2015年11月27日

『必ず書ける「3つが基本」の文章術』近藤勝重・著 vol.4147

【「3つの基本」で文章力アップ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498398X

いまから4年前、東日本大震災の半年後に、心温まる文章術の本を読みました。

『書くことが思いつかない人のための文章教室』という本です。

※参考:『書くことが思いつかない人のための文章教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344982339

この本は、毎日新聞専門編集委員で、同紙夕刊の大人気コラム「しあわせのトンボ」の執筆者、近藤勝重さんが、その文章術をまとめ、10万部のベストセラーとなった本です。

このメルマガでも、これまで読んだなかで<「もっとも温かい」文章術>の本ということでご紹介させていただきました。

何を書くにも繊細さを要求される東日本大震災の真っ只中、なるべく温もりある文章を書こうと苦心していた土井が、思わず飛びついた本で、じつに良い勉強になりました。

本日ご紹介する一冊は、その近藤勝重さんが書いた、新しい切り口の文章術の本です。

以下に4つほど抜き出しましたが、3つの点を織り込むシンプルな「型」によって、誰でも心を揺さぶる文章が書けるという、優れたメソッド本です。

「1.体験 2.気づき 3.普遍性」
「1.有りや 2.無しや 3.その答え」
「1.遠景 2.近景 3.心模様」
「1.全体 2.部分 3.細部」

小説家・村上春樹さんの文章や、パラリンピック選手・佐藤真海さんのスピーチ、桜木紫乃さんの『ホテルローヤル』などを題材に、読み手の心をつかむ文章の書き方を解説しており、題材の多彩さと著者の味わいある文章が読ませてくれます。

型ごとに読み切りできるので、長い文章を読むのが苦手な人でも、サクサク読めるはずです。

さっそくですが、気になったポイントを見て行きましょう。

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「文章というと、すぐに上手下手が言われるけれど、その前に、というより、それ以上に心がけてほしいのは、何を、どう書くかです」

「まずは何を書くかですが、作文ですとやはり自らが体験したことで、かつ心に残っている印象の強い話でしょうね」

文章は(1)何を書くか(2)どう書くか(3)どう構成するか──この『3つが基本』で、それぞれにコツがあるんです

(1)体験(2)気づき(3)普遍性──を踏まえて作文を書くことを「個人的体験の普遍化」とか、「個性の普遍化」と言っています

主語がなくても意味が通じるのが日本語の特徴です。主語を削ると、いい文章になる

接続詞や副詞を削る

「必ず必要」の「必ず」は重複です。必ず取ってください。「あとで後悔する」の「あとで」も要りません。「いまだ未解決」。強調して、そう書きたい気持ち、わからないでもありません。でも「いまだ」は重複です。「連日暑い日が続く」は「暑い日が続く」でいいのです。連日などとこれ以上、暑苦しくしないでください

あとでメモしておこうなんて思う自分を信用してはいけません

まずはいったん頭を休めてみる。頭にある知識から離れると、心は外に向かいます。そして自然や建物や人々の様子など、視界にある風景を先入観にとらわれず、あるがまま眺めてみる。言ってみれば、景(眺め)に心を託すわけですね。すると、どうなるか。じっと眺めていれば、対象物から受けた感じが心に残るものです。その印象を言葉にできれば、そのときの胸中を表現したことになりませんか

最小のもので最大のものを描くと、深い味わいが出ます

あらゆる事物、すなわち万象に対して心は動くものですが、人生とかかわる一大決心は細部によって動かされるものです。その細部はまた全体を語って余りあるのです

読まれる文章は核心から書いてある

新聞は「人間の問題」、「週刊誌は問題の人間」。言葉の位置を換えるだけで、意味合いが大きく変わるんですね。こういう語法を上手に使っている作家、けっこういるんです

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著者の解説により、プロの作家が使っている語法を知ることができ、大変勉強になりました。

面白い文章を書くための考え方や視点、体験の仕方や情報の集め方など、さまざまな角度から文章術の本質に迫っており、じつに読み応えがありました。

あらゆる文章に対応した技術ですので、作家志望の方はもちろん、会社や学校でレポートを作成する方、受験で作文を選択する生徒さんにも、おすすめの内容です。

これはぜひ、買って読んでみてください。

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『必ず書ける「3つが基本」の文章術』近藤勝重・著 幻冬舎

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498398X

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◆目次◆

第1章 何を書くか
第2章 どう書くか
第3章 どう構成するか

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