2015年11月23日

『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』香川晋平・著 vol.4143

【黒字起業家になるには?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860638107

2010年に出た、『経営のやってはいけない!』という起業ジャンルのベストセラーがありました。

元ドリームゲートのアドバイザーで、仙台の主要企業を顧問にしている税理士が書いたもので、起業の実際を「ぶっちゃけ」書いている、じつに痛快な一冊でした。

※参考:『経営のやってはいけない!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371126

起業本の問題点は、まだ起業していない読者には、その良否が判断できない、ということに尽きるでしょう。

だからこそ、既に起業している方に評価されている著者の書籍を選ぶべきだと考えています。

本日ご紹介する『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』の著者、香川晋平さんは、大手監査法人で7年間上場企業の会計監査に従事し、30代でリフォーム大手のオンテックスに入社、入社後90日で経営管理本部取締役に昇進した人物で、ベンチャー企業の実務を知り尽くした方です。

それだけに、中身は現実に即したアドバイスが多く、これから起業する方なら、ぜひ読んでおくべきだと思います。

さっそく、内容のエッセンスを見て行きましょう。

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起業当初は3つほどの収入源でスタートし、伸びてきたものに力を注ぐよう、シフトチェンジしていく

法人にすべきかどうかを判断するためには2つのポイントがある。1つは、年間の課税所得が400万円以上。もう1つは売上が1000万円超という基準である

法人税率は課税所得が年800万円までなら15%、800万円超なら23.9%と決められており、一定となっている(平成27年4月1日以降開始年度の場合)。他の税率を合わせても約33%といったところ。そうなると、所得が大きくなればなるほど、法人にすることによる節税効果が高くなる

消費税は、所得税や法人税と大きく違う点がある。それは、利益が出ておらず赤字だったとしても納めなければならない、ということだ

会社設立の相談者に、起業の目的について尋ねてみると、「社会的信用を得たいから」と言われることが多い。それなら、迷わず株式会社を選ぶべきだろう

資本金を1000万円にしてしまうと、設立初年度から消費税の課税事業者となり、納税を義務づけられてしまう

「資本金1円」という会社は、どのように評価されるのだろうか?ご想像の通り、まったく評価されない。とくに大手企業との取引は、まず期待できないだろう。また、最初の元手が1円ということであれば、たった1円の赤字で元手を食いつぶして、すぐに債務超過となってしまうリスクがある。そうなると、金融機関からの融資も期待できない

普通決議事項には、取締役の選任、解任の権利がある。つまり、あなたが2分の1超を保有していれば、取締役から追放されるリスクはない

「出張旅費規程」をつくっておけば、会社から社長個人に出張手当を払うことができる

「人を雇ったら、給与の2割増しは覚悟せなアカンで」人を雇った場合は、ただ単にその人に一定額の給与を支払うだけでは済まない。通勤手当を支払わなければいけないのはもちろんのこと、社会保険料や労働保険料というものが発生するのである

「しくみ化」で重要なのは、社長の3分の1の能力しかない初心者仕様にすること

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法人成りするタイミング、消費税の免除期間を延ばす方法、合同会社、資本金1円の是非、助成金の実際、出張旅費規程の作り方、資金繰りの基本、会社を大きくするための仕組みづくりと考え方…。

じつに細かなアドバイスがなされており、役に立ちます。

「もっと数字で考えなきゃ!」という割には数字の話が少なかったのですが、起業するなら迷わず読んで欲しい内容です。

ぜひチェックしてみてください。

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『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』香川晋平・著 あさ出版

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860638107

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◆目次◆

第1章 瓜は2つでええねん、3つも4つもいらん。
    起業の構想を練るための9の言葉
第2章 ホンマに1円にするとは……鼻からウロコ落ちたで。
    起業の準備、手続きに役立つ11の言葉
第3章 銀行にあんのは日傘だけや。雨傘は1本もあらへんで。
    資金調達を成功させる11の言葉
第4章 チワワに象のエサは無理やろ?
    事業運営、ビジネス展開をスムーズにする11の言葉
第5章 コンビニ行くついでに富士山登る気か?
    事業を拡大、成長させるための10の言葉

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