【これは必読。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864104565
何の分野であれ、成功したければ注目を集める必要がありますが、そのための技術を知っている人は、決して多くはありません。
古今東西、一部の成功者の間ではその「アテンション(注目)」の技術が学ばれてきたのですが、最近は、この手の情報が簡単に書籍で手に入るようになりました。
古くはS・I・ハヤカワの『思考と行動における言語』、最近だとロバート・チャルディーニの『影響力の武器』。
良書は山ほどあるので、ぜひ一冊は読んでみて欲しいと思います。
※参考:『思考と行動における言語』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/400000977X
※参考:『影響力の武器』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4414304229
本日ご紹介する一冊は、この「アテンション」を真っ向から論じた、注目の一冊。
「strategy+business」誌の「ベストビジネスブック賞」を受賞した本ということで、小林弘人さんが解説を務めています。
本書によると、情報過多時代になって、「アテンション(注目)」は、ますます希少な資源となりつつあるようです。
最近の研究によると、「ヘビー・メディア・マルチタスカー」は、そうでない人に比べむしろ関係のない刺激に影響されやすく、タスクの切り替えにも余計な時間がかかることがわかっているそうで、スマホ時代の人々の「アテンション」を奪うのは、極めて難しくなっているようです。
本書は、そんな難しい「アテンション」をあっさりと奪う心理原則を述べた一冊。
さっそく、内容をチェックして行きましょう。
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クリックしてもらいたければボタンは赤やオレンジや黄色などの暖色系にすべきだ
もし自然の葉の色が緑ではなく紫だったら、赤はとうてい注目を得られない
襲われたら「助けて!」ではなく「火事!」と叫べ
愉快な映像のまえに悲しい音楽が流れると、不調和がきわだち、被験者の心に強く刻まれる
六年生を統計データやヒストグラムに夢中にさせるにはどうすればいい? もちろん、答えはフィンガーペイントとジャンプだ(中略)革新的な数学の授業に贈られるローゼンタール賞の二〇一二年度受賞者であるゴールドソープは、驚き──破壊トリガーの最初のS──で生徒の予想を破壊した
◆ゲーミフィケーションの専門家、ユーカイ・チョウの報酬の6分類
1.インセンティブ(特定のアクションを完了した見返りに提供される)
2.ポストアクションの報酬(特定のアクションを完了した後に予想外の報酬)
3.収集(完成したくなることを見越して、報酬全体の一部をだけを渡す)
4.くじ(運によって報酬を提供)
5.ランダムな報酬(タスクを完了した時に報酬をもらえるが、何か知らない)
6.贈り物(他のユーザーから報酬を渡す)
ゴールテープを切ることをイメージすれば、レースを完走する決意が強まる
ジャンクフード満載のメニューのなかにヘルシーな一品があると、体にいい食事をしたときの内的な目標に達する機会を与えられただけなのに、脳は実際に達成したという感覚になってしまう
ニューヨーク大学政治学教授のスティーヴン・ルークスは、著書『現代権力論批判』(未來社)のなかで、権威者の力の行使には三種類あると論じている。すなわち、人の意思に反することをやらせる、人のある行為をやめさせる、人の考え方を変えさせる。カリスマ的人物がおこなうのは三番目だ
誰かの注目に値するには、「一貫性」、「個性」、「時間」という三つの鍵が必要
自分のアイデアに注目を集めたいときには、売りこみ先がジャーナリストであれ、会社の見込み客であれ、相手が評判を認知しているか信用している人物や会社を、少なくともひとつ交えるのだ。つまり「公認者」を使う
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使い方によっては、ユーザーを「中毒」にしてしまう強力な心理テクニックが紹介されており、モノ作りやマーケティングには、間違いなく役立つと思います。
くれぐれも悪用しないようお願いいたします。
300ページとやや厚めですが、思い切り「アテンション」を奪われ、一気に最後まで読んでしまいました。
ぜひ買って読んでみてください。
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『アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略』ベン・パー・著 小林弘人・解説 飛鳥新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864104565
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◆目次◆
はじめに これからは、「注目」を制す者が夢も市場も手に入れる
第1章 注目の三段階 注目には「即時」「短期」「長期」がある
第2章 自動トリガー 「色」や「シンボル」で人間の無意識に訴えかける
第3章 フレーミング・トリガー 「おなじみの感覚」を演出する
第4章 破壊トリガー 「驚き」「単純さ」「重要性」のセットで畳みかける
第5章 報酬トリガー 「相手がほしがっているもの」を可視化する
第6章 評判トリガー 肝心なのは「なにを言うか」より「だれが言うか」
第7章 ミステリー・トリガー 「謎」「不確実性」「サスペンス」を提供し続ける
第8章 承認トリガー 「認知」「評価」「共感」の三欲求を満たす
おわりに この本のもうひとつの目的
謝辞
日本語版解説 小林弘人
原注
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