【インテリアから生き方を考える】
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成熟社会になって、人々の需要にも大きな変化が訪れています。
まず、「安かろう、悪かろう」の商品は売れなくなってきたこと。そして、エコに配慮するようにもなりました。
いまや消費とは、モノを手に入れることではなく、お金を通じて世の中に何ができるか、に変わりつつあります。
だからこそ、高くても良い物、購買を通じて社会に貢献できるものは売れる傾向にあるのです。
そこで研究しておきたいのが、成熟社会かつ人々の幸福を重んじる北欧の価値観。
北欧といえば、家具が有名ですが、その家具を通じて彼らの価値観を学べる面白い本があったのでご紹介します。
本日ご紹介する一冊は、『なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?』。家具の専門家、空間プロデューサーで、ドバイのレストランの監修も務めたという著者が書いた、興味深い一冊です。
デンマークでは多くの人が、初任給で家具やインテリアを買うそうですが、その理由が、現在の消費をひも解くカギになりそうです。
さっそく、ビジネスに役立つ北欧の価値観に迫っていきましょう。
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洋服や腕時計など、自分を飾るものではなく、自分や友人が快適に過ごすための空間に、最初にお金を使う。そうすることで、暮らしの質が向上し、心が豊かさを感じ、日常から幸せを感じることができるようになる
北欧は寒い地域であるために、家の中で過ごす時間が長いというのがポイントです。北欧家具は、こういった北欧独特の生活習慣から生まれました。長い時間、部屋にいても飽きのこないシンプルなデザインと、高い実用性、利便性が特徴です
飾りなどの華美な部分をなくしているために、流行というものに左右されることがなく、長く使い続けることができる
キズや古さを「デザイン」としてとらえる
ヨーロッパ車であるメルセデス・ベンツやポルシェのデザインは、何年経っても大きく変わることはありません。だから誰がデザインを見ても、ひと目で「ベンツだ」「ポルシェだ」とわかるのです。それに対して日本車は、モデルチェンジしていくと、まったく違うかたちに変わることが多いと思いませんか
見えない部分だからこそ、こだわるのです
「家飲み」が増えていたり、ホームパーティを開く人も少なくありませんが、自宅に招くということに、なんとなく躊躇してしまいませんか。少し極端になるかもしれませんがインテリアにも、自分自身にも、自信がない人が多いからではないかと私は思っています
ワンルーム・ワンアート
国を問わず、富裕層の最終到達点、物欲の最終到着地がアート
意外な場所に手をかけるほど、感動が大きい
Less Is More(少ないことが豊かである)
キッチンがオシャレな人に共通することとして、パッケージなどの見た目が美しいオーガニック系のオリーブオイルや、無添加の調味料をならべています。キッチンのオシャレに気を遣いだすと、だんだんと化学由来の身体に悪いとされるものは買わなくなるのです
オフィスがオフィスらしい必要はまったくない
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日本人も、家にいる時間が伸びれば、インテリアへのこだわりは増しそうですし、「飽きたら捨てる」はエコじゃないから長く使える物を選ぶ、という風に価値観が変わってきそうな気がします。
日本車のブランディングへの言及や、大量生産品を嫌うオシャレな人の趣味嗜好の解説も、勉強になりました。
惜しむらくは、日本批判の部分と富裕層の消費への理解が必ずしも当たっていないところで、変な批判を入れなければ良い本だったのに、と少々残念な気がしました。
世界幸福度ランキング第1位(2013、2014)のデンマーク人が、どんなことを考えているのか、生き方のヒントとしても読みたい一冊です。
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『なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?』小澤良介・著 きずな出版
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◆目次◆
Prologue イスを変えると、人生が変わる
Chapter1 世界一幸せな国の秘密は「イス」にある
Chapter2 良質な暮らしは、デンマーク人に学ぶ
Chapter3 人生を好転させる空間とは?
Chapter4 北欧式 夢をかなえる部屋のつくり方
Chapter5 あなたの人生の質は、空間で決まる
Epilogue 空間を通して、世界中に幸せを
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