【伝説の営業の気配り術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798044164
多作な著者でも、やはり人には得手不得手があるわけで、どうせなら著者の得意な分野の本が読みたい、と思うのは当然の読者心理でしょう。
そういう意味で、本日の一冊、林文子さんの『ちょっとした“気配り”で仕事も人間関係もラクになる!』は、著者の強みを活かした本と言えるでしょう。
林文子さんは現在、横浜市長を務めていますが、元々はBMW東京の伝説のセールスとして知られ、その後ファーレン東京(現フォルクスワーゲンジャパン販売)代表取締役社長、BMW東京社長、東京日産自動車販売代表取締役社長など、自動車セールスの世界で名を成した人物です。
本書には、そんな林さんの気配り術、人間関係術がまとめられています。
代表作である『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』の方が尖っていてインパクトがありましたが、本書はより一般向けに人間関係改善のヒントを書いた本です。
※参考:『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475050503X
さまざまな人間関係のシーンに役立つ心構え、コミュニケーションのヒントが書かれており、耳の痛い話がたくさんありました。
どうすれば会話の糸口がつかめるのか、どうすれば嫌がられない接客ができるのか、会話例を交えながら説明されており、実践的な内容です。
相手の出身地が富山なら、「まあ、富山。あそこは◯◯が美味しいですね。私も大好きなんですよ」と返す。会社の場所が◯◯区なら、「会社は◯◯区ですか。あのあたりは、私も昔よく営業で回りました。懐かしいです。角の定食屋さんは、まだありますか?」と返す。
前作もそうですが、確かにこんな接客をされたら心を開いてしまうだろうな、と思わせる内容でした。
さっそくですが、エッセンスをチェックして行きましょう。
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「人」の心をまず幸せにしないことには、ビジネスの成功はあり得ません
感謝の気持ちをもてば、自然と気配りしたくなる
人のために働けば、結果はついてくる
自分でも驚いたのですが、私が課長に羽交い締めにされながらもKさんに向かって叫んだのは、「あなたみたいに才能のある人が、もったいないじゃない!」「自分の能力に気がつかないなんて、バカよ!」という言葉でした
やはり、人の気持ちを動かすのは、とことん相手と向き合う姿勢です。何があっても相手を思うことです。「この人は自分のことを真剣に思ってくれている」。その気持ちは必ず相手に伝わります
◆気配り上手になるための3つの心構え
1.相手の立場に立つ
2.相手に求めない
3.出会えたことに感謝する
「縁の下の力持ち」にこそ感謝する
挨拶にちょっとした雑談を加えれば、初対面の人との距離がグッと縮まります
「ここが相手のいちばん伝えたいポイントだな」というところでは、より大きくうなずきます
「うなずくこと+感想」で、相手にもっと寄り添う
上司からの頼まれごとは、プロセスを必ず報告しましょう
若い人が上司や目上の人をほめるコツは、まず「ほめようと思わない」ことです。ほめるのではなく、教えていただくこと
自分が「聞きたいこと」より、相手が「話したいこと」を質問する
感動を呼ぶ気配りとは、頼まれる前に“してさしあげる”ことです
人間関係はもっと深入りしていい
成績の良い人ほど実は孤独
「それ、知ってる」で話の腰を折らない
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接客・営業に限らず、電話応対や社内コミュニケーションのヒントも書かれており、新人から管理職まで、勉強になる内容です。
本書を献本いただく際、担当編集から丁寧なお手紙をいただいたのですが、これもきっと著者・林さんの影響でしょうね。
書いていることは極めてベーシックなのに、行間に説得力がある。
接客・コミュニケーションを生業としてる人は、ぜひ読んでみてください。
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『ちょっとした“気配り”で仕事も人間関係もラクになる!』林文子・著 秀和システム
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798044164
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◆目次◆
序章 「気配り」は誰でもつかえる成功のスキル
第1章 「また会いたい人」になる気配り術
──初対面の人やお客さまにはどう接する?
第2章 「かわいがられる人」になる気配り術
──上司や目上の人とのお付き合い
第3章 「ついていきたい人」になる気配り術
──部下や後輩への気配り
第4章 「ずっと一緒にいたい人」になる気配り術
──職場の同僚や友人との上手なコミュニケーション法とは?
第5章 「気配りできる人」が必ずやっている習慣
──気配り体質になる7つの習慣
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