【経済の巨人たちの名言集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797384654
大学時代、名講義で知られる教授には、共通点があることを発見しました。
それは、適切なところで「名言」を繰り出していること。
なかでも、政府税制調査会の会長も務めた学部長の故・加藤寛氏、現代芸術論担当の故・江藤淳氏、経済学担当の竹中平蔵氏の話の面白さは、群を抜いていました。
竹中平蔵氏が授業の中でおっしゃった、マーシャルの「Men with cool heads but warm hearts」は、いまでも心に残っています。
本日ご紹介する一冊は、その竹中平蔵慶応義塾大学教授が、名立たる経済の巨人たちの名言から今のわれわれに必要なものをセレクトした名言本。これが面白くないわけがありません。
「資本主義は成功のゆえに失敗する」(シュンペーター)
「チャンスは貯金できない」(ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー)
「行動すれども弁明せず」(イングランド銀行)
広く知られた偉人たちの名言に加え、著者が身近な師から学んだ教訓、小泉純一郎内閣時代のエピソードなどが盛り込まれ、じつに興味深い読み物に仕上がっています。
作家、啓蒙家の名言も見られますが、多くは経済の巨人たちの名言で、そこが類書と差別化されている点です。
リーダーシップや経済を学びたい方にとっては、入り口として、とっつきやすい一冊かもしれませんね。
通常、この手の名言本は名言があって解説で終わるのですが、本書の場合、著者が教養のエッセンスを盛り込んでくれているので、より価値が高まっているのが特長です。
未来へ踏み出す「勇気の名言集」、さっそく見て行きましょう。
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「川を上れ、海を渡れ!」
川を上れ=歴史を遡って学べ
海を渡れ=海外の事例や経験を学び、活かそう
「資本主義は成功のゆえに失敗する」(シュンペーター)
「遅いことならネコでもする」(著者の母)
「おごってはいけない。でも、卑屈になってはいけない」(著者の母)
ハーバード大学ケネディスクールで30年にわたりリーダーシップ論を教えていたロナルド・A・ハイフェッツ教授は、「バルコニーに駆け上がれ」という言葉を残しています。この言葉はダンスホールで踊る人を見ているだけではなく、時にはホール全体をバルコニーから見渡してみる、という俯瞰の視点の大切さを示しています
「機会を待て。だが、決して時を待つな」(詩人ヴィルヘルム・ミューラー)
「平凡なことを毎日平凡な気持ちで実行することが、すなわち非凡なのである」(作家アンドレ・ジッド)
「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである。およそ成り行きにまかせる人間は、気分が滅入りがちなものだ」(アラン)
「鎖につながれて正しく歩むよりも、自由のうちに誤って歩むほうが人間にとってはましである」(トーマス・ヘンリー・ハクスレー)
「私は、得意なことしかやらない」(本田宗一郎)
「チャンスは貯金できない」(ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー)
「行動すれども弁明せず」(イングランド銀行)
「どこかにたどり着きたいなら、今いるところに留まらないことを、決心しなければならない」(J・P・モルガン)
「天才とは、凡人が敷いたレールの上に自分の考えを乗せないことだ」(スタンダール)
「偶然は、準備のできていない人を助けない」(ルイ・パスツール)
「金は鋳造された自由である」(ドストエフスキー)
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自らを戒める言葉、行動に駆り立てる言葉など、さまざまな名言がありましたが、個人的に刺さったのは、以下の2つの言葉でした。
「鎖につながれて正しく歩むよりも、自由のうちに誤って歩むほうが人間にとってはましである」(トーマス・ヘンリー・ハクスレー)
「どこかにたどり着きたいなら、今いるところに留まらないことを、決心しなければならない」(J・P・モルガン)
どちらも行動を促してくれる言葉で、現在の日本人に必要な考え方だと思いました。
ぜひ読んでみてください。
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『不安な未来を生き抜く知恵は、歴史名言が教えてくれる』
竹中平蔵・著 SBクリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797384654
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◆目次◆
序章 歴史の名言から未来を読もう
1章 仕事に効く名言
2章 リーダーのあり方を見つめる名言
3章 イノベーションを起こすための名言
4章 人・組織を動かす名言
5章 名言で洞察力を持つ
6章 「学び」の名言
7章 名言で国際感覚を身につける
8章 世の中の本質と日本の問題を見抜く名言
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