリの一冊です。

シンガポール、中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム、インドネシアなど、実際に訪れた国の分析と感想が載っており、これからどの国に可能性があるか、どんな働き方が考えられるか、著者なりのアイデアが示されており、じつに興味深く読めました。

さっそく、いくつか気になった点をピックアップしておきましょう。

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日本は地政学的に、伸び盛りのアジアマネーを、うまくすれば総取りできるポジションにいる

買いたい人がいて、いい値段をつけてくれれば、売る。これがビジネスの基本だ。むしろ「バイアウトされておめでとう!」というのが、正しいはずだ。でも、多くの日本人は、「会社を買われる」=「よくないこと」という思いこみから、逃れられていない

「閉ざす」道を採って、結果的に得をした国が、どこにあるのか

お金はあるところから、引っぱってくる。国家の垣根に、こだわらない。そんなふうに、もっとシンプルに考えればいい

国家間の衝突のスピーディな解決は、「強い方が先に折れる」のが基本だ。その基本を、アメリカなど欧米の大国は近年まったく守れていないので、失敗ばかりしている

おそらく、海外に出られない大人は、「ここなら安全」「ここで十分」「出ていくのは危ない」と無意識に考えているのだと思う。そうじゃない。何を見たいのか、何がほしいのか。何をやりたいのか。それをはっきりさせないと、いつまでも「外」と「なか」の区切りは消えないだろう。逆に言うと、はっきりさせれば動きだすのは容易い

日本人は、なぜかお金ばかりを惜しむ傾向がある。高いから設備投資せずに人手で仕事をまかなうとか、移動にお金がかかるから長距離バスに乗るとか、バカバカしすぎる。惜しむべきは、お金ではない。時間だ。時間は命なのだ

覚えていてほしい。世界も日本も勝手に変わっていく。君も好きにしたらいいのだ

僕たちを不自由にする「国境」は頭のなかにある

険しい山を越え、手製の船で海を渡り、命がけの冒険をしてまで、6万年もかけてアメリカ大陸の最南端へたどり着いた、人類の原動力は、何だったのだろう? 僕は、とてもシンプルな理由だったと考えている。「見たことのないものを、見に行きたかった」のだ

スマートフォン革命がもたらしたシェアエコノミーは、旅のコストを劇的に下げてしまった。もうバックパッカーの時代ではない。若者はAirbnbで格安の宿をシェアし、UberXで割安で移動できる

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ここでは書き切れませんでしたが、著者が気に入ったというインドのチャイの店や、メッセンジャーアプリの会社など、有望な企業についても言及があり、投資家目線でも興味深い内容です。

「八重山諸島をアジアのレイブパーティの聖地に」など、書かれている中には突飛なことも含まれますが、ゼロベースで考えたら面白いアイデアがたくさん詰まっています。

地域開発、観光開発のヒントにもなるので、関係者はぜひ読んでおくといいでしょう。

そして何よりも、若者に対する希望あふれるメッセージがいい。

日本に閉塞感を感じている人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『君はどこにでも行ける』堀江貴文・著 徳間書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198641323

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◆目次◆

第1章 日本はいまどれくらい「安く」なってしまったのか
第2章 堀江貴文が気づいた世界地図の変化<アジア編>
第3章 堀江貴文が気づいた世界地図の変化<欧米その他編>
第4章 それでも東京は世界最高レベルの都市である
第5章 国境は君の中にある
特別章 ヤマザキマリ×堀江貴文「対談」
ブラック労働で辛い日本人も、無職でお気楽なイタリア人も、みんなどこにでも行ける件

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