【成功者は失敗をどう乗り越えたか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413096282
成功者の本をたくさん読んでいて気づくのは、どんな成功者も、一度は手痛い失敗をしているということ。
それは、事業における不注意だったり、プライベートのことだったり、さまざまですが、本人の精神に大きなダメージを与えたことは確かです。
成功者と失敗者を分けるのは、じつはいかに順調に行ったか、というノウハウではなく、いかに失意のなかに勝機を見つけたか、という意志の部分。
本を読む際には、ぜひここを読んでいただきたいと思っています。
本日ご紹介するのは、成功者たちの「失敗」のフォーカスを当て、彼らがそこからどうやって這い上がったかをまとめた、ミニ伝記集。
信頼できるビジネスパートナーを殺された直後、自身が所有するホテルで宿泊客に自殺されたコンラッド・ヒルトン、道路建設の影響で客足が遠のき、一文無しになったカーネル・サンダース、将来が見えないなか恋人が妊娠・出産したアルベルト・アインシュタイン、契約上のミスで店を奪われたサム・ウォルトン…。
偉人たちの失敗ストーリーがコンパクトに読め、かつためになる、ビジネスパーソンにとって手軽な読み物です。
さっそく、そのエッセンスを見てみましょう。
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信頼できるビジネスパートナーであり、大切な友人を亡くしたヒルトンは、その痛みを振り切るようにビジネスに没頭していくが、そんな気持ちに追い打ちをかけるかのようにホテルの一室で泊り客が自殺していることを知らされた。この一件で、ただ寝床を提供するだけの古びたホテルの経営にピリオドを打つことを決めたのである。同時に、「ヒルトン」と名のついた近代的で最新の設備を備えた高層ホテル、疲れて傷ついている人々を癒すホテルを思い描いた
ふつう人は一文無しになると希望が持てず、やけを起こしてしまいがちだ。だが、サンダースの場合は昼間のうちは今後のことについてあれこれ悩んだとしても、夜ベッドについたらすべてを忘れてきちんと睡眠をとるように努めたのだ。するとある日、思いもよらないアイデアが舞い降りてきた。それは、自分に唯一残されていたフライドチキンのレシピをビジネスにするという思いつきだった
彼は非戦闘員にもかかわらず戦地で捕らえられ、捕虜になってしまう。収容所生活は厳しく、ついには仲間と脱走を企てるも逃げ切れたのはチャーチルだけだった。(中略)夜の貨物列車に忍び込んで移動したり、偶然出会ったイギリス人に助けてもらったりと脱走劇は続く。最終的にポルトガル領モザンビークのイギリス領事館にたどり着いた頃には、自国ではすっかり英雄になっていた。そこでチャーチルは、この時の顛末を本にして出版した。すると本はベストセラーとなり、講演にも引っ張りだことなった
じつは、機械いじりは好きでも学校での勉強が嫌いだった宗一郎は、そんな基礎的な知識の裏づけのないまま、無謀な挑戦をしていたのである。学問が根底になければ大きな仕事へ挑戦することはできない…、そう思い知らされた宗一郎は、基礎から学ぼうと浜松工業専門学校の聴講生になることを決意し、校長に頼みこんで29歳にして社長業のかたわら学生になった。その甲斐があり、9カ月後にピストンリングの製作は成功し、その2年後には量産されるようになる
順風満帆の一家に悲劇が襲いかかる。5年間の借地契約の期限を前に、店の地権者が契約を更新しないと告げてきたのである。ウォルトンは最初に借地契約した際に、契約更新の選択権は自分にあるという条項を加えるのを忘れるというミスを犯していたのだ。地権者はウォルトンが経営している店があまりにも繁盛しているのを見て、どうやらその店を自分の息子にやらせたいと考えたようだ。明らかに理不尽な要求だったが、契約上、どうすることもできない。ウォルトンは地権者に500万ドルで店を売って廃業し、5年間商売に励んできたニューポートを追い出されるようにあとにしたのだった
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本書には、偉人たちの興味深いエピソードの他に、名言も登場します。
「大きなことをするには、まず大きな夢を見なければならない」(コンラッド・ヒルトン)
「チャレンジして失敗することを恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」(本田宗一郎)
「敗北の瞬間は将来の勝利のための計画を練る最高の時だ」(フランクリン・ルーズベルト)
雑学、名言集の側面もあるので、楽しく読めるのではないでしょうか。
高校生、大学生から読める、手軽な伝記集です。
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『奇跡をつかんだ失敗の顛末』ライフ・リサーチ・プロジェクト・編 青春出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413096282
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◆目次◆
1.運命の章
2.突破の章
3.逆転の章
4.勇気の章
5.奇跡の章
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