2015年9月16日

『中小企業のための全員営業のやり方』辻伸一・著 vol.4075

【営業以外も営業しよう】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862804705

昔、ベストセラーとなった、高野登さんの『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』という本があります。

※参考:『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761262788

じつはこの本、かんき出版の秘書の方が高野さんのセミナーに出席して、えらく感動したのがきっかけで、できた一冊。

それがベストセラーになったのですから、世の中何が起こるかわかりません。

言いたいことは、何も著者を探すのは編集者でなくてもいい。同様に、商品を売るのも営業マンじゃなくていい、ということです。

本日ご紹介する一冊は、『中小企業のための全員営業のやり方』。

営業マンはもちろんですが、営業マン以外のスタッフも、顧客も、取引先も巻き込んで全方位的に営業する方法を、経営コンサルタントの著者が説いています。

著者の辻伸一さんは、三井銀行(現三井住友銀行)に入行し、その後、旅行大手のエイチ・アイ・エスに転職し、法人営業部の立ち上げに参画、営業実績西日本No.1に輝いた人物。

本書では、営業のプロである著者が、どうすれば営業マン以外をも巻き込み、成績が上げられるか、興味深い視点を示しています。

トーク主体の小手先の営業本が多いなか、全社体制から見直すという本書のコンセプトは、じつに斬新です。

さっそく、そのエッセンスを見て行きましょう。

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◆初回訪問時の3つのインパクト
1.会社インパクト
2.商品インパクト
3.営業インパクト

仮に、パンの製造工場スタッフが、「うちの会社のパンは、原材料の出所もはっきりしているし、実際に目で見ていつもチェックしているから、自分の家では子供にうちの会社のパンしか食べさせないし、母親も子供にコンビニでは父さんの会社のパンを選びなさいと言っている」と話すのを、お客様が実際に聞くとどうでしょう。あるいは、経理のパートさんが、「あまり大きな声じゃ言えないけれど、うちの会社の商品は、同業者の3割増で材料費をかけているし、作り方もじっくり時間をかけてやっているから、モノもいいし、少々高くても安心だし、お値打ちだから、自分の家のものは、できる限りうちの会社の商品を使うように心がけている」と言ったら、どう思いますか?

◆10年以上続いている会社の“埋蔵金”「3つの資産」と「2つの可能性」
1.創業から10年以上のこれまで関わったお客様とその周囲の人々の人脈
2.時の経過による信用。いくら儲けていても新興の企業では決して真似ができない
3.10年取引いただいているお客様が感じている会社の強み
4.新しいお客様を増やした経験
5.今までのお客様に継続して取引いただいている経験

営業の本質は売上や数字ではなく、縄張り作り

自社が競合に勝てる強い縄張りを作り、それを広げる

既存のお客様へ商品を送るとき、それまでは発注書だけ同封していたのを、今後は荷造りする人が手書きで一言コメントを書いた絵葉書を1枚入れるようにした

工場も、社用車も、文房具も、おまけに天候でさえも営業力に転用しませんか?

最も効果的なやり方は、「ここぞ」という場面における、製造・技術部門の営業同行

利益を上げたければ、「商品」「地域」「客層」のいずれか、あるいはすべてに手をつけ、売上を上げたければ、「新規営業」「リピート営業」のいずれか、あるいは両方に手をつける

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<営業は、自分なんか売らずに、ちゃんと商品を売れ>
<営業マンの話す言葉はしょせんセールストークと思われる>

など、歯に衣着せず物言いが、じつに痛快な一冊です。

実践したら、自然に売上が増えていた、という状態ができるかも。これはぜひ読んでおきたい一冊です。

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『中小企業のための全員営業のやり方』辻伸一・著 総合法令出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862804705

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◆目次◆

序章 「全員営業」こそが、中小企業にとって最強・最善の営業戦略
第1章 「全員営業」5つのノウハウその1「まず、視点を変えろ!」
第2章 「全員営業」5つのノウハウその2「余計を増やすな、余力を生み出せ」
第3章 「全員営業」5つのノウハウその3「人に頼るな、仕組みで儲けろ」
第4章 「全員営業」5つのノウハウその4「売上を目指すな、縄張りを増やせ」
第5章 「全員営業」5つのノウハウその5「金で釣るな、心をつかめ」

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