【入社1年目の「話し方」】
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大学時代、ドイツに行って見せられたWELLAの人事評価制度、慶應大学で花田光世先生に見せてもらった某大手企業の人事評価制度、そして最近、外資系人事コンサルタントに聞いた話。
すべてを合わせてわかったことは、「評価は入社3年で決まる」というシビアな現実です。
では、このわずか3年で、大学卒業したての若者の何を見るのか?
カッコいい言葉で言えば、先日池田哲平さんが著書でおっしゃった「クオリフィケーション」。日本の伝統的な言葉で言えば、「見どころがあるかどうか」だと思います。
※参考:『自分の価値を最大化するクオリフィケーション思考』
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もちろん、若者の本当の実力など、上司には知る由もありません。ましてや、成果など、まだまだ期待されていない段階でもあります。
であれば、何が評価のヒントとなるのか?
それは、「見どころのある人」特有のコミュニケーションができているかどうか、だと思います。
難しいのは、どんなコミュニケーションをすれば「見どころのある人」で、どんなコミュニケーションをすれば「見どころのない人」なのか、定式化されていないこと。
だから、30代、40代になっても「見どころのない人」のレッテルを貼られ、出世しない人がいるのです。
しかし、ヒントさえあれば、誰だって「見どころのある人材」に変われるはず。
そこで読んでおきたいのが、元NHKキャスターで、現在は政治家、経営者、ビジネスマンに話し方指導をしている矢野香さんの新刊、『「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書』です。
本書には、入社1年目に必要となる社内コミュニケーションの大半が詰まっており、これこそまさに「見どころのある人」のコミュニケーションの「型」だと思います。
・最初の15秒で、いい話か悪い話かを報告する
・逆説の接続詞は使わない
・数字や固有名詞をきちんと入れて報告する
本書で書かれている内容を、2つ3つ試すだけでも、上司の見方が変わること請け合いの内容で、ある程度社会人経験を積んだ方なら、きっと「うんうん」と頷くはずです。
さらにいくつか見て行きましょう。
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報告は1分以内に終えましょう。最初の15秒でいい話か悪い話かの結論を言い、残りの45秒で詳細を話すのです
相手を立てることも重要です。ポイントは人前で立てること。たとえば、上司から、「企画書、よく書けていたよ」とほめられたら、「はい。◯◯先輩に教わって書きました。◯◯先輩のおかげです」と先輩を立てるのです
ビジネスでは、日がたってから、「実は、こんなこともありました」と隠していた情報が徐々に出てくるのが、最も批判されます
2回目以降の面会の話題は、お礼と報告が正解
「あ、私も今日は魚の気分でした」。食事は、上司と同じものを頼もう
飲み物の温度を合わせることで、会話のペースが合ってくる
ネガティブな話や相談事のあるときは、温かい飲み物が向いています
すぐにお礼をすればよかったのに、うっかり忘れてしまった場合。「お会いすると思ったので、先日のお礼にこれを持ってきました」と言うようにしましょう
上司や先輩に言われたことに対しては、逆説の接続詞で言葉を返さないことです。指導してもらっているのに反論ばかりしていると、ネガティブな人間に見られます
相手の話を一度要約すると、「この人は、ちゃんと私の話を聞いているな」と思ってもらえます
「です」「ます」は、「感動」「納得」などの名詞には付きません。それぞれ、「納得しました」「感動しました」が正しい言い方です。よく使われる「了解です」という言葉も、おかしな使い方です
商品100個の注文に対して「98個が納品されました」「進捗率は98%です」など数字で伝えるのは重要なことです
会社の未来や歴史を語れる人は、評価が高い
事実のみを話すことで信頼される
「がんばります。やる気が出ました」と言うのではなく、「がんばります。明日から1時間早く出社するようにします」と言うのです
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社会人になって20年のベテランでも思わずやってしまう日本語の間違いも載っていて、じつに興味深い内容です。
研修用で使ったら、ものすごく効果がありそうですね。
客先に出しても恥ずかしくない社員を育てるために、そして何より自分が「見どころのある人」になるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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『「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書』矢野香・著 プレジデント社
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◆目次◆
第1章 きちんとした話し方1 入社1年目は気くばりが9割
第2章 きちんとした話し方2 結果を出す人は話し上手よりも聞き上手
第3章 きちんとした話し方3 “信頼感のある”伝え方を覚えよう
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