2015年11月7日

『23区格差』池田利通・著 vol.4127

【東京23区の「格差」とは?】
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以前、BBMで『年収は「住むところ」で決まる』という本をご紹介して以来、セミナー参加者には、なるべく年収の高いエリアに住むように、なんて半分本気で言っています。

※参考:『年収は「住むところ」で決まる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420821

実際、毎月ニューヨークに行っていて思うのですが、向こうでは年収1000万円が普通。家賃は最低25万円~。

おそらく、レストランのウェイターでもチップ込みで年収1000万円を超える人はザラにいるはずです。

まあ住む場所はともかくとしても、商売をするなら、どこの地域が稼いでいて、どこが稼いでいないかを知ることは重要です。

そこでご紹介したいのが、ちょっと異色の地域研究本『23区格差』です。

一般社団法人東京23区研究所(そんな組織があるのか!)の所長、池田利通さんが書いた、じつに興味深い一冊。

全国と東京23区の比較や23区内での格差について、データを元に論じており、中身が気になって気になって仕方がありません。

ちなみに、総務省の『統計でみる市区町村のすがた』によると、23区内で最も所得水準が高いのは港区で、1人あたり903.7万円。以下、千代田区(762.9万円)、渋谷区(683.6万円)と続きます(2012年)。

せっかくなので、全国の所得水準トップ10を見てみましょう。

1.港区 903.7万円。
2.千代田区 762.9万円
3.渋谷区 683.6万円
4.兵庫県芦屋市 567.1万円
5.中央区 546.8万円
6.文京区 545.6万円
7.目黒区 526.7万円
8.世田谷区 502.5万円
9.武蔵野市 479.5万円
10.新宿区 475.3万円

本書には、このように読者が気になるデータがたくさん詰まっており、ざっと眺めるだけでも楽しめます。

さっそく気になるポイントを見て行きましょう。

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男子服、婦人・子ども服、靴・履物の小売店舗数は、そのいずれにおいても23区一の集積を誇る。『東京都福祉・衛生統計年報』による2013年度末の美容所(美容院)の店舗数も1位。美容師の数に至っては、23区全体の6分の1に相当する7千800人が渋谷区に集まり、2位の港区(4千400人)を2倍近くも上回っている

(港区)情報通信業で働く従業者の数1位。その内訳を見ても、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業のいずれも1位

(世田谷区)『都内保育サービスの状況』を見ると、2014年の世田谷区の待機児童の発生率は7.8%と13人に1人の割合にのぼり、23区最悪の数値を示す

性比が低く、男性に比べて女性が多い区の筆頭は目黒区。以下、港区、渋谷区、文京区、世田谷区の順で続く

2010年の『国勢調査』で、人口密度1位の座は豊島区に譲ったものの、1990~2005の間は中野区の人口密度が一番高かった。「東京で」ではない。「全国で」だ

中央区は緑被率が23区で一番低い

練馬にもわが国を代表する、いや世界に通じるビジネスの集積がある。それがアニメ産業だ

(台東区)貴金属・宝石製品製造業の工場数、皮革関連製品製造業の工場数、ともに1位。ジュエリー製品卸売業、靴卸売業、はきもの卸売業、かばん・袋物卸売業の店舗数いずれも1位

豊島区は結婚適齢期世代において、23区最大の男余り社会だということになる

不幸にして犯罪に巻き込まれてしまったとき、犯人が逮捕されて然るべき処罰を受けることは最低限の慰めとなる。そして文京区はこの検挙率が23区で一番高い

2011年時点で足立区は刑法犯の認知件数が23区で一番多かった

東京23区で離婚率が最も高い区は港区だ。2006年以降、ずっとトップの座を独走している

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自分と関わっている区がどんな特徴を持っているのか、データ上どこに位置づけられるのか、知る上でも有用ですし、商売をする場所、不動産を買う場所を調べるのにも便利です。

ぜひ読んでみてください。

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『23区格差』池田利通・著 中央公論新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121505425

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◆目次◆

はじめに
前章 多極化する23区に生まれる「格差」
第1章 23区常識の「ウソ」
第2章 ニーズで読み解く23区格差
第3章 年収・学歴・職業が非凡な区、平凡な区
第4章 23区の通信簿
最終章 住んでいい区・よくない区を見極める方法

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