【じつはおいしいポジション】
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こんにちは、土井英司です。
以前、自著『成功読書術』で、藤沢武夫氏の『経営に終わりはない』をご紹介しました。
※参考:『経営に終わりはない』
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藤沢氏は、ホンダの創業者本田宗一郎氏を経営面で支えたNo.2で、『経営に終わりはない』は、「No.2の美学」をビシビシ感じさせる名著でした。
本日ご紹介する一冊は、この「No.2」を目指すキャリアを推奨する、興味深い一冊。
著者の細島誠彦さんは、ベンチャー・インキュベーション事業の会社において、管理本部長、経営戦略本部長、CFO、取締役を歴任、その後起業に失敗し、上場企業を経て、イベント事業を手掛けるグループ会社に入社し、グループ数社の取締役を勤めている方です。
本書には、著者が考えるNo.2の魅力、理想のNo.2像、どうしたらなれるのか、どんな心構え、知識、スキルが必要なのかが書かれており、これからキャリア構築を考える20代、30代には刺激になる内容だと思います。
どうしても実現したいビジョンがあるなら、No.1になって才能を集めればいいですが、才能一本で勝負したいならNo.2を目指すべき、というのはじつによくわかる理屈です。
前述の藤沢武夫氏は、『経営に終わりはない』のなかで、こんなことを書いています。
<大きな夢を持っている人の、その夢を実現する橋がつくれればいい>
こんな美学をお持ちの方は、読んだらきっと刺さる内容です。
さっそく、内容をチェックして行きましょう。
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今やっている仕事をもっとおもしろく感じ、裁量権も増やし、自由を得て、そして、さらに、その気さえあれば、先には独立や起業にすら繋がるような新しい働き方があるのです。それが「ナンバー2」という新しい働き方なのです
ナンバー2がしっかりしている会社は組織上強くできており、多忙な社長の代わりに圧倒的な能力と仕事量で、経営判断から末端の業務指示まで行うことができます。こういうナンバー2が存在している会社は、外部の会社からも安心感を持って見られます
ほとんどの会社は創業者が社長であり、それは揺らぐことがありません。いかに社長が無能だとしても、それに代わってトップには立てないのです
「人に仕えることができる人」というのは、どういう人を指すのでしょう? 例えば我が強く、自分の言うことを聞いてもらえないとムカついて仕方がないというような人は、あてはまりません。「自分の言うことは常に正しい」という自信を持っている人も同じです
一見、人に仕えているように見せながら、決して仕えていないという人も世の中にはいます。自分の存在が事業の要だとわかっていて、それを盾に、社長に無理難題を吹っかける。悪い言い方をすれば、脅す人間です。このような場合は、いかに要となる存在であっても、社長はこの社員を追い出さなければなりません
なぜ、その事業がダメなのか? なぜ成功しないのか? どれだけのコストがかかり、どれだけの利益が期待でき、その可能性がどれだけ薄く、どれだけやる意味がないのかを、徹底的に説明しなければなりません。そして、そのときの本業の被るリスクを並べ立てるのです
◆No.2のやること
・数字を理解できて、意味も解読できる
・事業をゼロからでも構築できる
・マーケティング知識があって、ビジネスに応用できる
・マネジメントができる
誰かがやらなければならない、確実に嫌われる仕事というものはあるのです。
・リストラの断行 ・事業の撤退・清算 ・給与のカット
・解雇の言い渡し ・降格人事の発表
(中略)組織としては、ナンバー2がやるのが標準的でしょう。「社長が決めたから仕方がないんだよ」という言い方はダメです。それではトップが悪者になります
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どうあるべきか、を主に説いた内容であり、ノウハウを書いているわけではありませんが、ビジネスパーソンのキャリアを考えるきっかけとして、良い刺激になる本だと思います。
土井も若い頃、この本を読んでいたら、No.2を目指したかもしれませんね。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『No.2という働き方』細島誠彦・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
序章 なぜナンバー2を目指すべきなのか
第1章 企業におけるナンバー2とは
第2章 ナンバー2の仕事
第3章 ナンバー2の持つべき能力
第4章 ナンバー2の持つべき心
第5章 ナンバー2になるために
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