【童話で学ぶ成功法則】
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以前出した『20代で人生の年収は9割決まる』という本の冒頭で、わらしべ長者の話をしました。
※参考:『20代で人生の年収は9割決まる』
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あの童話には、お金持ちになるためのすべての要素が入っているのですが、それをビジネスの言葉で説いたわけです。
童話は教訓に満ちており、それだけにビジネスパーソンにはぜひ再読していただきたい。とはいっても、実際に絵本を読むのはちょっといい大人にとってはハードルが高いですよね。
そこでおすすめしたいのが、上阪徹さんによる『ビジネスマンのための新しい童話の読みかた』。
「ウサギとカメ」
「北風と太陽」
「アリとキリギリス」
「オオカミと少年」
「裸の王様」
「金の斧、銀の斧」
など、ロングセラーとなっている童話35話を題材に、ビジネスや人生で使える教訓を紹介しています。
プロインタビュアーである著者の体験・エピソードも盛り込まれており、楽しく読むことができました。
さっそく、気になったポイントをご紹介しましょう。
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ウサギは何を見ていたか。カメを見ていたのです。レースの相手のカメを見ていた。だから、自分より遅いカメを見て、寝てしまった。では一方のカメは何を見ていたか。レース相手のウサギは見ていませんでした。だから、ウサギが寝ていても、カメは歩みを止めなかった。カメが見ていたのは、ゴールだったのです
もっともらしい話こそ、根本を疑え
あなたが北風だとすれば、「服を脱がせる対決」をするなどと太陽と同意してはいけません。自分の得意なところで勝負をすれば、結果は変わるのですから
笑われるのを恐れるどころか、笑われたら喜ぶくらいの気持ちでいないと、人を驚かせるような商品は出せない
あえて、人が欲しがらないほうを選べ
表に見えているメリットだけが、必ずしも最善の選択というわけではありません。むしろ、人が欲しがらないもののほうが、結果的にはよかったりする
竜宮城で夢心地を味わうことができたかわりに、太郎は時間を失ってしまいました。いい思いをすれば、いずれその代償を払わなければいけなくなる。いい思いだけで終わることはできない。うつつを抜かしていると危ない、ということです
浦島太郎は、人間にとっての最たる恐怖は何か、を問いかけてもいます。その答えは、まわりに誰も自分を理解してくれる人がいない、孤独な場所に放り込まれてしまうこと
桃太郎がもし、「自分で財宝をもらうため」「自分が名を上げるため」「自分が立派になるため」というビジョンを掲げていたら、果たしてイヌやサルやキジはついていったかどうか
華やかなキャリアに計画なし
森の中に、小さなモミの木がありました。
「早く大きくなりたいなあ」
モミの木には、輝く陽の光も、空を流れるきれいな雲も、何ひとつ目に入りません。いつも思うのは、大きくなることだけ。お日さまがそれを見て言いました。
「今の若さを楽しみなさい。大きくなるまでを、味わいなさい」
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「北風と太陽」を、強みで戦わないと負けるという教訓にしたり、「ウサギとカメ」のカメの勝因を「ゴールを見ていたかどうか」の問題にしたり、じつに大人な読み解き方で、思わずニヤリとしてしまいます。
得られる結論は、ビジネス自己啓発としてはスタンダードなものですが、童話の読み解き方がユニークで勉強になりました。
週末の読書におすすめしたい一冊です。
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『ビジネスマンのための新しい童話の読みかた』上阪徹・著 飛鳥新社
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◆目次◆
第1章 疑う力をつける7つの話
第2章 思考力をつける7つの話
第3章 習慣を変える7つの話
第4章 人間関係を変える7つの話
第5章 うまくいく人になる7つの話
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