2015年8月10日

『ヴァージン・ウェイ』リチャード・ブランソン・著 vol.4038

【R・ブランソンによるリーダーシップ講義】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822250970

本をメンター代わりに活用する。

これは、多くの成功者が実践していることであり、さらに本気の人は、本をきっかけに著者に会いに行ったり、セミナーに参加したりします。

かの小倉昌男氏や、稲盛和夫氏も、講演・セミナーからヒントを得て起業に成功しており、そのことが自著にも書かれています。

現在、起業している40代経営者の多くは、1995年のインターネット黎明期にヒントを見つけ、起業したのだと思いますが、そんな彼らのメンターとなったのが、ビル・ゲイツとこれからご紹介するリチャード・ブランソンです。

当時、パシフィコ横浜でこの両氏を招いた大規模な講演会があり、土井もそこに参加したのを、今でもはっきりと覚えています。

キャラクターは地味ながら、ITが変える人類の未来を見事に描き出したビル・ゲイツと、ノーネクタイがシンボルのカリスマ起業家リチャード・ブランソンの共演に、当時の起業家予備軍たちは、すっかり魅了されていたように思います。

16歳で高校を中退し、「スチューデント」誌を創刊。73年にはレコードレーベル「ヴァージン・レコード」を立ち上げ、名立たるアーティストとコラボレーション。その後、ヴァージン・ブランドを活用して事業多角化を進め、航空事業や鉄道、金融、携帯電話、旅行、飲料、通信、放送、出版、はては宇宙旅行にも参入して、売上高2兆円の一大企業グループを築き上げたリチャード・ブランソン。

本日ご紹介する『ヴァージン・ウェイ』には、そのブランソンが、自らの事業をどう振り返っているか、一緒に切磋琢磨してきた他の起業家たちをどう見ているか、が書かれています。

正直、90年代に出された『ヴァージン──僕は世界を変えていく』以降の著書には、さほど感銘を受けなかったのですが、本書は訳者の貢献もあってか、かつてのブランソンのユーモアあふれる語り口が戻っていて、じつに爽快な読後感です。

※参考:『ヴァージン──僕は世界を変えていく』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484031027

サブタイトルに「R・ブランソンのリーダーシップを磨く教室」とあるように、エピソードの中にビジネスや仕事のヒント、ノウハウが入っており、実用性も抜群です。

さっそく、気になった部分をチェックしてみましょう。

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自分がいまやっていることを楽しめないのなら、何をやっても楽しめるわけがない。ある賢人がかつて次のように言った。「人生は予行演習ではない」

マハトマ・ガンジーは私の永遠のヒーローだが、確か学校の歴史の授業で習った彼の言葉がいまだに耳を離れない。「あす死ぬと思って生きなさい。ずっと生きると思って学びなさい」

「おいおい、これはちょっとまずいぞ!」と考えていたとき、父が店主の鼻に自分の鼻を押しつけるようにし、彼女の目をまっすぐに見てこう言い放った。「マダム、私の息子を盗っ人呼ばわりですか?」もっとびっくりしたのは、店を出てから父がそれ以上一言も発さなかったことである。でも、無言というのは驚くほどの力を発揮することがある(中略)父のその反応は、私にとってとてつもなく大きな教訓を与えてくれた。以来、私は親から一銭もくすねることがなくなったし、許すこと、もう一度チャンスを与えることの大切さを教えられた

20年ほど前にギリシャで講演したときのことだ。(中略)その日に出た質問の約半分、いい質問のほぼ9割が彼によるものだった。(中略)主催者の一人に、質疑応答の主役だったあの若い男性の名前を知っているかと尋ねてみた。いつかうちで働いてもらったらどうかと考えていたのである。すると「ええ、知っていますとも」という返事。名前はステリオス・ハジ・イオアヌといい、キプロスの裕福な船主一家の御曹司だから職探しの必要はないこともわかった。案の定、それから間もなく、彼の名前はイージージェットというヨーロッパの格安航空会社の創業者として、英国のありとあらゆるニュースに登場するようになる

われわれが一つ重視しているのは、女性客のニーズや期待である。つい見逃しがちなちょっとしたディテールの数々が、「問題ないわね」と「えっ、ここまで考えてくれてるの!」の差につながるからだ

もし、あなたが消費者としてある特定の製品を気に入り、毎回そればかり買っていたら、たぶんほかの多くの人も同じことをするだろう。だったら、そこの株は買いである。そうした消費者行動の究極の事例を、レミントン・プロダクツという会社でひと財産つくったアメリカの起業家、ビクター・キアムのエピソードに見ることができる。妻にレミントンの電気かみそりを買ってもらった彼は、それがたいそう気に入ったらしい。広告キャンペーンのなかで「この製品がとてもよかったので、会社を買いました」と言ったのは有名な話である

「優れた演説は女性のスカートのようでなければならない。演題をカバーするだけの長さと、興味をそそるだけの短さが必要である」

いったん上場したら、形式上はまだ経営者だとしても、それまでのように自由に経営することは絶対できない。国だって自由や独立を守るために戦争をするじゃないか

人生で本当に価値があるものは、たいていある程度のリスクをともなう

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ウィットに富んだエピソード、古今東西の偉人の名言、著者自身の考えを交えながらリーダーシップの要諦を語っており、起業家ならぜひ読んでおきたい内容です。

また、年に1000万ドル稼ぐというリチャード・ブランソンのスピーチ術についても若干コメントがあり、興味深く読むことができました。

ぜひ読んでみてください。

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『ヴァージン・ウェイ』リチャード・ブランソン・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822250970

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◆目次◆

パートI  聴く LISTEN
パートII 学ぶ LEARN
パートIII 笑う LAUGH
パートIV 率いる LEAD

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