【浪費家の兄と節約家の弟、その運命は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569764010
資本主義社会に生きている限り、お金との付き合いは避けて通れないもの。とくに難しいのは、お金との距離の取り方かもしれません。
お金は、気まぐれな恋人のようなもので、無関心すぎると縁がなくなりますが、かといって深くハマり過ぎると、それはそれで愛想を尽かされるものです。
お金は「人生で2番目に大事なもの」。そこを理解しておくことで、良い人生が送れると思っています。
そのことを教えてくれるのが、本日ご紹介する『貯金兄弟』。
ベストセラー『会計天国』の著者2人による、待望の文庫書き下ろしです。
※参考:『会計天国』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569760678
『貯金兄弟』というタイトルの通り、貯金をめぐる兄弟のストーリーなのですが、果たして、これが小説のテーマとして成立するのか?
大いに疑問だったのですが、読み始めたら、止まらなくなるほど興味深い内容でした。
派手好きで浪費家の兄・宗一郎と、しみったれた節約家の弟・翔太。お金に対して真逆のスタンスを持つ二人が、それぞれの人生を歩みながら、読者にお金との付き合い方、賢い貯金、保険、住宅ローンのノウハウを教えてくれるという、不思議な一冊です(笑)。
さっそく、気になるエッセンスを見て行きましょう。
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「兄さん、それは違うよ。高卒のほうが、確実に大卒より稼げるんだよ」
民間企業の給料が上がらない時代に、大学を卒業しただけで、高卒の公務員よりも高い給料をもらえる保証など、どこにもなかった
「適当に、新聞の見出しを読むだけで、記事とかちゃんと読んでないでしょ。だから、そういう表面的な、浅い話しかできないんだよ」
「入社するときの倍率が高い人気の会社ならば、それだけ同期に優秀な人材が多くなるから、出世は難しいはずだよね」
「都市銀行よりも、地方銀行のほうが、住宅ローンなどのお金を借りるときに、融資の基準が甘いんですよ」
「お金さえあれば、愛を持ってきてくれる人なんて、たくさんいます。逆に、お金がなくて、愛を失ってしまう人のほうが、世の中に溢れかえっているでしょう」(中略)「殺人、強盗、詐欺……これらの事件の根っこを探っていけば、ほとんどお金の問題に辿り着く」
「まず、お前が入ろうとしている生命保険は、『定期保険』と『終身保険』がセットになっているところに、大きな問題がある」
60歳までに死ぬ確率は、男性が約8%で、女性が約4%しかない
「生命保険は金融商品だから、“買う”が正しいんだよ。買ってトクなのか、それとも損なのかを見極める必要があるんだ」
「インターネットの生命保険は、噂されているほど、保険料は安くならない」
誰も参入してこないからこそ、ライバルも生まれないし、価格競争にも巻き込まれない。そして、将来的に、牛乳の生産者が減れば、それをより独占できることになる
「じゃあ質問するが、円の面積の計算式って知っているよな」
「そりゃ、π×半径×半径だろ」
「とすれば、円の面積は、半径の2乗に比例するから、徒歩10分の土地と徒歩30分の土地では、距離は3倍でも、面積は9倍になる。つまり、徒歩30分の土地は、供給が断然多くなるから、価値もそれに比例して、かなり安くなってしまう」
「もし、俺が食べ物に困ったキリギリスだったら、アリに、こう言うつもりだ。『俺は、人生を十分に楽しんだ。だから、最後は自分の死骸でも食べて、お前ら生き延びてくれ』ってね」
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『アリとキリギリス』のような兄弟の話ですが、得られる教訓や結末がまったく違っているのが面白い。
貯金や就職、保険、ビジネス、不動産、それぞれの教えが散りばめられた、ユニークなビジネス書です。
ぜひ読んでみてください。
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『貯金兄弟』竹内謙礼、青木寿幸・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569764010
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◆目次◆
第1章 大卒の生涯年収が、高卒の生涯年収よりも、3000万円も低い理由
第2章 給料も人並み、お金を貯める気もあるのに、なぜ、口座残高はゼロなのか?
第3章 生命保険は人生で住宅の次に高い買い物、だからマジメに選びなさい
第4章 住宅ローンは固定金利と変動金利、どちらがトクなのか
第5章 家を買ったほうが、賃貸よりも本当に“正解”なのか
第6章 老後にいくらの貯金があれば、安心できるのか
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