【人気ジェラート、GROM成功の軌跡】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560084629
ファッションブランドやクルマのメーカーに個性があるように、出版社にも個性があります。
戦略論やファンナンス理論などの堅い書籍を出す会社、コテコテの「儲かりまっか」本を出す会社、あくまでアート的に本を作る会社…。
いろいろあるなかで、もっともビジネス書を出しそうにない会社から献本を受け、本当に驚きました。
その出版社は、白水社。
土井がフランス語を習っていた大学時代、お世話になった、語学書、教養系の出版社で、まさかそこがビジネス書を献本してくるとは。
しかも、タイトルは『世界一のジェラートをつくる』。土井が以前オフィスを構えていた新宿三丁目に出店し、連日行列となっていた、有名ジェラートのお店「GROM」の創業者2人による共著です。(現在は、大阪店が営業中)
ここまでご縁があると、紹介しないわけにはいかない。
で、読んでみたらこれがまた冗長な本なのです。
起業本のくせに、ギリシャの詩人の誌が載っている、著名人の名言が載っている、ムダに会話が多い、おまけにジェラートのレシピまで!!
でも、気がついたらすっかり魅了され、読み切ってしまいました。
起業で一番大切なこと。それはお金でもなく、人でもなく、夢です。夢さえあれば他のものはすべてついてくる。
先日会話したあるベンチャーキャピタリストが話していたように、夢こそがビッグビジネスを成長させるのです。
本書『世界一のジェラートをつくる』は、そんな夢の大切さを教えてくれる、感動的な読み物です。
「世界一おいしいジェラートをつくる」という、拍子抜けするくらい単純な夢が、多くの人を巻き込み、青年二人の人生に奇跡を起こす。
そのエッセンスを、ちょっとのぞいてみましょう。
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人間らしい生き方というのは、誰にとっても同じだ──意欲が土台となり、夢をエネルギーとして、友情によって支えられる
イタカを忘れちゃいけない。
終着目標はイタカだ。
しかし 旅はめったに急ぐな。
何年も続くのがいい旅だ。
途中でもうけて金持ち物持ちになって
年をとってからイタカの島に錨をおろすさ
イタカが金持ちにしてくれると思うな。
すばらしい旅をイタカはくれた。
イタカがなければ船出もできまい。
イタカがくれるものはそれでおしまいさ。
(コンスタンディノス・カヴァフィスの詩の一部)
物ごとのやり方を決めるのは、人間ではなく自然である
人生はそのときの自分がどんな人間かによって決まる
けっして夢をあきらめてはいけない。あきらめたら自分自身を尊敬できなくなり、つまらない人間になってしまう
家や学校では、夢見ることを教えるべきだ。なぜなら、夢見ることは計画することだから。計画がなければ何も生まれない。夢を夢で終わらせない一番の方法は、実行に移すことだ
それまで誰もつくったことのないようなジェラート──世界一おいしいジェラート──をつくるというのは、お金のせいであきらめるにはあまりにもったいない夢だと感じたのだ。心から何かをやりたいと望んでいる者は、障壁などものともしない。壁に行く手を阻まれるのは決意が中途半端だからだ
<グロム>のメニューは“今月のフレーバー”となっていて、素材の仕入れ状況や季節に応じて変わる。アップル社のように、ぼくたちも少しは客を心待ちにさせているかもしれない。翌月のフレーバーを
才能は何かをしたいという欲求にすぎない。
残りのすべては苦労、汗、訓練だ。
──ジャック・ブレル(ベルギーのシャンソン歌手、映画監督、俳優)
『ニューヨーク・タイムズ』は、ぼくたちのためにほぼ一面を割いていた。見出しは“トリノ出身の二人のジェラート職人、ニューヨークを溶かす”ぼくは誇りに思った。自分を、フェデを、ぼくたちの街を、そして、ちょっぴりおこがましくも、イタリアを
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白水社さんは、100週年を迎えたようですが、おかげでこんなビジネス書に出合うことができました。
本当に感謝しています。
起業本が好きな方には、ぜひおすすめしたい一冊です。(冗長ですが)
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『世界一のジェラートをつくる』フェデリコ・グロム、グイード・マルティネッティ・著 白水社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560084629
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◆目次◆
友情
夢
情熱
決意
学習
幸運
バランス
好奇心
敬意
花
音楽
調和
幸福
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