【「感性」を鍛える方法があった!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863111290
昔、とある出版社の社長に、「なぜ、息子さんを後継者にしないんですか?」と伺った時、こんなことを言われました。
「この仕事って、結局センスだろ? 自分の息子にそんな感性があるかどうかなんてわからないじゃないか」
また、別の出版社の社長に、「どうやって編集者を育てるんですか?」と聞いた時は、こんな風に言われました。
「編集者はな、育てるんじゃない。育つんだよ」
ああ、やっぱり「感性」なのか…。
確かに、ベストセラーを出す編集者は、最初からベストセラーを出しますし、人によってはアルバイト、インターンの頃から頭角を現しています。
「感性」。言われてしまうと、元も子もない言葉ですが、何とかこれを伸ばす方法はないものか。
そう思っていたら、ピッタリの本に出合いました。
本日ご紹介する『感性仕事術』は、羽田空港第1旅客ターミナルビルの「スタースイーツ」、JR川崎駅直結の「ラゾーナ川崎プラザ」、札幌駅ビルの「札幌ステラプレイス」など、数多くの商業施設を成功に導いてきた、商業コンサルタント、島村美由紀さんによる一冊。
もともと大手出版社に編集者として勤務していたという著者が、どうすれば感性を仕事に落とし込んで良い貢献ができるか、そのヒントを示しています。
仕事は、「感性」で終わるのではなく、その後、インプットした情報に対して、なぜそうなのかという原因や要因を理論的に考えて“気づき”を生むことで、チャンスへとつながっていく。
著者はこれを「悟性」と呼んでいますが、この「悟性」を含む3つのステップが、感性を仕事に活かす上で重要と著者は説いています。
◆感性を仕事に活かすための3つのステップ
1.「感性」ステップ
2.「悟性」ステップ
3.「表現力」ステップ
この感性を活かした仕事術、さっそく気になった部分をチェックして行きましょう。
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感性とは「じっくり見る力」、すなわち「観察力」にほかならない
仕事ができると言われる人は、ある特定の分野で感じるセンサーを絶え間なくはたらかせている人です。その結果、得られる情報の量が感性の鈍い人に比べてはるかに多くなるのです
感じるセンサーのはたらきは、あなたの目標達成への意欲に比例していると考えてください。センサーをはたらかせるために必要なのは、目標設定です。何の分野で・何のために・何を達成したいのか──まずは自分の達成したい目標を明確にする必要があります
通常、食品エリアは、販売する商品によって生鮮・惣菜・菓子というようにはっきりとゾーンが区分けされていますので、惣菜ゾーンには惣菜店だけを並べるのが基本です。しかし、私はその中に、たった一店舗だけ「おだんご屋さん」を入れました(中略)お客様の立場になって実際に歩いてみたときに、ちょっと“つまらない”と感じてしまったのです。意外性がないな、と(中略)ふたを開けてみれば、私が思ったとおり、そのおだんご屋さんは予想の3倍以上の売上を上げる人気店になりました
ソフト的に商業施設をつくる時代
ただ物を買うだけではない、楽しくて素敵な体験ができるという
「コトづくり」
◆感性を仕事に活かすための3つのステップ
1.「感性」ステップ
2.「悟性」ステップ
3.「表現力」ステップ
「悟性」とは、感性によってインプットした情報に対して、なぜそうなのかという原因や要因を理論的に考えて“気づき”を生む力です。さらに、その気づきをもとに推論し、きっとこうなるだろう、きっとこうすべきだろう、と推論する力です
「情報の引き出し」と「経験の引き出し」、この2つの引き出しを増やすことが、悟性を鍛えるための基本
“言葉を集める”という作業を習慣化してください
悟性で感じ取った情報を誰かに伝え、褒められたという成功体験を積み重ねていくことが大切
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書かれていることはシンプルなことですが、確かに感性で得たインプットを「流さない」ことで気づきやチャンスは生まれると思います。
忙しいと、インプットをしてもつい「その先」を怠ってしまいますが、本書のおかげで大切なことに気づかされました。
感性を活かして仕事をしたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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『感性仕事術』島村美由紀・著 産業編集センター
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863111290
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◆目次◆
Chapter1 「感性」という力の秘密
Chapter2 3ステップ感性活用法
Chapter3 「3つの力」の磨き方
Chapter4 感性が活きる仕事への取り組み方
付録 実践 感性トレーニング
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