【「外資系トップ」待望の続編】
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ビジネス書の世界では、ビジネスで成功した人、出世した人が本を書くというのが常識ですが、多くの場合、上から目線の説教か自慢話、心構えで終わります(土井はそういう話も好きですが)。
ただ、実際に学ぼうと思ったら、学ぶべきは彼らの若い頃の話であり、また、実際に行ったことだと思います。
若い頃にどんな意識でいたのか、どんなことが起こって、何がきっかけで転機・勝機をつかんだのか、その辺が細かく書かれていればいるほど、キャリアの役に立ちます。
そういう意味で、昔から注目しているのがISSコンサルティングさんが出している、『外資系トップ』シリーズ。
本日ご紹介する一冊は、その第4弾にあたる、『外資系トップの思考力』です。
今回は、ダイソンの麻野信弘氏や、メルセデス・ベンツの上野金太郎氏、ネスレの高岡浩三氏、BCGの御立尚資氏、スリーエムの三村浩一氏など、計10人のインタビューが登場。
外資系なので、多くが転職組なのかと思ったら、半数が新卒で入社した会社でトップになっており、そのキャリアパスも参考になりました。
なかでも、たまたま隣のビルを訪れて、「メルセデス・ベンツ日本」の社名を見つけ、ダメ元で飛び込んで新卒採用一期生となった上野金太郎氏のエピソードは、ぜひ就活生に読んでいただきたい。
いずれのインタビューも、これからキャリアを築く方には参考になると思います。
どんなインタビューが掲載されているのか、さっそくエッセンスを見て行きましょう。
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何かを思考するには、まず考えるべき問題を設定しなければなりませんよね。その前提となる情報が間違っていたら、問題設定が狂ってしまうから、いくら正しい答えを出しても意味がありません。大事なことは、最初に正しい問題を提起できるかどうかです(麻野信弘)
二者択一では、どちらを取っても問題が起こるか、どちらも決まらないか。だから、第三の道を考える(麻野信弘)
都心に自宅があったのに、高校二年生からは自立したくて一人暮らしを始めましてね(上野金太郎)
上司にもよく「上野はいい勉強してるよ」と言われ、便利屋みたいで冗談じゃねえよと反発を感じたこともありましたが、本当にその上司の言った通りでした。車のことも、価格関連についても全部分かった。輸入・通関・発注も、これはひとつの技術なんです(上野金太郎)
みんなに頼られて、謝り方も断り方も上手で、物事をきちんと見ている。そんな気持ちのいい人が出世していく(上野金太郎)
ネスレコンフェクショナリ─時代、ネスレ日本の社長だったクリス・ジョンソンから、あるとき食事に誘われました。それまで一〇年間、右肩下がりになっていた「ネスカフェ」のビジネスについて、高岡さんだったらどんな手を打つか、と相談を受けました。私は、いつも自分が担当している部署以外の事業についても、よく考えていました(中略)私が伝えたのは、インスタントコーヒーはもう難しい、ということでした(中略)私の答えはシンプルでした。プロフェッショナルが使っていないからです(中略)逆に言えば、プロフェッショナルが堂々と使える「ネスカフェ」を作れば、一気にイメージが変わるだろう、と考えました(高岡浩三)
アメリカ人のCFOがいて、よく言っていたのが「ファイナンス部門は、データではなくインフォメーションを出せ」(西村豊)
経営に不可欠な視点は、極論すると二つしかないと思っています。「本当にそうなのか」「どうしてそうなのか」(日色保)
ビジネスの世界では、結果を出せなければ何の意味もありません。だから、実行力に対する感性がないといけない(御立尚資)
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人事の方がいらっしゃれば、裏側の話も聞いてみたいと思いますが、どの会社がどんな人材を求めているのか、働く人はどうすればチャンスがつかめるのか、良いヒントが見えてくると思います。
新卒で外資系を目指す方であれば、本書はマストバイでしょう。
いずれも世界的な有名企業の日本トップということで、グローバルキャリアを考える上でもヒントになると思います。
ぜひ読んでみてください。
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『外資系トップの思考力』ISSコンサルティング・編集 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478067627
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◆目次◆
麻野信弘 ダイソン株式会社
上野金太郎 メルセデス・ベンツ日本株式会社
熊谷昭彦 日本GE株式会社
高岡浩三 ネスレ日本株式会社
留目真伸 レノボ・グループ
西村豊 リシュモン ジャパン株式会社
日色保 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
平野拓也 日本マイクロソフト株式会社
御立尚資 ボストン コンサルティング グループ
三村浩一 スリーエム ジャパン株式会社
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