2015年9月26日

『なぜ、一流になる人は「根拠なき自信」を持っているのか?』 久世浩司・著 vol.4085

【一流のメンタル】
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一流の人間・天才の研究に関する本を何冊も読んできましたが、ほとんどの本で主張されているのが、努力の大切さです。

能力というのは結局、努力した時間の総量で決まるのであり、能力開発において問題なのは、じつは継続するための「意志」や絶対成し遂げられるという「自信」なのです。

ただ問題なのは、その意志や自信が何らかの根拠に基づいていたら、根拠が失われたとたんに崩れてしまうということ。

本当に一流になるためには、じつは「根拠なき自信」が必要なのです。

そのことを述べたのが、本日ご紹介する『なぜ、一流になる人は「根拠なき自信」を持っているのか?』。

著者は、「レジリエンス」を日本にいち早く紹介した、ポジティブ心理学の専門家、久世浩司さんです。

本書のなかで著者は、一流の人の共通点である「根拠なき自信」がどうやって生まれるのか、どうやって高められるのか、論じています。

内容の中心となっているのは、<「根拠なき自信」を生み出す3つの心理的資源>と<9つのプラスの思考>で、本文ではこれらを詳しく説明しています。

◆「根拠なき自信」を生み出す3つの心理的資源
1.自己効力感
2.自己肯定感
3.失敗許容力

◆9つのプラスの思考
1.効力思考 2.当事者思考 3.実現思考 →自己効力感
4.強み思考 5.利他思考 6.意義思考 →自己肯定感
7.受容思考 8.成長思考 9.楽観思考 →失敗許容力

さっそく、エッセンスを見て行きましょう。

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意志力と見通し力を備え持った人は、どんな問題があっても最後には目標を達成できるという「希望力」を有しています。心理学でも希望理論として研究され、ビジネスや学業で成功する人の特徴とされています

「その自信の秘訣は何か」という問いに、孫さんはこう答えています。「親父が際限のないレベルで僕を褒めたからでしょうね。『お前は俺より頭がいい』って。僕は親父に怒られたことが一度もないんです。そういう環境で育ったせいか、自分が一生かけて本当に一生懸命やれば、相手が久光製薬であれブリヂストンであれ、そしてトヨタであれ松下であれ、必ず抜けるという、まったく根拠のない自信だけはあったんです」

子供が青年期に養った自信は長続きします。ある研究では高校時代の学業への自信が、5年後の幸福度と相関することがわかりました

◆自己効力感を高める4つの要素(バンデュラ博士)
1.直接的達成経験(とくに忍耐強さを発揮して逆境を乗り越えた経験)
2.代理的経験(他の人が何かを達成した様子を観察する)
3.言語的説得(人から自分に能力があることを指摘される)
4.生理的・情動的喚起(前向きな気分)

自分と仲間の可能性を信じきる中で集団効力感が生まれる

「個の尊重」が「圧倒的な当事者意識」の企業文化を生む

幸福感が高まると、自信の源である自己効力感も向上する

自分を特徴づける強みを新しいことに日常的に活用すると、幸福度の増加と抑うつ症状の低下が6ケ月に渡り継続する

◆職業に関わらず、高い仕事の満足度をもたらす5つの強み
1.好奇心 2.熱意 3.希望 4.感謝 5.スピリチュアリティ

失敗とその教訓をシェアすることは、相手を賢明にさせるだけではなく、共感性を増し、助け合う関係を築くことにもつながります

「知的な失敗」は大いに歓迎しよう

◆自信の大きな妨げとなる三大要因
1.失敗の恐れ 2.将来の不安 3.他者評価の心配

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一流の人物の事例に関して、二次情報が多く、その点が残念でしたが、内容的には納得の行く話でした。

ワークシートで自己効力感レベルをチェックするも良し、読んで自らを省みるも良し。

一流になりたい人は、ぜひチェックしていただきたい一冊です。

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『なぜ、一流になる人は「根拠なき自信」を持っているのか?』久世浩司・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆

第1章 「根拠なき自信」を生み出す3つの心理的資源とは
第2章 目標は達成できると信じる「自己効力感」を育てる
第3章 自分の価値を信じられる「自己肯定感」を高める
第4章 失敗を恐れずチャレンジし続ける「失敗許容力」を身につける
第5章 自信の妨げとなるマイナスの思い込みを捨てる

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